脳外科医 竹田くん

あり得ない脳神経外科医 竹田くんの物語

【第67話】サーバー室乱入事件

市民病院

 竹田くんは岡山のパワハラ事件(実際の内容は竹田くんのケースとは全く違う)に自分のかかえる問題を投影し、自分はパワハラ被害者だと確信してしまう。

 竹田くんは手術禁止後も、数多くの特異なエピソードを残しているが、サーバー室乱入もその一つである。

 一方で、手術室では、奇怪すぎる事件が起こっていた。その日、古荒医師はドリルを用いた手術を行っていた。

【第66話】もう一人の竹田くん

市民病院

 人間だれしもそうだが、竹田くんの内面には2つの人格の葛藤があった。

 内面の葛藤は、ポーの「ウィリアム・ウィルソン」、スティーブンソンの「ジキル博士とハイド氏」ら作品の主題ともなった。

 竹田くんの内面の葛藤は顕著で、時々、きわめて理性的で人間味あふれる竹田くんの一面が姿を現した。その人格が現れる時、竹田くんは自省的になり、周囲は竹田くんに同情し力になりたいと思った。

 だが、危険を顧みず手段を選ばずに突っ走る利己的な一面が最終的には常に勝った。

 手術禁止の3ヵ月後、ある報道がなされる。その内容は、竹田くんの利己的な部分が「これだ!」と叫びたくなるような内容だった。

【第65話】うるさいんじゃー!

市民病院

 病棟の患者を直接診ずに、籠り部屋から遠隔診断している竹田くんに古荒先生もさすがにブチ切れた。「甘やかしすぎたかも」

 次の日、竹田くんが籠り部屋に行くと鍵がかかっていた。竹田くんは激怒する。

 その頃から病棟で「うるさいんじゃー!」と怒鳴る竹田くんの姿が目撃されるようになった。また、古荒先生も、本気で竹田くんに対峙していた。緊張が高まっていた。

【第64話】籠城


 連日のように竹田くんを呼び出す院内放送が流れ始めた。籠り部屋に籠った竹田くんはそれを無視して籠り続ける。それはまさに手術解禁を求める籠城であった。

 籠り部屋から病棟へ患者の処置について指示を出した。患者を診ずに指示をするので看護師から医療安全に苦情が殺到した。

 古荒医師は院長から叱責を受ける。「今後は籠り部屋の鍵は古荒医師が管理したまえ」と。

【第63話】戦争準備

 竹田くんは以前の職場でも、自分の居場所を守るために戦った。多勢に無勢でも一歩もひるまなかった。

 今回の戦争は、病院の組織権力との闘争となる。竹田くんは圧倒的に不利だ。しかし弱者の立場でも強者と対峙できる勇気を竹田くんは持っていた。

 竹田くんは策士である。策士は、頭脳で形勢挽回する。

 明智光秀の言葉に「武士の嘘を武略という」という言葉がある。

 竹田くんの嘘も知略である。虚偽報告書、数字を自分に都合よく解釈して作成した『脳外チーム 3人の合併症発生率の比較データ』の書類。それらの捏造文書が竹田くんの兵器となる。

 脳外科部屋でそんな作戦立案・武器製造に時間を費やしている間に、病棟の現場は大混乱に陥っていた。竹田くんの患者はほったらかしにされていたのだ。看護師の不満は爆発寸前。

 いつしか脳外科部屋は竹田くんのせいで「籠り部屋」と呼ばれるようになっていた。

 

更新履歴: 2023/06/04 21:51 2コマ目右 「弱者だが強者と対峙できる勇気の持ち主」

 

コマ内容変更に至る作者の心境・・・第97話「ひとり歩むもの」で古荒先生が『勇気』という言葉を発する伏線をここに張っておく。竹田くんには、天安門事件で戦車の列の前に一人立った『無名の反逆者(tank man)』並みの無謀なまでの勇気がある。たった一人孤立しても持てる勇気は、多くの日本人が持たないものであり、竹田くんの強さに繋がっている。

【第62話】辞める辞める詐欺

市民病院

 竹田くんは総務課に辞表用紙を取りに行った。そして古荒医師に「書き方を教えてくれ」と聞く。古荒医師が教えようとすると「僕がいなくなってもいいんですか!」と泣きつかれる。これで3度目だ。

 古荒医師が「そんなことないよ。」と慰めると、院長への陳情をせがまれる。院長の答えはNO。

 竹田くんは平和的手段が有効でない事を悟る。こうなれば戦争するしかない。そのためには武器が必要だ。

【第61話】カテーテル専門医試験

市民病院

 執刀禁止中の竹田くんは、他の医師たちの目線が気になり、脳外科部屋に籠った。そこで人生を見つめなおした。

 そもそも脊髄手術は向いていなかった。だがカテーテル治療の面白さは格別だ。あの興奮と感動が忘れられない。自分はカテーテルをやりたいんだ!

