華族の総理大臣的な仕事をこなす ロマンティックな女性。心中でいつも闘魂を育てていると聞く。
子供しか持つことが許されない力というものが、この世にはある。彼女は若干の夢力を、若干の色力を持っていた。どちらも2力爆発するには足りな過ぎる量だったから、大事には至らない。
ただ此れも、時力や空間力に混ぜると危険なので・彼女は他人と隔離されて暮らしてきた。何時、時力や空間力を持つ誰かに遭遇するか分からない。彼女は言葉を失い、両力を大事に育てた。
そしてある日、彼女は色力に関する予言を確立した。

「20年後…色力が…」

だけど誰も信じてくれやしなかった。無口の少女が口を開く珍しい機会なのだが、どうも無口な面は信憑性を尽きさせていた様である。彼女は此の予言をそっと懐にしまい込んだ。
── 其れは確かに当たるのだが。
イリアポスには・かの有名な炎使いであるヴァンザーが住んでいた。普段はリク達親子と張り合っていた(後には同居するが)彼だが、此の密かな予言には敏感だった。
ロケットを握り締め、もう一度彼女の予言に耳を傾けようとする姿に彼女は信頼を覚え、付いて行こうとしてしまう。しかし其処で"マザーストップ" 彼女の家出は止められた。
聞くところによると、酷い悪魔らしいが、其れでもハウルやフェオトーンよりはマシだと言っても、母は聞かない。貴女を闇には染めたくない、しかし閉じ込められる日々は続いた。
此れを機に、彼女はどちらか片方を育てるのを止めようとした。そしてついに、夢力の息の根を止めた。此れは大人になるほど消滅して行く力で、その為に大航海時代は髭の生えた冒険家が挙って(こぞって)求めたものだが、彼女の場合は未だ成長させることも出来た。しかし 出ることを認めてもらう為には先ず安全性をアピらなければ。
雷使いであるゴジェカは 幼いながら度々父と異形の者退治に行くのに、わたしはダメなの… 彼女の持つ夢力の命が尽きた頃、新月の夜を待って彼女は外へ出た。無口だけど秘めている情熱は深く、街を避けてニヴァルトにあるログンの跡地へ向かう。
其処には"アストロの像"が立っているが、彼女は参拝者に紛れて一緒にお願いをした。

「此の力の意味を教えてください。何故わたしは此れを持たなければならなかったのですか」

あれからヴァンザーは来なかった。狂気と化したのか、其れとも忙しいのか。理由は分からないにせよ、もう一度来て欲しいと願った。
予言は・放った日から20年後なのだが、まだ10年ぐらいしか経ってない今から起こってもおかしくなかった。エスの帝政時代は"今"終わったみたいな。
彼女の心配を煽ったのは、本来中界にだけ存在する筈の"イヴィル"が上界にも押し寄せているらしいこと。原因は上界の魔界‐スティディから来る陽性の魔力であるが、彼女は最初此処まで来るのを待っていた。
しかし待ちなさい 此処にいたら名が広まる可能性がある。ならば下に降りて根本からやってしまえばいいのよ…か弱いわたしひとりで出来るかしら。夢力を殺したことで、成長時効でもないのに彼女の戦闘力は殆ど成長しなかった。
でも 無言で下に降りていた。女のひとり旅の途中で乙女座の精霊‐ロマンに出会う。
精霊も彼女とほぼ同じ目的だった。しかし精霊の場合はアフロディテの監視がついていた為、自由に動けない。ノストラダムスは嘘だったが、イヴィルはもう既に噂の領域を飛び越えて具現化している。
そこで彼女の色力が騒ぐ。精霊に驚かれ、此の力はイヴィル前では隠すべきだと言われた。ふたりはイヴィルに突入して行く。
・・・上界での作用が強くこちらを食い止めるのは出来なかったが、威力を弱めることは出来た。しかし、此処で一旦ロマンとはお別れをする。
再びひとり旅を続行しようとする彼女のもとに、何人かの少女が駆け寄り、彼女を華族に招待した。彼女は・華族の中でも戦闘能力の高い系統であるアラーニーの血を引いている。そのために受け入れてくれたのかと思えば、少女達はなんと 流派を伝授してくれと言い出した。
彼女は此処の長や少女達の親に了解を得て、少女達の期待に答える指導を施した。彼女は何時しか「先生」と呼ばれ、教え子のひとりであるラミーの日記にも度々登場する様になった。
アンフェル‐華族での永住権も獲得し、彼女は評判のいい人として注目される様になった。
だが。
ネーデル郊外の交通事故で、教え子達は目を疑い・報道陣や警察を疑い・涙した。病院の彼女はきれいな顔で横たわっていた。特に色力の爆発は起こらなかったが、その日イヴィルがキリバス付近で発生した。

