【ベジシャワー】【ベジセーフ】【SHUPPA】…いろいろな野菜洗剤を分析してみた結果 | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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というわけで前回、

 

アルカリ電解水100%「水の激落ちくん」

 

の洗浄機構について解説したわけですが、

 

「水だけ」なのに汚れが落ちる?不思議の水【アルカリ電解水】の真相に迫る



今回はこの派生で、

 

最近巷で話題になっている

 

「純水の力で農薬や雑菌や放射性物質(?)が除去できる!」

 

などと言われてる野菜洗剤類の分析をしましたよ(*^_^*)ゞ

 

 

 

ぶっちゃけ「放射性物質が落とせる」はまぁどう考えても言い過ぎですが…。

 

そんなのあったら野菜洗ってる場合じゃないので、、はい…。。

 

 

 

 

ただ、

 

前回の記事にあるように、

 

もし『アルカリ電解水』の力を使っている場合…

 

 

pH=12以上のそれなりに強いアルカリであれば

 

実際に加水分解中和反応により様々な汚れや油分などを洗浄できますし、

 

アルカリのタンパク質溶解作用によって雑菌などを除菌することも可能だと考えられます。

 

 

農薬もそういった成分がかなり多いので、

 

それを普通の水より落とせても不思議ではないと思います。

 

 

 

まぁ僕の実家では農薬使って野菜も作ってましたが

 

家族含めこれまで生きてきて野菜を洗剤で洗ったことなんてありませんし

 

多少の農薬の残留や多少の雑菌はさほど気にする必要はないと思っています。

(残留農薬の基準はとてもしっかりしていて、たとえ水洗せずに食したとしても一生涯食べても健康に悪影響を与えないことが証明されています。)



 

ただそれも気になる!という場合には何らかの洗剤を使用すること自体を否定するつもりはありません。

 

そこは個人の自由で好きにして頂ければ良いと思います。

 

葉物野菜だと虫が潜んでいることもあるので、入念に洗うに超したことはありません。

 

 

 

でも使う洗剤が一体どういうものなのかはちゃんと理解しておいた方が良いと思いますし、

 

ボトルやHPに書いてあることが全て正しいというわけでもないということも知って欲しいです。

 

 

特に家庭用雑貨品みたいなものは化粧品や医薬部外品などと比較して

 

成分の記載ルールや広告基準などがもの凄く緩いので、、

 

 

そこに書いてあることを鵜呑みにしてはいけない例がゴロゴロ転がっているということを意識して欲しいと思います。

 

 

 

今日はそういうことをお知らせする一例になればいいなと思います。

 

 

 

 

◎問題の「すっきり洗菜 ベジシャワー」のpHと成分について

 

 

 

image

 

 

まずは話題になっていた「すっきり洗菜 ベジシャワー」を実際に購入してみました。

 

 

これ、なんと(ただの電解水のくせに)4100円もするというめちゃめちゃ高額の水。(苦笑)

 

 

まぁ実はこれ、ひとつ購入すると

 

image

 

箱に二本入ってくるので…、、まぁ思ったよりはお買い得…??でした。笑

(一本400ml入りで二本で800ml!わーお安い!!??)

 

 

 

で、内容成分などを見てみると…

 

 

image

 

  • 99.9%純水のアルカリイオン水だけで作られた
  • 成分:アルカリイオン水(純水99.9% カリウム0.1%)
 

という風に記載されています。

 

 

出ました出ました…

 

やはり、これも前回解説した【アルカリイオン水】ですよ。

 

これは「アルカリ電解水」と同じものなので、

 

何らかのカリウム塩を電気分解して陰極側に生成された水溶液ですね。

 

(詳しい作られ方は前回記事を参照してください(^_^)b)

 

「水だけ」なのに汚れが落ちる?不思議の水【アルカリ電解水】の真相に迫る

 

ぶっちゃけ「99.9%純水のアルカリイオン水」って言葉は様々な矛盾を孕んでいますが。笑

(0.1%でも何か入っていればその時点で純水ではないので…。苦笑)

 

 

 

 

ところで、

 

これを読んだ人の多くは「カリウムはミネラルの一種だから安全!」と思うかもしれません。

 

 

 

 

しかし、先日書いた記事にもある、「水酸化ナトリウム」「水」「ナトリウム」の化合物で、

 

ナトリウムも食塩(塩化ナトリウム)などから摂取できるミネラルの一種ですが、

 

