02 戦士は道を選びて……。
2012.03.17 (Sat)
結局の所、あの村の惨劇は、魔法使い達によって完全に隠蔽されてしまった。
「――人の頭勝手に弄りやがって……」
ウェールズの病院の一室。目覚めた途端、記憶の欠如に気付いた俺は、即座にカリンを装身。カリンの呪力により即座に消された記憶を補填し、更にいざという時のためにカリンに記述しておいた原作知識を再読した。
2ch用語により暗号化された原作知識群は、即座に俺の頭に馴染む。
そうして気づいた。この世界が、ネギまであると。
……デモンベインの次がネギま。意味が解らない組み合わせである。
まぁ、ニトロつながりで沙耶の唄とか、ニトロの親しい型月世界に飛ばされたりせずに良かった、と考えるべきか。
さて、話がそれたが、俺の起すべきアクションは幾つあるのか。
先ず母さんに父さんのことを話さねばなるまい。母さんからは闇の気配はしなかったものの、父さんの配偶者である以上、少しなりとも魔法についての知識は所有していると見るべきであろう。
――あの父さんのことだし、もしかすると言っていない可能性もあるが。
次。ネギま世界だとわかった以上、この世界には「正義の魔法使い」なる存在が跋扈していることになる。
あんな邪悪な連中に地上が犯されているのかと考えると、ちょっとドコロではなく憂鬱になる。
と、なれば。
「門を砕くか」
MMの暗躍を許す旧世界。
魔法世界が滅ぶ? 旧世界への移住計画? 魔法世界の人間を救う?
知ったことではない。魔法世界は魔法世界、旧世界は旧世界として独立すべきだ。
他者に頼り、他者を食い物にする。それは間違いなく邪悪。討つべき対象だ。
未来も大切だろう。けれども、今を大切にしないやつに未来は無い。
MM、許すまじ
石化した村人は父のついでに助ける。が、その場合考えられるのはMMの再犯だ。
それを回避する為には何が必要か。
MMの干渉の除去。つまりは門の破壊。
なんとも簡単なお仕事。
では、ソレをする前に先ず一仕事。
「おぉ、おきたかねコーイチくん」
「あの……貴方はどちら様ですか? 此処は?」
病室の扉から現れた、いかにも魔法使い然とした白髭の老人。
俺の知識が正しければ、現メルディアナ魔法学園校長。ネギ・スプリングフィールドの祖父にして英雄の父。
とりあえず魔力やらその他諸々は隠蔽してある。精神にも擬装を施しているので、そう容易く見抜かれることは無いと思うが。
最初のお仕事は、惚けること。うむ、ハズい。
と言うわけで何とか日本へと帰還しました。
付き添いに付いてきた魔法使いらしき人物が、母に事情説明を行っているらしい。
正直ありがたい。事情を知る筈の無い俺が語るよりも、関係者が語ってくれたほうが楽だ。
――ただし、あまりハッチャケたことをしたら許さんが。
うん、最悪母さんの記憶を弄られるかもしれないと警戒していたのだが、どうやら其処まで悪辣な魔法使いではなかったようだ。MMの人間は大抵悪辣というのが俺の頭に入っている知識だし。
さて、そういうわけで母さんに呼び出された。父さんに関する事情説明をするらしい。
ついでに何故か傍に居る魔法使い。何時までこの家に居座る心算なのか。さっさと帰れ。
「こうちゃん。大切なお話があります」
そう前置きして話されたのは、『魔法』の存在と、父親がソレに携わっていたこと。
――っておいおい、ソレ俺に話すのかよ。
で、何故に俺にそんな事を話すのかと言うと、どうやらこの俺を送ってきた説明の魔法柄い。こいつが俺のことを育てたいとか言い出したのだそうだ。
「どうだ。キミに学ぶ気が有るのであれば、俺が師と成るが」
ゴメン、物凄く怪しいです。
「その前にお聞きしていいですか?」
「なんだ?」
「何故僕を弟子にしようと?」
問うと、白人系の男性である魔法使いは、少し悩んだような様子で口を開いた。
「ワタシは、キミの父と友人だった。本来ならあの事件の翌日、一緒に集まって酒を飲むはずだった」
そう口惜しそうに言う男性。なんでも、(何処とは言わない)本国の下請けとして働いており、遅れて合流する手はずになっていたのだとか。
「ギンジの息子だ。本当ならヤツが手ずから育てたかったのだろうが」
なるほど。父さんの代役をやりたいと。
精神のほうにも擬装は感じられず、本心を語っている様子だ。別にこの人についていっても問題は無さそうだ。
「一ついいですか?」
「なんだい?」
「その場合、ぼくは何処に住むんですか?」
「うむ。イギリスのメルディアナに行こうかと考えている」
メルディアナには魔法書の蔵書も多く、勉強には適している~とか云々。
なるほどコレはネギ寄りルートなわけだ。
此処で頷けば、ネギに近く、メルディアナで学び魔法を習得する王道ルートに行く。
大して此処で首を振れば、一般人として過すノーマルルートに行くのだろう。
ルートで物事を語る俺乙。
「止めときます。ぼくは母さんと一緒にいます」
ちょっとだけ悩んで、結局そう答えた。
何せ父がいなくなった今、俺までこの家から居なくなってしまえば、後に残るのは母一人。それは拙いだろう。
第一、俺が魔法を習得するメリットはあまり無い。
ファンタジー系世界の中で、最も融通が利くニトロ類クトゥルフ系魔術をかなり高い階位で修めた俺だ。今現在は十全に使えるというわけではないが、コレが完全に使いこなせれば、あの石化とて解くことは可能だろう。
寧ろ魔法なんていう脇道に逸れて解呪が遅れるほうが問題だ。
「――そう、か。ふ、さすがはヤツの息子。流されないな」
「ですか」
「だが然し、キミには何時か麻帆良学園に行って欲しいんだけどね」
なんだろうか。俺を本編に巻き込む心算なのか?
まぁ、時が来ればそれも一つの選択肢かとは思うが、残念ながら俺にはやるべきことが――いや。
「んじゃ、麻帆良に入学します」
「――いいのかい? そんなにあっさり」
「母さんがなんていうかわかりませんけど」
問うた瞬間OKが帰ってきた。さすがは母さん。
「うん。ならこれ以上俺に出来ることは無いだろう。そろそろ失礼させていただく」
「はい。お世話になりました」
母さんが魔法使い氏を見送りに行くのを尻目に、色々と考えるべきことが出来た。
この世界で俺が何をすべきか。
ソレをなす為には如何いう手段を用いるべきか。
そして、保険の製造。
考えるにつれて、大体の構想は即座に纏まってきた。
でも、そのためには資金を作らなければならない。
資金――くくく、そうか資金か。
ソレを得る手段は既に手の内に。思い浮かぶのは緑の髪のわが師、変態科学者。
考えが纏まった時点で、とりあえずアレを作るために近所のホームセンターに行くことにした。
勝利の鍵はトイ・リアニメーター。
さて、作ってみようか。
俺の、魔を断つ剣を。
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