 専門医資格に一発合格すれば、臨床工学技師も、他の医者も「おお!」ってなるだろう。

 しかし困ったことに受験資格の症例数がぜんぜん足りていない。実地試験も手術禁止が解けない限り実施不可能。このままだとオレが潰される!

【第60話】帯刀禁止のサムライ

市民病院

 すでに赤池市の町中では「すごい医師が市民病院にいる」という噂が広まっていた。噂の内容は荒唐無稽すぎて「そんな医者いるかな?」と部外者には、にわかには信じられなかった。

 手術禁止が解けないので竹田くんは焦り始めた。古荒医師は上層部に掛け合ったが「人が死ぬ」という理由で断られた。

 外科医が執刀を禁じられることは、侍が帯刀を禁じられる事と同じ名誉の問題である。竹田くんは手術禁止命令を「ハラスメント(嫌がらせ)」と受け取った。

 

【第59話】裏報告書

市民病院

 医療安全の杉下は念のため古荒医師に「本当にこの報告書でいいのか?」と確認した。

 古荒医師は不安になり、虚偽報告書の虚偽性を指摘した裏報告書を作成した。

 赤池市民病院には、2つの異なる内容の医療事故報告書が存在する事になった。それ自体が世間に知られてはマズいスキャンダルだった。だが、脳外科に報告書を再提出させるなどの対応はいっさい取らなかった。

 一方で、竹田くんは、虚偽報告書が自分を守ってくれると確信していた。執刀解禁の根拠にもなるはずだ。

【第58話】みんな隠蔽の共犯に

市民病院

 竹田くんのとんでもない虚偽報告書を見て古荒医師は激怒するが、「好きにすればいい」と最後には竹田くんに折れてしまう。

 事実を元に事故検証をすべき医療安全推進室の森中は事実にはあまり興味が無く「これでいいんじゃない」と病院の正式な事故検証文書として受け入れる。

 だが、森中の部下の杉下は念のため院長に虚偽報告書の件を報告する。院長は事を荒立てる事は望まず「これでいいだろう」と承認する。

 結果的に、病院全体が竹田くんの医療事故隠蔽の共犯者になってしまった。

 この事が古荒医師や病院全体にとってどれだけ危険な行為であったか、この時はまだ誰も気づいていなかった。

【第57話】医学史上最低の報告書

市民病院

 竹田くんは、古荒医師が参加した手術は、古荒医師が何らかのミスをしでかした事で医療事故が起きたという内容の報告書を書いた。古荒医師が参加していない手術も幾例かあったが、それもやはり古荒医師の指導力の不足が原因であると記載した。

【第56話】竹田くんの意気消沈

市民病院

 竹田くんと古荒医師は院長に大激怒された。

 手術禁止は延長され、事故検証が済むまで無期限禁止に。

 大好きな手術が出来なくなった竹田くんは、はたから見ても気の毒になるほど意気消沈した。

【第55話】3月25日

市民病院

 3月25日、竹田くんの患者に対して、古荒医師による手術。脳室腹腔シャント術。1月15日に竹田くんが医療事故を起こしている術式だ。

 術中、竹田くんは茶々をいれまくり古荒医師がキレて「好きにやれば」と竹田くんに執刀をまかせる。これは手術禁止中の手術だが、この手術で患者に肺挫傷が起こる。

 

 以上が「脳外科医 竹田くん」のシーズン1の内容。実はシーズン1は竹田くんが市民病院で起こす騒動の序章にすぎない。

【第54話】手術禁止命令

 医療安全推進室の森中と杉下は、ここにきてようやく「世間にバレたら私たちがヤバくなる」と危機感を持ち始める。

 院長に竹田くんを手術禁止にするよう直談判。院長は事の重大性に蒼白となる。噂には聞いていたがここまで酷いとは・・・。

 院長は古荒医師を叱責する。科長なのになぜ竹田医師に自由にやらせつづけるのかと。さらに院長命令で竹田くんの全執刀禁止と侵襲的検査の禁止を通達。

 それを聞いた竹田くんは「外科医が執刀禁止なんて、これはパワハラだ。」と怒りを募らせる。

 

6/18 14:28 4コマ左 誤字修正 「させてあげるから」

【第53話】血の海

市民病院

 古荒医師は「竹田くんが女性患者を殺した。」という見解だった。

 竹田医師のカテーテル手技は迷いなく思いっきり突き刺す。それは、臨床工学技士が指摘していたとおり、殺人行為にも等しかった。

 術野は血の海となり、手術室は騒然となった。