それが水の中に単体で存在している場合は水と反応して強力なアルカリ成分となってしまいます。

 

<化学反応式>

2H2O(水) + 2Na(ナトリウム) → 2NaOH(水酸化ナトリウム) + H2↑(水素ガス)

 

 

0.1~0.2%程度でpH値が13近くなってしまう、非常に強力なアルカリ性を示します。

 

 

 

 

実はこれは「カリウム」という成分も同じです。

 

通常、自然界や食品中では「塩化カリウム」のような塩分として存在しているため全く無害ですが、

 

それが単品で『カリウム』として存在していれば、当然水と反応してしまいます。

 

<化学反応式>

2H2O(水) + 2K(カリウム) 2KOH(水酸化カリウム) + H2↑(水素ガス)

 

 

すると出来上がるのが【水酸化カリウム】という物質で、

 

水酸化ナトリウムと並ぶ強アルカリ性物質です。

 

水酸化カリウム Wikipedia

 

 

 

中学校理科などでも水酸化ナトリウムと類似の成分として紹介されます。

 

0.1%も入っていれば普通に強アルカリ性を示しうる成分です。

 

 

 

 

ですので、成分を見ただけで分かる人には分かるんですよね。

 

これがタダの純水とかミネラルウォーター的なものではないことが。

 

image

 

pH試験紙ではもちろんpH=12以上の変色

 

 

 

image

 

pHメーターを使ってみると、やはりかなり高いアルカリ性で、

 

pH=12.1

 

程度であることが明らかになりました。

 

 

 

 

まぁこないだの水の激落ちくんの12.6と比べればカワイイもののような気がしますけど…(^^;)

 

 

水の激落ちくんは水酸化ナトリウム0.18%

 

ベジシャワーは水とカリウムが反応して水酸化カリウムが生成されるので、

 

水酸化カリウム0.12%

 

なので数字上は水の激落ちくんより弱いアルカリ性になるのは頷けますね。

 

 

 

 

つまり単純な話、

 

このベジシャワーも魔法の水で洗っているわけではなく

 

強アルカリ性のアルカリ水溶液で洗っているということなのです。



トマトの皮にはアルカリ性で溶出しやすい色素が含まれているらしく、

 

 

確かにスプレーすると水が薄オレンジ色に着色しました。

image


これを「農薬が溶け出した!」などという人がいますが、

 

残留農薬の基準値って平均して0.1ppmとかですが、

 

0.1ppmって0.00001%のことですよ…、、染料でもないのに色が見えるわけがないです(^^;)

 

これは普通に色素が溶けてると考えるべきでしょう。

 

残留農薬は確かにありますが、それは目に見えるような量ではありません。

 

 

実際ピーマンやナスもやってみましたが、

 

image


image

ご覧の様に黄色い液なんて出てきません(^_^;)

 

(お野菜はこの後水洗して美味しく頂きました。笑)

 

 

 

まぁこんだけ強いアルカリで洗うので普通の水で洗うよりは実際に洗浄力は高いと思いますが、

 

色素の溶出を農薬のように言うのは問題があると感じました。

 

 

 

 

また、

 

レビューには「洗うとヌルヌルになって農薬が出てくるのが分かる!」みたいなことが書いてあったのですが…。。

 

 

 

もう分かりますよね?(^^;)

 

image image

 

image

 

強アルカリで皮膚表面が若干溶けるので、

 

野菜を洗わなくてもヌルヌルになります(苦笑)

(※真似しないでください)

 

 

素手で触ると手荒れの原因になる可能性が高いと思います…。

 

 

 

◎「ベジセーフ」「SHUPPA(シュッパ)」も類似成分の可能性大!

 

 

で、こういう問題があるのは何もベジシャワーだけではありません。

 

類似製品で【ベジセーフ】【SHUPPA】などの製品がありますが…

 

image image

 

これらもpH値が12.1と全く同じ数値を示しました。

 



image


ベジセーフに関しては裏に書いてある内容までベジシャワーとほぼ一緒。



ただベジシャワーより成分が

 

純水99.88%、カリウム0.12%

 

とちょっとだけ精密に書いてあります(^^;)

 





しかしベジセーフは公式でも素手洗いすることを推奨しているので、これはかなり問題ありな気がしますね。






あとベジセーフには製法がより詳しく書いてありました。

 

image

電気分解の際に使用してた電解質は「炭酸カリウム」で、

 

