14 闇の少女に優雅な安らぎを。
2012.07.04 (Wed)
さて、そんなわけで麻帆良にてマクダウェルの封印を解除したわけなのですが。
「とりあえず、封印が解けたって言うのは内緒で」
「ふん、まぁいいだろう」
「はい――では、契約内容の方に入りたいと想います」
と言うわけで、用意しておいた羊皮紙にラテン語でサラサラと文字を書き連ねる。
まぁ、結構読み辛いのだが、簡単に言うと以下のとおりとなる。
契約書
私、諏訪鋼一はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルにかけられた二種類の呪い(1.登校地獄 2.学園結界)を解除する事の対価として、以下の条件を求める。
1.現1―Aが卒業するまでの学園への在籍。
2.諏訪鋼一の企てる計画内容の秘匿
3.諏訪鋼一の企てる計画に対する妨害行為の禁止
4.お友達になってください
「おいちょっと待て最後のコレは何だ!」
渡してみたら、そんな反応が返ってきた。
「駄目?」
「阿呆か貴様、私は吸血鬼だぞ!? 何が悲しくてこんな阿呆みたいな契約内容で友達を作らねば為らんのだ!!」
「駄目? 友達なってくれない?」
「友達なんぞいらん!」
「マクダウェルがいらなくても俺は欲しい!!」
「貴様なら友達なんぞ幾らでもいるだろう!!――――――って、おい、どうした?」
……ふ、ふふ、ふふふふふ。
友達、一杯……ねぇ。
友達ってさ、貴重だよねぇ。うん。
俺ってさ、ほら、無限螺旋に捕らわれてたじゃない? あれの中に居るとさ、なんていうのかな、幾ら何度友情を育もうと、周が変わるたびにその友好度とか好感度は全部リセットされちゃうわけじゃない?
それがさ、何か一時期猛烈に空しくなって、周回が万を越えたあたりから友人を作らなくなったんだよね。そしたらさ、なんだかそのまま孤高の魔導師路線を突っ走っちゃって、そのままロンリーマギウスに成っちゃってさ、結局其の後友達を作るように成ったのは、無限螺旋末期の事。俺に対する大十字の評価なんて「一人で悟り開いた気に成ってるショタ魔導師」だぞ? なんじゃそりゃと思わずTrue(アーカムで探偵しつつミスカトニックに復帰、アル・アジフと再会)END行った大十字の頭を殴った俺は悪くないはず。
そして今生。
前世の影響で、最初っから飛ばしまくった結果。俺の現在の友人というと、ネットサークルの面々と会社の面々。いや、後半は部下だから、なんて野暮な突っ込み話。あれは共に機械で浪漫を夢見る同士だ。
「友達――居ないんですよ」
「……それは……」
「友達、駄目ですか?」
「――ぬ、く……」
「トモダチィ……」
30分くらい粘った結果、友達契約(っていうと何か厭だが)を結ぶ事に成功したのだった。
「さて、それじゃエヴァ」
「なっ!? なんだその腑抜けた呼び方はっ!!」
「んむ? 友達と言うのは、ニックネームで呼び合ってもいいものでは?」
「だからといってその様な――」
「駄目?」
じーっと見上げるように頼み込んでみる。マクダウェル――エヴァは基本善人なので、正面から誠意を籠めて頼み込めば、早々断られる事はない、と思う。
「……如何しても駄目なら、エヴァンジェリンって呼ぶけど……」
「――ち、契約を盾に取るか、恩を傘に着るかすれば蹴り飛ばしてやれた物を……」
「うん? 何か言った?」
「なんでもないわ戯け!!」
軽く頭を叩かれたが、なにやらよく解らない内にエヴァも納得してくれたらしい。
「――、それじゃ、エヴァ。コレを」
「何だこれは?」
そういって手に置かれたそれを見て首をかしげるエヴァ。
其の手に置いたそれ――魔刃鍛造の術式ででっち上げた、簡単なマジックアイテムで、鈴の形をしているのだが、エヴァが其の鈴を振っても、一向に音はならない。
「其の鈴には、エヴァに掛かっていたものと同じ、麻帆良大結界とのリンクが埋め込まれてます」
「――つまり、コレを身につけておけば、結界への侵入者を感知でき、また結界に拘束された状態に有ると擬装できる――と?」
「はい。魔力に関しては、擬装である為、その鈴自体に吸収されるようになっています。と言うのも、緊急時には、其の鈴から逆に魔力を引っ張る事が出来るようになってるんです。一種の蓄電池ですね」
「ほぅ、中々面白いマジックアイテムだな」
他に応用が出来そうな術式だとかなんとか呟くエヴァンジェリン。まぁ、事実そういう術式の応用だし。
因みに其の鈴だが、形としてはブレスレットと言う体裁にしてある。
「ふむ――」
「おぉ、良くお似合いです」
「ふん、世辞はいい」
言いつつ、満更でも無さそうなマクダウェル。
ふっふっふ、貴女が日本の古文化フェチだという事は既に調べがついているのですよ! 如何だその鈴! デザイン的には古きよき物と言うのを狙ってるからな! 開運の効果もあるよ!!
