古荒医師は竹田くん育成計画を練る。だが、これ以上、老人患者を使って技術向上を図っても犠牲者を増やすだけだ。
古荒医師は「疑似血管縫合練習キット」をプレゼントする事を思いつく。これで上手くなってくれ。
だが、竹田くんには鼻であしらわれる。「僕は天才肌なので本番で上手くなる。」と言い放たれる。
本番で上手くなるって言うけど、それは人間を練習台にするって事だ。それをやってる脳外チームは、メンゲレ博士と何が違うんだろう?と古荒医師は思いに耽る。医学の歴史は人体実験の歴史ではあるけれど・・・。
古荒医師は竹田くん育成計画を練る。だが、これ以上、老人患者を使って技術向上を図っても犠牲者を増やすだけだ。
古荒医師は「疑似血管縫合練習キット」をプレゼントする事を思いつく。これで上手くなってくれ。
だが、竹田くんには鼻であしらわれる。「僕は天才肌なので本番で上手くなる。」と言い放たれる。
本番で上手くなるって言うけど、それは人間を練習台にするって事だ。それをやってる脳外チームは、メンゲレ博士と何が違うんだろう?と古荒医師は思いに耽る。医学の歴史は人体実験の歴史ではあるけれど・・・。
海崎教授は竹田くんの事を「史上最低の医師」と断言する。
医局からの破門・・・史上最低の医師・・・古荒医師はそれ以上の事を海崎教授から聞けませんでした。
海崎教授は、この後、竹田くんが助手をやっていた頃の手術の件で訴訟に巻き込まれます。
竹田くんの元指導医から本音を聞けた事で、彼が『稀代のポンコツ脳外科医』であることが明白になりました。学会の有名人2人が育成を断念した人材。その事実は、むしろ古荒医師に使命感を抱かせることになります。
更新履歴: 2023/06/02 13:30 4コマ目の古荒先生の内面描写 大雑把な従来の感情表現を改め、より現実感のある内面描写に変更しました。
更新履歴: 2023/06/03 17:58 2コマ目 主語を変更(古荒先生が主人公であると誤解させないため)。4コマ目 「育成を諦めた」に変更。
修正に至った作者の心情・・・脳外科学会の大物2人が諦めた人物を使い続けるとしたら作者は「レガシーを残したい」ぐらいの野望が必要とストーリーテラーとしては考えた。だが、現場の人間の身になってみると「そんな人間でも一旦入職させた以上はなんとか一人前にして使うしかないではないか?」という気持ちもありうると思った。これは田舎の市民病院の場合、そもそも医師が来ない背景がある。これは都会の病院の科長の感覚とはかなり違う。都会の感覚で見てはいけない。選択肢が無い以上、目の前の人間をなんとか使ってやってゆくしかない。そのような気持ちを考えると、レガシーなどと言う言葉で単純化してはいけないと思い直した。
※ちなみに、脳外科学会の大物2人のところは脳外科自体が巨大で、部下の数が比較にならないほど多い。ポンコツ脳外科医を干していても他にやらせる人間はいくらでもいる環境。
古荒医師は、脳神経外科学会の新年会に参加する。
そこで、竹田くんの滋賀時代の指導医の海崎教授にばったり出会う。
古荒医師が「竹田くん」の名を出すと、海崎教授はギョッとする。そして「竹田くんを医局から破門したんだよ」と打ち明ける。
そう、竹田くんは滋賀の医局から破門されていたのだ。
80代男性への前方除圧術が行われた。
結果は嚥下機能の廃絶という悲惨なものだった。必死で手術の失敗のせいでないと弁明する竹田くん。それを見て古荒医師は「手術で大きな失敗がなくても、技量が稚拙なので合併症が起きるよね」と思う。
家族は人生100年時代だからと手術をすすめた竹田くんに抗議する。だが、看護師長の退院勧告が始まった。
年末のクリスマスシーズンがやってきた。
その日は吹雪だった。今日の手術は80代男性。竹田くんの因縁の首の手術である。
古荒医師は思い出す。2か月前に貝山さんの頚椎をドリルで貫通させて四肢麻痺にした一件は悪夢だったと。あの二の舞は避けたい。
