今回は、2024年4月にジャパニーズウイスキー基準に準拠したと公表された、サントリー角瓶について、5月発売分と4月発売分で違いがあるかを調べてみます。

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ジャパニーズウイスキー準拠のタイミングは今年の4月からだったのか

今回の調査は、サントリーが2024年4月で発表した、角瓶がジャパニーズウイスキー準拠のブレンドとなったのが、まさに同じ月からの出荷分からなのか、という点です。

サントリーに問い合わせてもそのタイミングについては明言されなかったため、独自で調べることとなりました。

5月を迎えて、おそらくスーパー、コンビニ、酒屋さんでは4月出荷分の角瓶が出回っているだろうと予想をつけ、近所のスーパーで1本購入しました。

双方を比較しても、表のラベル、裏のラベル共に変更点はありません。
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飲み比べるにしても、4月に購入した分は幾分空気に触れていることで、香りや味に変化が出ているかも知れませんが、それを差し引いて比べていきたいと思います。

テイスティング

グラスからの香り、液色

4月、5月ともに、青リンゴやマスカットのフルーティな香りがしっかりやってきます。
液色は共に中庸な琥珀色です。

ストレート

香りについては、4月、5月共にリンゴの香りが広がり、ブドウ、バニラ、カラメル、カカオと続く印象は変わりません。

しかし味わいにおいては、4月分の方がアルコール感が強くなり、苦みも強い印象です。
この辺りは、酒自体が空気に多く触れたことで変化したレベルではないかと推測されます。

ロック

どちらもリンゴの香りから始まり、バニラ、カラメル、カカオへと続きます。
味わいは苦みが先行するものの、後から酸味を経て甘さへ至ります。

ハイボール

4月、5月ともにカラメルやバニラの甘い香りが先行し、奥からリンゴのフルーティさが続きます。
味わいは多少の苦みがあるものの全体的には甘いです。

表明以前からジャパニーズウイスキーに準拠していた

何れの飲み方においても、4月分と5月分では明確な香り、味の差は無く、2021年の辺りで実質的にジャパニーズウイスキーに準拠したブレンドに切り替わったと考えるのが有力でしょう。

その上で、旧ブレンドが市場からほぼ消えるであろう3年の猶予を与えた上で、満を持してジャパニーズウイスキーですと公表したとなります。

残念なことに、4月から希望小売価格が1900円台にまで値上がりしましたが、れっきとしたジャパニーズウイスキーとして現状で千円台で買えるのは貴重な存在です。
また、それをハイボールとして気軽に飲めるというのも、サントリーの企業努力には頭が下がります。