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子どもの成長発達⑧〜思春期の成長発達課題〜

子どもの成長発達シリーズも第8段になりました!今回は、反抗期にお困りのご家族の方のヒントになるかも?しれません。
成長発達段階で分けるといよいよ最後の段階…思春期の知的・情緒的・社会的機能の成長発達について触れてみたいと思います✏️
思春期はどんな時期だと思いますか?
なんとなく、いろんな思いが渦巻く時期のように想像された方もいるのではないでしょうか?

また、思春期と一言で言っても、その時期の定義は様々です。
例えば、思春期を表す言葉にピュバティ(puberty)とアドレッセンス(adolescence)があります。前者は思春期、後者は青年期と訳されることが多いかもしれません。
ピュバティは体の特徴に注目していて、第二次性徴が始まってから、長管骨骨端線が閉鎖するまでの身体変化を意味する表現です。
一方で、アドレッセンスは心理・社会・情緒面の成長の部分が多いですが、身体変化も意味に含んでいます。
児童精神科医のブロス(Blos)による分類を参考にすると、思春期を5つの時期に分けられます。(前思春期、思春期早期、思春期中期、思春期後期、後思春期)

思春期の発達課題

特に取り上げられるのが、エリクソンアイデンティティ(自我同一性)の確立です。心身の変化が著しい思春期において、これまでの自分に対しての信頼感が揺らぎ、精通や初経などの経験が「異常ではないか?」と不安になったり、体毛や体のシルエットの変化などが他人からどう見られているのかと自分を見つめ直す機会が多くなります。友人と自分を比較したり、仲の良い友人とこっそり確認をしながら「自分とは何か」を探ろうとしている時期に当たります。
*アイデンティティ:状況に応じて行動は異なっても、基底にある一貫したその人らしさ

少し細かく分けてみていきます🌱

思春期早期

(第二次性徴の身体的な変化が始まる頃〜男性は精通を経験する頃、女性は初経が始まって1年程度/11〜14歳、中学生頃):「集団同一性」対「疎外」
仲間と自分を比較しながら、自らを再評価すると時期と言われています。
仲間集団への同一視や同調がうまくいかないと、親密な人間関係を維持できない閉鎖的状況へ陥ると言われています。また、急激に変化する自身の身体へに必然的に注意が向きやすく、どのように自分の身体の変化を受け入れ、自分のものをしていくかが重要な課題となります。

思春期中期

(性毛および外性器が成人型に成熟する頃までの時期/15〜17歳頃、小中学校3年生〜高校2年生頃まで):「個人同一性」対「役割拡散」
過去の自分を振り返り、現在の自分を見つめながら、将来の自分について考える時期です。過去・現在・未来の自分を再統合し、親とは違う一人の人間としての自分を見出していきます。親との関わりを中心にして獲得した価値を問い直し、自分にとって何が重要なのか、自分は何をしたいのか、自分独自の価値、道徳規範、行動・判断基準を持つことが重要となります。
このような親からの自立が達成されないと、社会の中で責任を持って遂行する役割を実感できず、社会の中に埋没して主体性の発揮が難しくなると言われています。

思春期後期

(18〜20歳頃まで):
職業や進路について自分なりの考えや目標を持ち、ひとりの人間として自分に、親とは異なる独自の価値観(価値観の自律性)を持つことができるようになる。
また、他人からの影響によって左右されず、自分の意思で決断することができるようになる(行動の自律性)と言われています。
他人を拒絶するということではなく、他者の援助が必要か、自分でできるのかわかるようになるということを意味します。

なんだか文字だらけになってしまいましたが😅
思春期の発達課題はみなさんの想像と近いものだったでしょうか?
もしかしたら、まだ課題が達成できていないかも😱なんて不安になった方もいたかもしれません。
誰にでも得て不得手はあり、程度も様々です。
それでも毎日生きている。いいじゃない。というマインドで、自分を受け入れて、先につなげればいいのではないでしょうか🌱

思春期の知的・情緒的・社会的機能の成長発達についてシリーズ内でまた掘り下げていきます✏️

(参考:小児看護学概論/医学書院、小児看護学/日総研 など)

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