ラミが見たのは、涙を流して帰ってきた「先生」だった。ラミは横断歩道の向こうの先生に向かって身を投げ出した。先生が散らばした色力の欠片を返却し、もう一度体温を感じる。彼女は・初めて人の暖かさを感じる事が出来た。与える事は出来ても受け止める事は出来なかった。でも 其れでよかった・こうして何倍にして返ってくる法則があるのなら、どうぞなんぼでも与えてあげよう
そうして見上げた希望ばかりの空が段々怪しくなっていくのを感じた。前々から怪しくて、ヴァンザーに逢えたと思ったらなんと奇襲攻撃だし、"魔王"を冠する青年が現れるし、"ダーク・エンペラー"を"エス"と間違えるし、終には魔界の神様までこちらに降りて攻めてくるし。世の中はおかしい。色力本暴走も・近くなってきた
そうして彼女を揺るがしたあの人 ── ゴジェカ。彼は・ちゃっかりライボルト事件に関与して、収拾のお手伝いをしているじゃないか 貴方は危険なのよ!?
…でも・手は出さなかった。ラミーも他の教え子もライボルトの力と先生の色力とが交雑して新しいイヴィルが生まれる事を懸念していた。増して・アラゴムーンが関与している時点で、もう危険地帯にいるのと同じだ。
しかしそれ以降、またゴジェカは姿を消した。ライボルト→ミオとクリアしたメンツに直撃しても、行方は分からなかった。諦めようとしたが、心の奥底ではまだ諦めきれていない。
12魔獣を滅し、闇の開門宣言後も、いなくなってしまったゴジェカの行方を気にしては止まなかった。年の差もあり、互いに置かれた環境も違うのに、実の姉弟。いつかちゃんとお話をしたi…夢力
時間がもし夢で構成されているなら、未来は愚か過去さえも夢の時間になってしまう。スフィアを抽出すれば謝る事が出来る筈なのだが、もう彼女にそんな力はなかった。じぶんで夢力を殺してしまったのだから。
しかし・ゴジェカから華族の方に来てくれたのは何たる偶然 いや・必然 ふたりはそっくりだった。自慢のストレートだけは、互いに崩さずにいた。一回り年が違えどやはり一回り身体は大きい。家族の大きさを知った彼女は、父母の安否を尋ねた。ふたりともまだ イリアポスで元気に暮らしている('07に父は他界)。しかし 逢いに行く気にはなれなかった。
ジェーンが華族に移って来た。頭のいい頼れる方がまたひとり増えた時、彼女は今度じぶんの中の両力に痒みを覚えた。両力が爆発しそうなのだ。殺した筈の夢力は 妖精や吸血鬼が現れた事でムズムズした"退化"の防衛反応である事が判明し、何ともなくなった。
残りは色力だが、此れはかつての予言が丁度20年後に具現化したものであった ── 故郷の華族は彼女の予言を何気に覚えていた。此の問題をもたらしたグラードに反感を抱く者まで現れたが、其れも必然なのかもしれないw
彼女は予言を当てた事にまた痒みを覚えたが、此処の周りに関しては予想より小さい被害で済んだ。彼女は此の問題の発祥者を決して恨んだりはしなかった。そうして得るものは何もない。華族に特にダメージはなかった。
その問題が解決した後直ぐに・ロマンから結婚の報告が届く。幸せを掴み取る事が出来てよかった安堵感で熱を出し、夢力の代わりに育てている闘魂で彼女は発言力をつけ、華族を運営するにあたっての比較的重要な役を任されている。
力の謎は解決したわけではないが、其処に少しでも今後を重ねられたら其れで解決としますか

道は、ひとつだけではない。時には逆流に耐えて、愛を伝えに行きましょう








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