子どもの成長発達②

お待たせしました。
成長発達シリーズ第2段は認知発達に的を絞って触れていこうと思います🌸
内容は小児看護の教科書を参考にしています。

○心理社会的発達

⭐️認知

子どもの成長発達①でも少し触れましたが、ピアジュの認知的発達理論は有名ですね。子どもの認知の構造と発達を研究し、その構造を発達段階的に明らかにしたものです。
(復習⇨知的な発達は、生後まもなくから見られる反射に始まり、シェマと呼ばれる認知行動の段階を経て、より高次な思考形態へと変化します。
 ・0〜2歳→感覚運動的段階
 ・2〜7歳→前操作的段階
 ・7〜成人→操作的段階  に区分されています。)

◇0〜2歳:感覚運動的段階
この時期の子どもは感覚によって外界と接し、認知します。
6つの段階に区分される。
第Ⅰ段階:人が生得的に持っている反射的行動により、同化(=自己概念への取り入れ)し、シェマを形成する。
   例)口唇の周囲に物が触れたらいつでも吸い付く吸啜反射など
第Ⅱ段階:偶然体験した身体の感覚運動を繰り返そうとする反応(=循環反応)が起こる。
   例)吸啜反射というシェマに自発的に口に手を持っていく運動を結び付ける
第Ⅲ段階:興味のある外部のものを見つけ出し、それに繰り返し、かつ持続させた働きかけをする(=第2次循環反応)。
第Ⅳ段階:過去に獲得されたシェマを協応させることができる。(それぞれのシェマを一つの新しい全体として統合し、物の永続性の理解ができ始める)
第Ⅴ段階:反応を期待して方法を繰り返し、効果的な方法を見出すようになる。
第Ⅵ段階:実施しなくても、思い浮かべて状況を考えることができる。(活動をする前にその状況を考えるようになる。洞察や予想をし始める)
(お子さんが身近にいらっしゃる方は当時の様子を、身近にお子さんがいらっしゃらない方は、あとで出てくる”遊び”の特徴を一緒に見てみるとイメージしやすいと思います)
シェマ=個体が環境に適応していく中で必要となる、各発達段階に固有の外部刺激や情報処理の枠組み、概念のこと。発達心理学で用い、認知心理学ではスキーマ。

画像1

◇2〜7歳:前操作的段階
心象や表象が生じるが、論理的思考の前段階で自己中心的思考の時期。
2つに区分される。
象徴的思考(2〜4歳頃):感覚運動的に認知したことが内面化し、目の前の出来事だけでなく、過去のことも思い浮かべることができるようになる。それを言語や遊びで表現したり(→ごっこ遊び)、物を見立てたり(→積み木を電車に見立てる遊び)などができる。象徴的行動と言語が急速に発達する。
直観的思考(4〜7,8歳頃):心の中で思い浮かべたことを関連づけることはできるが、同じ対象を違う側面から見ると異なる物と思ってしまうように、自分の立場からしか見ることができない、自己中心性が強い時期。物体があたかも霊魂を持っているように考える=アニミズムが見れるのが特徴。
◇7歳〜成人:操作的段階
2つに区分される。
具体的操作(7,8〜11,12歳頃):自己中心的な思考から具体的な思考ができるようになる。自分が具体的に理解できる範囲のものに関しては、論理的に思考したり、系列化や可逆性、保存の法則などができるようになる。
形式的操作(11,12歳〜成人):出来事や状況を仮説演繹的に推論することができるようになる。思考の対象が現実そのものではなくても仮説的に思考することができる。(演繹:2つの情報を関連づけることでそこから結論を導き出す。すでにわかっている情報に新たな情報をプラスして結論を出す、といった意味)

難しい言葉も多いですが、対象となるお子さんがどの認知発達段階にあるのかを理解した上で関わることが大切です。説明もそうですが、子どもたちが話している(会話ができるのであれば)内容をどのように捉えればいいかも変わってきます。
例えば、幼児さんでは、感情が動いた出来事を覚えていてもその出来事がいつ起きたことなのか、今からどのくらい前の出来事なのかを言語化することが難しかったり、他の事象と混同していたりすることがあります。また、大人もそうであるように、記憶を想起できる限界もあることも理解しておく必要があります。

子どもだからどうせわからない、と決めつけるのではなく、大人が伝えようとすれば、子どももその子どもなりに理解してくれるので、伝える方法を工夫しながら関わっていけるといいですね😊

次は情緒の発達についてみていこうと思います✏️


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