佐賀空港(佐賀市川副町)への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画に伴う駐屯地工事を巡り、防衛省に県有地を無償貸与したことは県民に損害を生じさせているなどとして、有志72人が行っていた県への住民監査請求で、県監査委員は19日、請求を棄却した。請求者側は住民訴訟を起こす考えを示した。

 請求者側は、駐屯地の工事現場近くの県有地を九州防衛局に無償貸与していることや、県有地からの土砂が駐屯地工事に使われていることを問題視し、県有地の減免額と土砂購入費の合計約8億9千万円を、九州防衛局に請求するよう県に求めていた。

 監査報告書によると、無償貸与について「県が財産の管理を怠っていたとはいえない」、土砂の取り扱いについても「県民財産の管理を怠る違法、不当な行為があったとは認められない」などとした。

 請求人の力久修氏(佐賀市)は「大変残念。県民の財産管理が十分に検討されているとは思えない。不当な判断で、憤りを感じる」と述べ、住民訴訟に踏み切る考えを示した。(山口貴由)