9月15日に開催された未来のビジネスを発信するオンラインカンファレンス『Reversible World 2020』でユニークなセッションが行われた。テレビ東京の人気バラエティー番組のプロデューサーが登壇した「TVプロデューサー流!ビジネスシーンにおける『伝え方』とは」で、テレ東流の企画書の書き方が明かされた。
セッションに参加したのは、「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」「有吉ぃぃeeeee!そうだ!今からお前んチでゲームしない?」の平山大吾、「ありえへん∞世界」の水谷豊、「YOUは何しに日本へ?」の小平英希という3人のプロデューサーたち。3人ともに番組の制作だけでなく編成局に在籍した経験を持ち「2週間で1000通以上の企画書を見ていた」(水谷)という企画を出す側、見る側の気持ちのわかる面々だ。
その企画書は感情が動くか
3人のプロデューサーが通る企画書のポイントに挙げたのが「出だし」だ。タイトルや企画書の1枚目が人を惹きつけない企画書はダメだという。
「僕が出した企画書で『クイズすごい日本人』というものがある。内容は面白かったが、全く企画が通らない。なんでだろ? と思って次の募集でタイトルを変えて出したら通った。同じ企画なのに、前の企画は誰も覚えていない(笑)。人には先入観がある。タイトルを見た瞬間に驚きがあると、見方が変わる。これは企画書だけじゃなく番組もそうで、タイトルで『何それ?』と興味をもつと見るんですけど、そうじゃないと見ない。はじめの食いつきをどう作るかが大事」(平山)
これには水谷、小平も同意。
「編成の頃は2週間で1000通くらい見るんですけど、やっぱり一枚目がおもろないのはダメなんですよ。最初に引きがあるのが重要」(水谷)
さらに平山はコツとして感情を先に書くことをすすめる。
「特に男性の書く企画書は先に説明しがちで、若い子には感情を先に書いた方がいいよといいます。感情が先にあると次のページを見ようと思いますから。テレビでも冒頭『東京港区〜』と始まると、そこに感情がないのでつまらない。水谷もそうですけど企画書の一枚目、二枚目が違う。『えっ、どうなるの』と疑問が立ち上がったり、興味をもってもらえるようなモチベーションを作るように文章をつくる」(平山)
「頭が面白ければ、後ろがつまらなくても大丈夫」(小平)
テレ東でなければ生まれなかった企画術
こうした出だしを掴む企画書のコツはテレビ東京ならではの事情から身に着いたものだ。
「僕ら3人はみんなゴールデンをやっていますけど、19時台に0.3%からスタートするので、19時5分までになんとか6%くらいにもってこないと視聴率8%にはならない。他局さんだと『news every.』は視聴率10%なので、それをキープすればいい。その差が企画書にも現れる」(水谷)
さらにネーミングについては13文字にするのが良いという。
「タイトルを考えるとき、13文字にしようと思ってます。『家、ついて行ってイイですか?』も『世界の果てまでイッテQ!』も13文字なんですよ。墾田永年私財法も、特定秘密保護法案も13文字。日本人に残っている音声フレーズのリズムの良さって13文字で、なんとなくそこの語呂の合わせは考えてます」(平山)
セッションではほかにもタレントとのうまいコミュニケーションの取り方のコツ、番組制作の裏話などここでしか聞けないビジネスシーンで役立つ情報が満載だった。
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