電解すると炭酸が抜けてしまう(というか陽極に発生するのでどうでもいい情報ですが)ので

 

残りがカリウムと水だけになり、

 

晴れて強アルカリの「水酸化カリウム0.12%水溶液」が完成します。苦笑

 

 

公式だと「炭酸カリウムを混ぜても同じモノは作れない!」と豪語していますが、

 

水酸化カリウムを0.12%純水に溶かしたものと実質的に同じものと思われます。

 

 

 

一部では「掃除に使用しても徐々に水素イオン濃度が減って(??)無害になる!」なんて言われてるみたいですが

 

 

これはね…ただの水酸化カリウム水溶液なので、

 

ちゃんと中和しないと水分が蒸発すれば溶解物の濃度が上がってむしろpHは上昇しちゃう(アルカリが強くなる)と思います。

 

ちなみに水素イオン濃度は減るとよりアルカリに傾き

 

増えるとより酸性に傾くのでこの説明は意味不明ですね(^_^;)

 

 

ただ量が多ければ空気中の二酸化炭素と中和してある程度pHが下がる可能性はありますね。

 

それでも下がって11くらいまで行けば良い方ですが。

 

蒸発が早いか中和が早いかという勝負になりそうですね…。

 

 

 

 

 

 

ただ個人的に一番問題有りだなと思ったのは、

 

【SHUPPA(シュッパ)】

 

です。

 

 

◎アルカリ電解水なのに『純水100%』と表示している【SHUPPA】

 

 

これ、「純水100%」って書いてあるんですよ。

 

 

image



image

裏面には成分も何も書いていません。

 

でもpHはさっきも書いたように12.1と強いアルカリ性を示します

 

image

 

 

この時点で『純水100%』はありえません(^_^;)

 

 

 

そんでこのパンフレットもまた香ばしくて…苦笑

 

image

 

『非化学洗浄水』…(-_-)

 

 

 

このパンフレットの中にこんなのが書いてあって、

 

image

 

「日本食品分析センターの検査により安全性が証明されている」

 

とありますが…

 

 

よくよく成績表を確認すると…

 


蒸発残留物つまり何らかの成分が9000mg/L…つまり1リットルあたり9gも残ったと書いてありますし(基準値は500mg/Lだから大幅に基準オーバー)、

 

pH値は19℃で13.0以上、

 

臭気に「異常あり」


で、全然基準値満たしていないんですが…。。。呆

 

 

 

消費者の多くはここまで見ないと思って適当なこと書いてるんですよね。

 

 

 

ちなみにpHが僕が測ったやつだと12.1ですし、さすがに9gも残渣が出るというのはおかしいので、

 

恐らくこの試験は水溶液の濃縮物を使って検査しているのではないかなと思います。

 

安全係数をかけることを考えると10倍濃縮とかでも安全じゃないとダメですからね。

 

 

 

 

また僕の手持ちの「TDSメーター」という機械(水中に溶けているイオン性物質の質量を計測できる機械)で計測してみると、

 

image

 

image

 

1リットル辺り2.52gの何かが溶けていることが示唆されました(苦笑)

 

 

これを%に換算すると0.25%なので、

 

そこそこ何か溶けてますね。

 

 

 

ちなみにベジシャワーとベジセーフは

 

image

 

image

 

それぞれ3.22g/L(0.32%)2.18g/L(0.22%)でした。

 

(製品記載値より多いのは、そのアルカリ剤以外の不純物などが溶けているからだと考えられます。)



ですので、『純水100%』と記載していたSHUPPAは、

 

他のアルカリ電解水系洗浄水と同じ程度には何かが溶けているため

 

つまり確実に『純水』ではないと言い切ることができます。

 

 

書いてあることが完全に「嘘」なので、、

 

非常に問題のある製品だと僕は感じました。

 



そういう意味ではベジシャワーやベジセーフが霞んでしまいますね。苦笑



同系統製品だとアフィリエイターの倫理観不足も手伝って

今回はベジシャワーが凄く叩かれましたけども…。

 

実際にはその他の類似製品を分析してみると、

 

ベジシャワーはあくまで氷山の一角だったというか、

 

もっと悪質なものもゴロゴロある、ということが分かりますね。





というところで一旦。

長くなってしまったので今日はこの辺りにして、

 

次回はまた後日続きを書きますね!(^_^)v


次回はホタテ粉末系の分析と、今回のまとめをしたいと思います。




 

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