駐屯地周辺用地 国に無償貸与は不当 市民団体が住民監査請求

陸上自衛隊の輸送機オスプレイの佐賀空港への配備計画で、駐屯地周辺で整備される排水対策施設の用地を、佐賀県が無償で国に貸与していることは不当だとして、配備に反対する市民団体のメンバーなどが21日、佐賀県に対して費用を国に請求するよう求める住民監査請求を行いました。

住民監査請求を行ったのは佐賀市の市民団体、「みんなでSTOPオスプレイ佐賀」のメンバーなど19人です。

陸上自衛隊の輸送機オスプレイの配備計画では駐屯地からの排水がのりなどの漁業に影響を与えないよう、佐賀空港の周辺で県が保有する土地に対策施設を整備することになっていて、県は去年12月、防衛省に対し、およそ12ヘクタールの用地を無償で使用することを許可しています。

請求によりますと、この決定にもとづいて土地の使用料を算定するとおよそ4390万円になるほか、施設の工事で発生する土砂が駐屯地の整備に使用されていて、かりに外部から土砂を購入した場合の費用はおよそ8億4600万円になるとしています。

この結果、土地の貸与と土砂の費用、あわせて8億9000万円近くが国に無償で提供されていることになり、県民の財産に損害を生じさせているとして、この費用を九州防衛局に請求するよう求めています。

市民団体の共同代表の力久修さんは「県民の財産の利用を短期間で議会にも諮らずに決めたことは不当で、監査委員にはそのいきさつも含めて調べてほしい」と話していました。

請求が受理された場合、県の監査委員が監査を行い、60日以内に請求を認めるかどうか判断することになっています。

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