困惑・2
「まず、イキがいいよね」
「そりゃあまあ、確かに…」
さっきの表現通りだ。
瞳を爛々と輝かせ、鋭い爪を煌めかす猫そのものだ。
「言葉遣いもミスマッチで笑っちゃうし(苦笑)」
「…確かに言葉は汚ねぇなあ; いいとこの坊ちゃんて聞いた割にゃ」
ど偉い金持ちのボンボンという噂は高校生の間でも流れている。
顔立ちはかなり整っているし、動きも優雅だから、黙っていれば「やっぱ金持ちは上品だよな」で通るのに、口を開くと同じコートにいる問題児の亜久津並みで、イメージがガラガラ崩れる。
お陰で…というか、顔が綺麗なくせに、金持ちのドラ息子を通り越して悪ガキめいた感じもある。
「結構偉そうにしてるのに、全然仲間に嫌われてないし。むしろ好かれてるみたいだよね」
「ああ」
確かに。
それには鬼も頷いた。
同じ学校の連中だけでなく、他校の者も「跡部だからしょうがない」という風に苦笑混じりに楽しげに見ている。
「あとね、君に対する態度がすごく可愛いよ。鬼」
「あぁ?」
「なんだかんだ言って、懐かれてるよね」
「そうかぁ?」
「うん。ボクや徳川相手にはもっとツンケンしてるよ(笑)」
「お前、それでよく可愛いって思えるな…;」
本当に入江の感覚は分からない。
単純思考の鬼には、とてもついていけなかった。
(3に続く)
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