「あ、それとなんですけど」
「なんだ?」
「学園結界の術式をそれに移植する際、間違って登校地獄の術式も移植しちゃったんですよね」
「――って、なにぃ!?」
「あ、大丈夫ですよ。バグはちゃんと修正して、3年には卒業できるようになってます。勿論、修学旅行にもいけますよ」
「貴様、何て事を……!!」
これでも一応先生なのでね。サボり魔がサボりそうだと解っていて、何の手も打たないというわけにはいくまい。
「くっ――外れん!?」
「あぁ、登校地獄の呪詛ですね。まぁ、三年後には外れますよ。こうプチッと」
「今すぐ外せ!」
「そりゃ出来ません。それも契約内容から外れた事にはなりませんよ?」
「貴様、計ったな!!」
「キミはいい吸血鬼だったが、キミの保護責任者(学園長)がいけないのだよ――って、何をやらせるんですか」
「私が知るか!!」
「振ったのは貴女でしょうが!!」
「振っとらんわ馬鹿者!!」
まぁ、そんな感じで適当に話をはぐらかしたり誤魔化したりしつつ。
結局、鈴はそのままエヴァの左腕にくっついたままで行く事となったのだった。
************************************************
猫(キティー)には鈴をつけましょう、という話。
「とりあえず、封印が解けたって言うのは内緒で」
「ふん、まぁいいだろう」
「はい――では、契約内容の方に入りたいと想います」
と言うわけで、用意しておいた羊皮紙にラテン語でサラサラと文字を書き連ねる。
まぁ、結構読み辛いのだが、簡単に言うと以下のとおりとなる。
契約書
私、諏訪鋼一はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルにかけられた二種類の呪い(1.登校地獄 2.学園結界)を解除する事の対価として、以下の条件を求める。
1.現1―Aが卒業するまでの学園への在籍。
2.諏訪鋼一の企てる計画内容の秘匿
3.諏訪鋼一の企てる計画に対する妨害行為の禁止
4.お友達になってください
「おいちょっと待て最後のコレは何だ!」
渡してみたら、そんな反応が返ってきた。
「駄目?」
「阿呆か貴様、私は吸血鬼だぞ!? 何が悲しくてこんな阿呆みたいな契約内容で友達を作らねば為らんのだ!!」
「駄目? 友達なってくれない?」
「友達なんぞいらん!」
「マクダウェルがいらなくても俺は欲しい!!」
「貴様なら友達なんぞ幾らでもいるだろう!!――――――って、おい、どうした?」
……ふ、ふふ、ふふふふふ。
友達、一杯……ねぇ。
友達ってさ、貴重だよねぇ。うん。
俺ってさ、ほら、無限螺旋に捕らわれてたじゃない? あれの中に居るとさ、なんていうのかな、幾ら何度友情を育もうと、周が変わるたびにその友好度とか好感度は全部リセットされちゃうわけじゃない?
