拙著「よろず屋」かく戦えり。‥より抜粋
note.com/enokidas/n/n36
◎吊し上げ
2023年1月29日午後3時に発生。
約3時間に渡り「れいわ新選組衆議院議員大石あきこ事務所」内の会議室に於いて、
大阪市議選予定候補者だった前島かずき、堀口こうすけ両名に対する問責が行われた。
これは、過日生配信されたいわゆる「榎田砲」と呼ばれる「れいわ新選組の運営方針」および同議員に対する痛烈な批判が行われた事に対して、
スタジオにて同席していた前島・堀口両名に対する問責であったが、
大石議員とその事実婚パートナー、事務局長(御家老)はじめ大石が掻き集めた10数名の支持者らによる事実上の「吊し上げ」であった。
これは正常な事情聴取および民主的な議事進行とはとても言えない「極めてお粗末な糾弾集会」として同党支持者からも批判されているのだが、
同事務所からは謝罪はおろか弁解すら出されていない。
そもそもこの組織は、修正することを一切しない。
「1ミリもブレない」ということを喧伝しているが
有耶無耶にしてごまかすだけの卑劣極まりない組織である。
午後6時ごろ、吊し上げから解放された堀口こうすけから電話が入った。
「抗えませんでした。すみません」
彼は涙声で謝罪し同党に残ることを伝えた。
私は「かえって迷惑かけちゃったね。すまなかったね」としか声をかけられず、
いまも彼を守れなかったことを後悔している。
一方、前島かずきは新大阪Gスタジオに現れた。
幽霊のようだった。
あの健康優良児のような前島から生気が喪失していた。
「いやー。人間って何なんですかね」
ため息をつきながら椅子の上で固まっていた。
奉行マツダも現れた。彼も心底心配していた。
彼の愛情はいつも「食べること」である。
飯を喰えば元気になれる。
そんなスタイルである。
「なにか食べてるか?」と問うたら、
朝から何も食べていないと云う。
十三駅近くの定食屋に移動した。
前島はチキンカツ定食をオーダーした。
いつもだったら配膳されるやいなやガツガツと平らげていく彼だったが、
この日はまるで違っていた。
皿の上の料理をじっと見つめている。
「大丈夫か?無理に食わんでもいいぞ」
「いえ、この料理を作ってくれた人に失礼ですから食べます」
ゆっくりと彼は箸を運び始めた。
「味がしませんわ」
料理のせいではない。
前島の精神が味覚中枢にブレーキを掛けている。
それほど強烈なショックだったのだ。
訊けば10数名(ざっと13人だったという話がある)の死んだ目をした中高年男女に囲まれ、
言葉による吊し上げを喰らったのだそうな。
「榎田との関係を断ち切れ!あいつの配信には二度と出るな!」
「除名だ」
「立候補させないぞ」
可哀想に前島も堀口も彼らは何もやっていないのにである。
しかもそこに居たのは現職国会議員先生様だ。
全く持って世も末である。
その政党の代表者は「生きててくれよ!」と叫んだ。
例え敵対する勢力の人間であっても生きる権利があり、
それを守るのが我々「れいわ新選組」だと確かに言った。
ならどうする?
大石あきこ衆院議員は党是に反した行為を明らかに実行した異端だぞ。
大西つねきのケースよりも重大な離反行為ではないのか?
悪態をついたのはこの私・榎田信衛門である。
私を吊るし上げるならまだしも(負けはしないが)
年少の2名を吊し上げたお前らを私は絶対に許さない。
いつもの3倍くらい時間をかけて前島は定食を完食した。
腹は満たされたが心はカサカサだった。
1人になると何するかわからない‥そんな様子だった。
一旦Gスタに戻り、少量のアルコールを飲んだ。
そのとき、大石に近しい某人物から電話が入った。
前島を心配して掛けてきたのだった。
1時間くらいの通話だったろうか。
私は脇で知らぬ素振りでネットを見たりしていた。
通話が終わった。生気が少し戻っていた。
カサカサの心にお湿りがあったらしい。
「ここで寝ていきな。私はFスタに戻るから何かあったらいつでも連絡を」
「すみません」
翌日、前島かずきはれいわ新選組から離党することを決意した。
この時、大石側は自分たちの行いの重大さに少しは気付いたようで、
「慌てて結論を出さなくてもいいから」など甘言を繰り出してきたが後の祭りである。
前島は速やかに離党もしくは除名するよう党本部に迫った。
たかはしいちろうのケースと同様、約2週間も塩漬けにされ2023年2月15日ようやく離党となった。
(2024.5.16追記)
10数名のうち2名前後の心ある人が前島・堀口をかばおうとしたそうです。最終的には多数に押し切られた形ですが。
38.1K
Views