<独自>川口クルド人「子供率」20%で突出 家族帯同で難民申請、出産で事実上の移民化

「移民」と日本人

埼玉県川口市が、トルコの少数民族クルド人ら在留資格を持たない外国人子弟への就学援助費を国に求めている問題で、同市内に住むクルド人全体のうち小中学生が約20%を占め、他国出身者の割合に比べて突出して高いことが、16日わかった。「家族帯同」で難民申請したり、国内で出産したりしたケースもあるとみられる。

市内のクルド人の小中学生が推計約400人とみられることも判明。これまで市はクルド人やその家族の実数など詳細を把握していなかったが、今回、国に提出した要望書を作成する中で初めて明らかになった。

政府は今年度から、人手不足の業界で働く在留資格「特定技能」の受け入れを拡大し、5年間で最大82万人の受け入れを見込む。この資格では段階を踏めば家族帯同の永住も可能だが、川口市ではクルド人による家族帯同、「移民化」が進んでいる。

市教委によると、市内の外国籍の小中学生は4月時点で3134人。市教委が公表したデータを分析したところ、国籍別では推計で中国約2130人(68%)、トルコ約400人(13%)、フィリピン約180人(6%)、ベトナム約90人(3%)の順だった。

一方、市の統計によると、住民登録上の外国人約4万3千人の国籍別は中国約2万4200人(56%)、ベトナム約4900人(11%)、フィリピン、韓国・朝鮮各約2900人(7%)、ネパール約1500人(3%)、トルコ約1200人(3%)の順だった。

このうちトルコ国籍の大半は難民認定申請中で在留資格を持つクルド人とみられるが、住民登録がなく、入管施設への収容を一時的に解かれた仮放免のクルド人が他に多数おり、計約2千人と推定される。

この結果、クルド人の小中学生の割合を示す「子供率」は約20%となり、国籍別で最多の中国人8・8%と比べても突出して高かった。フィリピンは6・2%、ベトナム1・8%だった。

クルド人の場合は一家で難民認定を申請したり、先に来日した親が子供を呼び寄せたりすることが多く、国内で出産して子供が増えているケースもある。

「少子化」とされる日本は7・1%で、中国よりも低かった。割合の低いベトナムは技能実習など単身での来日が多いとみられる。

政府は今年度から、家族帯同も可能となる「特定技能」の受け入れを拡大しているが、欧州では、治安悪化の要因に移民2世、3世の関与が深刻化。格差や差別の固定化で不満を募らせることも多く、「移民問題」は2世、3世との共生の問題へと移っている。

市は、国などへの要望書で「学校生活を円滑に送るためには、日本語の理解だけでなく、保護者も含めてルールやマナー、日本の文化について啓発していく必要がある」と指摘。日本語教育や生活指導への国の支援の充実を求めている。

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