東大と産総研、金属のように熱を通す絶縁体のゴムシートを開発
【プレスリリース】発表日:2024年05月15日
金属のように熱を通す絶縁体のゴムシートを開発
——様々な電子デバイスの放熱に役立つやわらかな熱マネジメント材料の実現——
【発表のポイント】
◆ゴムの原料に環動高分子を用いることでゴム弾性を維持しつつ、厚み方向に金属的な熱伝導率を実現しました。
◆パルス交流電界による電界強度の増大とゲル化反応の抑制により、絶縁体フィラーの面直配向に成功しました。
◆フレキシブルデバイスをはじめ、各種の電子デバイス用の熱層間材などへの応用が期待されます。
※参考画像は添付の関連資料を参照
【概要】
東京大学大学院新領域創成科学研究科の長谷川瑠偉大学院生(産業技術総合研究所先端オペランド計測技術オープンイノベーションラボラトリ(注1)リサーチアシスタント兼務)と、同研究科の伊藤剛仁准教授、寺嶋和夫教授(産業技術総合研究所先端オペランド計測技術オープンイノベーションラボラトリ特定フェロー兼務)らによる研究チームは、窒化ホウ素フィラー(注2、3)と、環動高分子(注4)のポリロタキサン(注5)を複合化(注6)し、金属のように熱を通す絶縁体のゴムシートを開発しました。
水中プラズマ技術(注7)で表面を改質したフィラーを高分子溶液に分散し、電界強度を従来の50倍に高めたパルス交流電界をシート厚み方向に印加してフィラーの配向度を高めたシートを成形しました。これにより、ゴムのように柔らかく、シート厚み方向の熱伝導率が金属並みに高い絶縁体のゴムシートを実現しました。このゴムシートは、スマートフォン等の電子部品の放熱シートへの応用が期待されます。
なお、この技術の詳細は、2024年5月15日にComposites Part Aで発表される予定です。
※以下は添付リリースを参照
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参考画像
https://release.nikkei.co.jp/attach/671264/01_202405151511.jpg
添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/671264/02_202405151511.pdf