アドセンスをはじめとする、ありとあらゆるGoogleのサービスを用いて支払いを受け取るユーザーは米国の収入分と並行してシンガポール閲覧者からの収益に対しても現地税制に基づく所得税の源泉徴収が課されるようになりました。
今回はシンガポール税務情報が必要なサービスの説明と実際の提出方法について詳しく解説していきます。
※税務情報の内容は人によって異なり、あくまで私ならこのように提出するというものだとお考えください。税務上のアドバイスはできないため、ご不明な場合は専門家へご相談ください。
Google Asia Pacific Pte. Ltd.(シンガポール税務情報の提出)

Google Asia Pacific Pte. Ltd.が主契約拠点となる場合はシンガポール税務情報の提出が必要です。
とは言った物の基本的な税務申告に関しては、W8シリーズとほとんど同じです。
- 事業者情報の入力
- 課税可否選択(課税免除)
- 税法上の居住地申告
以上の3ステップになります。
AdSense[お支払い情報]>[設定を管理する]>[お支払いプロファイル]内に[シンガポールの税務情報]から提出を行います。

①事業者情報の入力
税務情報の追加をクリック

日本在住の日本人であることを前提にご紹介していきます。

[業種をお知らせください。]:[個人の運営者]を選択します。
どのような業種として AdSense から収益を受け取っているかです。
法人など企業として収益化している場合は[企業]などになります。
[シンガポールに恒久的施設を所有していますか?]:>[いいえ]
[海外ベンダー登録制度に基づいて、シンガポールの物品サービス税(GST)に登録していますか?]:
>[いいえ](GST=シンガポール版のインボイス登録番号)詳しくは税理士にお尋ねください。
課税可否選択(課税免除)

[免税対象となっていますか?]:
>[はい]
税法上の居住地を確定させる
ここが正直かなりややこしく、いくつかの条件があるので整理していきいます。
- 税法上の居住地申告は身元確認ではないこと
アイルランドの個人を除いて身分証明を証明書とすることはできない。 - これを確定させるまでシンガポール税務情報は発効(効力を持たないこと)
- これをしないからと言って直ちに収益の支払いが停止することはない
(通常通り徴収されるためやっておく必要ははある)。
税法上の居住地の申告+その他の書類※アイルランド(個人)限定
税法上の居住地の確定は契約された主拠点や業態に応じて必要書類や対応がことなります。
アイルランド
組織の場合:
- 税法上の居住地の証明書
個人の場合:
米国以外の税務情報を Google に提出する – Google AdSense ヘルプ
- 政府機関が発行し、発行国の納税者であることを示す、
現地の住所が記載された有効期限内の国民 ID カード- 納税者 ID カード
- 税法上の居住地の証明書

[税法上の居住国/地域を選択します]:
>[日本]
[居住者証明]:
>[ドキュメントの種類を選択]で[その他の書類]を選択した場合は、
マイナンバーカードや免許証などの身分証明書を提出します。
米国税務情報と同じく、AdSense のお支払いプロファイルで登録している住所・氏名と身分証明書のものが完全に一致しているかを、提出前にご確認ください。また、身分証明書を撮影した写真は画像加工アプリなどで修正したりしないで、そのまま提出されることをおすすめします。
[有効期限]:
身分証明書の有効期限を「YYYY/MM/DD」の形式で入力してください。
例えば「2025/05/25」のような形です。
後は送信していただき、承認されるのをお待ちください。
税法上の居住地の申告+居住地証明書※シンガポール・アイルランド(法人)
税法上の居住地申告をする事業者シンガポールを拠点としている場合やアイルランドと契約している、
法人パブリッシャーの場合は税法上の居住地証明書と呼ばれる(税務署「歳入庁」発行の公的文書)が必須。
シンガポール
組織および個人の場合:
米国以外の税務情報を Google に提出する – Google AdSense ヘルプ
- 現地の政府機関が発行した税法上の居住地の証明書