それがさ、何か一時期猛烈に空しくなって、周回が万を越えたあたりから友人を作らなくなったんだよね。そしたらさ、なんだかそのまま孤高の魔導師路線を突っ走っちゃって、そのままロンリーマギウスに成っちゃってさ、結局其の後友達を作るように成ったのは、無限螺旋末期の事。俺に対する大十字の評価なんて「一人で悟り開いた気に成ってるショタ魔導師」だぞ? なんじゃそりゃと思わずTrue(アーカムで探偵しつつミスカトニックに復帰、アル・アジフと再会)END行った大十字の頭を殴った俺は悪くないはず。
そして今生。
前世の影響で、最初っから飛ばしまくった結果。俺の現在の友人というと、ネットサークルの面々と会社の面々。いや、後半は部下だから、なんて野暮な突っ込み話。あれは共に機械で浪漫を夢見る同士だ。
「友達――居ないんですよ」
「……それは……」
「友達、駄目ですか?」
「――ぬ、く……」
「トモダチィ……」
30分くらい粘った結果、友達契約(っていうと何か厭だが)を結ぶ事に成功したのだった。
「さて、それじゃエヴァ」
「なっ!? なんだその腑抜けた呼び方はっ!!」
「んむ? 友達と言うのは、ニックネームで呼び合ってもいいものでは?」
「だからといってその様な――」
「駄目?」
じーっと見上げるように頼み込んでみる。マクダウェル――エヴァは基本善人なので、正面から誠意を籠めて頼み込めば、早々断られる事はない、と思う。
「……如何しても駄目なら、エヴァンジェリンって呼ぶけど……」
「――ち、契約を盾に取るか、恩を傘に着るかすれば蹴り飛ばしてやれた物を……」
「うん? 何か言った?」
「なんでもないわ戯け!!」
軽く頭を叩かれたが、なにやらよく解らない内にエヴァも納得してくれたらしい。
「――、それじゃ、エヴァ。コレを」
「何だこれは?」
そういって手に置かれたそれを見て首をかしげるエヴァ。
其の手に置いたそれ――魔刃鍛造の術式ででっち上げた、簡単なマジックアイテムで、鈴の形をしているのだが、エヴァが其の鈴を振っても、一向に音はならない。
「其の鈴には、エヴァに掛かっていたものと同じ、麻帆良大結界とのリンクが埋め込まれてます」
「――つまり、コレを身につけておけば、結界への侵入者を感知でき、また結界に拘束された状態に有ると擬装できる――と?」
「はい。魔力に関しては、擬装である為、その鈴自体に吸収されるようになっています。と言うのも、緊急時には、其の鈴から逆に魔力を引っ張る事が出来るようになってるんです。一種の蓄電池ですね」
「ほぅ、中々面白いマジックアイテムだな」
他に応用が出来そうな術式だとかなんとか呟くエヴァンジェリン。まぁ、事実そういう術式の応用だし。
因みに其の鈴だが、形としてはブレスレットと言う体裁にしてある。
「ふむ――」
「おぉ、良くお似合いです」
「ふん、世辞はいい」
言いつつ、満更でも無さそうなマクダウェル。
ふっふっふ、貴女が日本の古文化フェチだという事は既に調べがついているのですよ! 如何だその鈴! デザイン的には古きよき物と言うのを狙ってるからな! 開運の効果もあるよ!!
「あ、それとなんですけど」
「なんだ?」
「学園結界の術式をそれに移植する際、間違って登校地獄の術式も移植しちゃったんですよね」
「――って、なにぃ!?」
「あ、大丈夫ですよ。バグはちゃんと修正して、3年には卒業できるようになってます。勿論、修学旅行にもいけますよ」
「貴様、何て事を……!!」
これでも一応先生なのでね。サボり魔がサボりそうだと解っていて、何の手も打たないというわけにはいくまい。
「くっ――外れん!?」
「あぁ、登校地獄の呪詛ですね。まぁ、三年後には外れますよ。こうプチッと」
「今すぐ外せ!」
「そりゃ出来ません。それも契約内容から外れた事にはなりませんよ?」
「貴様、計ったな!!」
「キミはいい吸血鬼だったが、キミの保護責任者(学園長)がいけないのだよ――って、何をやらせるんですか」
「私が知るか!!」
「振ったのは貴女でしょうが!!」
「振っとらんわ馬鹿者!!」
まぁ、そんな感じで適当に話をはぐらかしたり誤魔化したりしつつ。
結局、鈴はそのままエヴァの左腕にくっついたままで行く事となったのだった。
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猫(キティー)には鈴をつけましょう、という話。
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コメント
……にじファンのとき、もう少し話数があったような気がする。
アーカムが襲撃されて、鬼神召喚して戦うような話なかったっけ?
アーカムが襲撃されて、鬼神召喚して戦うような話なかったっけ?
真黒 | 2012.07.25 23:12 | 編集
むしろ続きはまだ?
夜霧 | 2012.08.01 00:06 | 編集
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