4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙を巡り、他候補の街頭演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は17日、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)、補選で落選した党幹事長の根本良輔容疑者(29)、運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人を逮捕した。
捜査関係者によると、黒川容疑者らは他候補の演説場所近くで、拡声器を使って大音量で演説し、他候補の演説を聴衆に聞こえなくするなど、選挙活動を妨害する行為を繰り返した疑いが持たれている。
黒川容疑者らは補選告示日の4月16日、同様の行為をしたとして、18日に警視庁から警告を受けていた。警視庁は行為の悪質性が高いとして今月13日、事務所や自宅を一斉に捜索。
警視庁は補選に出馬していた複数の陣営から出されていた同様の行為に関する被害届を受理し、捜査を進めてきた。ほかにも他候補の選挙カーを執拗(しつよう)に付け回すなどの妨害行為を繰り返しており、さらに詳しい経緯を調べる。
補選では、根本容疑者を含む9人が出馬したが、同容疑者の得票数は1110票で最下位での落選だった。
黒川容疑者は逮捕前日の16日、産経新聞の取材に対し、「自由妨害だという法的根拠は一つもない」と主張していた。