だが手術を止めると竹田くんはプンプンする。彼との仲が険悪になるのは嫌だ。
「まあ、今回は前方除圧術なので前回よりも慎重にやってもらおう。(貝山さんは後方除圧術)」と考える古荒医師。その自分自身の姿を引いて眺めて、ゴクリと唾を飲むもう一人の自分。
更新履歴 06/03 11:05 4コマ目 『連ちゃんパパ』感の排除 より現実味のある内面描写
セリフ変更に至った作者の心境変化・・・事故が短期間に連続する流れは連ちゃんパパそのものだが、登場人物の科長の心境はもっと真面目なものであった方がリアルかもしれないと思い直して『連ちゃんパパ』感を薄めた。今後、この漫画がある種の教訓として語り継がれてゆくために必要な修正。
<第一部の古荒先生のセリフを改変した理由・作者の余談など>
※説明文を入れる事のできないpixivでの公開は中止しました。漫画としては読みにくい形式(ブログ)ですいません。
当ブログで連載している漫画の概要は以下のまとめ画像をご覧ください。
<<物語の概要>>
<<第一部>> 医療事故篇 1話~55話
竹田くんという稀有の脳外科医が来て以降、脳外科患者に手術後、後遺症が次々に発生する。ついには臨床工学技士が「殺人行為に加担したくない」とボイコットを起こす。その後、脳外科の暴走はますます加速して行く。
<<第二部>> 野望篇 56話~106話
竹田くんは医療事故について古荒先生に全責任があるという内容の虚偽報告書を作成した。病院上層部も虚偽と知りながらそれを正式文書とした。
文書上で自分に責任が無い事を証明できたと思った竹田くんは、執刀解禁されない事にいら立ちをつのらせる。外科医としてのプライドがズタズタになったドン底の心境の中、竹田くんは起死回生の秘策を練る。その秘策は、医療事故の内容以上にありえないものだった。
<<第三部>> 隠蔽工作篇 107話~142話
竹田くんのやらかした数々の医療事故がついに全国報道される。
市民病院は外来患者が激減し窮地に陥る。病院が取り得る策は竹田くんが起こした医療事故の規模をただひたすらに小さく見せる事だった。
ところが、脳神経外科学会から前触れもなく、ある通知が届く。その通知の内容は、市民病院に対する死刑宣告にも等しいものだった・・・
<<第四部>> --篇 143話~
内容・製作時期ともに未定
ついに前代未聞の臨床工学技士のボイコットが発生。竹田くんのカテーテル手術は危険で殺人行為の加担者になりたくない。患者だけでなく機械も雑に扱い壊す。
技師長の野洲に直談判に行く古荒医師。あっさり断られる。
「彼らがいないと手術の安全確保が難しくなる」と思うものの、頭を前向きに切り替える。
更新履歴 06/03 10:52 全体的に『連ちゃんパパ』感の排除。
セリフ変更に至った作者の心情・・・ そもそも後半2コマは連ちゃんパパ感を出して笑いを取るために作ったコマ。このコマがなくてもボイコット後、竹田くんがカテーテルを続けた流れは変わらない。だが、連ちゃんパパを演じている科長の心情を冷静に見ると、田舎の市民病院で新たな医師が来ることがほぼ絶望的な状況下であることを考えると、なんとか育ててカテーテルを上手くなってもらたいと真面目に考えているかもしれないと思い直した。結果だけ見ると連ちゃんパパだが、中間の心情は軽い気持ちではなかったかもと。物語的には面白くなくなるが、変更する事にした。(4コマ目左のコマは技師長の反応がやや意味不明なコマとなってしまった(笑))
竹田くんに手術技量が無い事はわかっていた。
京都の浅尾先生は竹田くんに執刀させなかったし、富士院長も直接京都を訪れて止血ができないので外科医として使えない事を確認済みである。
古荒医師は一人前にするため育てるつもりだった。竹田くんは、手術事故以外にも、通常の医師としての仕事においてもトラブルばかり起こしている。まさにクレームの嵐である。
竹田くんになぜ執刀させ続けたのだろう?
