(1)前置き
私に対する懲戒処分手続は、おかしいと感じるようなことが多かった。
以下の日付は、すべて平成29年のことである。
また、書面の画像2枚は、いずれも実物を写したものである。
(2)おかしさの実例
①呼び出し状1
(ア)基本情報
表題は「会則第41条の3に基づく調査について(通知)」となっている。
名義は「山口県行政書士会倫理調査会」である。「山口県行政書士会」の印が押されている。
宛先は私中村である。
6月9日付である。
(イ)解説
これは、ある精神病院から私についての苦情が山口県行政書士会にあり、その調査のために私を呼び出す書類である。6月13日に山口県行政書士会の事務局に出頭せよという内容になっている。
発出元となっている山口県行政書士会倫理調査会は、A会長、B副会長その他2名の計4名の組織である。
(ウ)「事案」の記載
事案のところには、「会員に対する指導及び調査」とあるのみである。
②呼び出し状2
(ア)基本情報
表題は「綱紀委員会の開催について」となっている。
名義は「山口県行政書士会綱紀委員会 委員長C」となっている。
「山口県行政書士会綱紀委員長」の印が押されている。
宛先は私中村である。
8月18日付である。
(イ)解説
これは、山口県行政書士会内部にある綱紀委員会からの呼び出し状である。
9月5日に出頭せよという内容になっている。
場所は山口県行政書士会事務局になっているが、9月5日当日、直前に山口県セミナーパークに行くようにという指示が出た。
山口県行政書士会理事会から綱紀委員会に文書で諮問が出されたのを受けて、綱紀委員会が事情聴取のために私を呼び出す書類である。
(ウ)「事案」の記載
事案のところには、「本会より送付を受けた綱紀事案について」とあるのみである。
「事案は事案です」と言っていることになる。
③情報公開
9月5日に綱紀委員会から事情聴取を受けた後、私宛に弁明の機会の期日通知書(9月19日付)が送られてきた。
そこに初めて、私が懲戒されようとしている事実が示されていた。
その内容を見て、私は愕然とした。そして、慌てて弁護士に依頼した。
その頃の私の状態は混乱を極めた。
10月12日に弁護士同伴で弁明の機会の手続に出席した。
その後、10月25日付で「会員の権利停止1月」という処分が出た。
さて、私は訳が分からない状態だった。
そこで、3度にわたり、山口県行政書士会に情報公開請求をした。
その結果、調査結果報告書5通、理事会から綱紀委員会に対する諮問書1通、綱紀委員会の答申書1通、綱紀委員会の意見書1通を入手することができた。
もっとも、個人名等は黒塗りになっているものだ。
懲戒処分手続に対象となり、懲戒処分を受けた本人である私が、懲戒処分を受けた後になってから、自分についての書類の開示を情報公開請求で請求しなくてはいけなかったことの異常さは、何とも言いようのないものだ。
(3)まとめ
以上の通り、対象者である私は、自分についての手続なのに、その手続がどのような事実について行なわれているかを知ることを、極端に制限されていた。
私はまるで、目隠しをされて、袋叩きにされていたようなものだ。なぶりものである。
A会長、B副会長及びC綱紀委員長が、事案の内容を私に知られることを極端に避けていたのは明らかだろう。
事案の内容を知られると、事実確認をされる。
たとえば、6月9日付の呼び出し状に、同日付の調査結果報告書が添付してあれば、私は「この部分が嘘だ。あ、ここも嘘だ」という風に気づくことができた。
そういう事態を避けようとしたと推測される。
A会長らがこのようなやり方をした結果、私は状況の把握が遅れ、弁護士に依頼することも遅れ、重い処分を受けることになった。
手際よく、私をはめたということができる。
単位会長処分は、山口県行政書士会において、本来の制度の趣旨から離れた使われ方をされていると思う。
これらの事実は、行政書士制度について、能力及びモラルの水準の観点から、根本的に見直しが必要なのではないかという問いを社会に投げかけていると思う。