詳しい取得方法は以下のページで解説しているのでぜひとも参考にしていただきたい。
取得したら AdSense の税務情報のページからアップロードを行ってください。
なお、スマホだと文字が小さくなり 正確に読み取れない場合があるので、可能であればスキャナを使用することをお勧めします。
税法上の居住地が承認されるとステータスが「承認済み」になり、メールでも通知が来ます。
※提出してから結果が出るまでに時間がかかる場合があり、時期によっては2週間以上かかることもあります。
Googleにおいて源泉徴収が必要になるサービスは13種類
Googleにおいて源泉徴収が必要になるサービスは以下の13種類です。
- Google Adsense→広告ネットワーク
- コンテンツ向け
- 検索向け
- ドメイン向け
- 動画向け
- ゲーム向け
- Youtube向け
- Google Admob→広告プラットフォーム
- Openbidding
- Google Admanager→広告プラットフォーム
- Google Ad exchange
- Openbidding
- Reader Revenue Manager→投げ銭等
Googleでの収益はすべてGooglePaymentsによって管理される
これら13種の収益プロダクトで発生する収益はGoogleが提供する関連サービス「Google Payments」以下GooglePayによって管理されています。

Google Payments(Google Pay)は以下の業務を行っています。
- GoogleユーザーにおけるGoogle有料プロダクトの支払い情報の収集・管理
- Googleから利用者に対する収益プロダクトの支払い先情報の収集・管理
- これらに付随する各種税務情報の収集・管理
このため、税務情報についてはGoogle Adsenseなどの収益プロダクトに直接問い合わせ
を行っても明確な回答を得ることはできません。
Googleの支払い元は複数ある?
ここからはAdsenseなどの広告収益プロダクトに焦点を絞ってみていきます。
Googleには支払い元が複数あると言われています。
- Google LLC
- Google Ireland
- Google Advertising (Shanghai) Company Limited
- Google Asia Pacific Pte. Ltd.
以上の4つよりGoogle Adsenseの申し込み時の居住国選択に基づき自動でGoogle LLCを含む2拠点の契約拠点が選択されます。
これらのうち後者につくGoogleLLC以外の拠点が表立って支払いを行う主契約拠点となります。
Googleとの契約拠点についてはAdsenseの利用規約より確認することができます。
本利用規約において用いられる場合、「お客様」または「サイト運営者様」とは、本サービスを利用する個人もしくは法人(および/またはお客様の代理として、お客様の指示で、お客様の管理のもとで、またはお客様を管理する個人もしくは法人の指示もしくは管理のもとで行動する個人、エージェント、従業員、代表者、ネットワーク、親、子会社、関連会社、承継法人、関係法人、譲受人その他のあらゆる個人または法人)を意味し、「当社」または「Google」とは、Google Asia Pacific Pte. Ltd. を意味し、「当事者」とは、お客様と Google を意味します。
Google AdSense – 利用規約
Google LLC(米国税務情報)の提出

主契約拠点の税務情報を提出する前に、Google LLC(米国税務情報)の提出が必要になり米国税務情報とは、
一般的にフォームW8シリーズと呼ばれている納税申告書です。
- 提出により租税条約の恩恵を受けることができる
- 米国訪問者からの収益の30%が予備源泉徴収税として差し引かれる
- 租税条約の非締結国において提出することで米国訪問者からの収益の20%となる
- 本人確認書類(身分証)が必須
- 個人番号の提出は本来必須ではない1
- 本来FATCA「外国口座税務コンプライアンス法」によって税番号の提出を免除となっていますがGoogleに関してはシステムが対応していないので提出が必要です。 ↩︎
詳しい解説や提出方法は以下の記事で解説しています。
シンガポールの税務情報の承認画面
承認されるとこのような表示になります。
メールでも「お客様のシンガポールにおける税務情報が受理されました」と通知が来ます。
承認後
税法上の居住地が承認されるとステータスが「承認済み」になり、メールでも通知が来ます。
※提出してから結果が出るまでに時間がかかる場合があり、時期によっては2週間以上かかることもあります。
アップデートがあり次第こちらで公開していきます。また税務情報に関するヘルプページはこちらです。
>税法上の居住地に関する情報、および米国以外の源泉徴収と報告