「性善説を信条にすれば自然と良い方向に道は開ける」という考えが古荒先生の信条だった。(周囲から見ると)2人の関係は父子の関係に似ていた。
更新履歴: 06/03 10:37 全体的に見直し。前半部の修正の反映や、第一部と第二部の物語的な整合性を整えるための改変。
医療安全推進室・責任者の森中は、医療安全推進室・室長の黒石副院長に電話する。黒石副院長がオペ室にやってきて、竹田くんに「もう終わりにしよう」と言う。竹田くんの腕をつかんで強制的にオペ室から排除しようとすると、「俺の患者だぞ!」と抵抗する竹田くん。
古荒先生の目の前で、オペ室から排除される竹田くん。「俺は外科医だぞ!」と叫ぶ竹田くん。
竹田くんは腹を立ててしばらく帰ってこなかった。
周りが何と言おうと、竹田くんは手術が大好きだった。その気持ちは、オモチャを分解して遊ぶ子供のように純粋なものである。壊したら興味が無くなり、ポイと捨てる。
捨てても、パパが新しい玩具をプレゼントしてくれる。「すげー」と喜ぶリトル竹田くん。ママが「ご飯よー」と声をかけても、時間を忘れて没頭。
「ご飯よー」「竹田先生!」「竹田先生!」放射線技師の必死の呼びかけにふと我に返る竹田くん。
更新履歴: 06/03 10:22 3コマ目 パパの顔を優しい顔に変更。セリフ変更。
セリフ変更に至った作者の心境の変化・・・失敗しつづける医師に次々に執刀の機会を与えるのは患者目線で見れば不気味な話である。最初は患者目線でそのような不気味さを描いた。だが、この作品は医師や看護師の読者がいらっしゃり、なおかつ地域医療に携わっておられる方も多い。医師不足の環境では、多少未熟でも執刀機会を与えないと上達しないという事情もある。患者側から見たら不気味でも、医師たちには切実な問題である。そのような事情も鑑みて、やや表現を弱めた。物語としては面白さが削がれる。
院内での竹田くんの評判がどんどん悪化して行った。
竹田くんは自分のミスをスタッフに責任転嫁する。遅刻・早退・無断欠勤が常習化。古荒先生に「注意して」という苦情が殺到するが、古荒先生が注意しても聞かない。
竹田くんはカルテの中身もすかすか。手術にしか興味が無く、手術が終わると後はどうでもいい。「はたしてこれが治療行為と呼べるんだろうか?」と古荒先生は思う。
06/03 更新履歴: 06/03 10:10 3コマ目 左 若干の言い回し変更
竹田くんは、貝山さんを呼び戻し、新しい治療法を試すために説得を行う。
貝山さんは自分を四肢麻痺にした医者に再び手術をされる事を猛烈に拒否する。
古荒先生から見ても、その治療法は貝山さんに意味があるものとはどうしても思えなかった。
だが、竹田くんは1か月に渡って熱心に貝山さんを説得しようとした。それでも拒否されるので、退院させた。
更新履歴: 06/03 10:05 4コマ目、転院を退院に変更。
今振り返ると、竹田くんはたった2週間で4件の医療事故を起こしていた。僕らはこの時、医療事故リピーターとして「世界最速のチーム」だったのかもしれない。
ところで、竹田くん情報では貝山さんは夫婦ともに認知症とのことで、子供もいないそうだが、ではどうやって手術同意を取ったのだろう?
竹田くんは、貝山さんを放り出した後、ある治療法の存在を見つけ貝山さんに対して試してみたくなった。そのため、貝山さんはリハビリ施設から呼び戻された。