【計算できる?】5800円の2割引はいくら安くなる? 「割合」に強くなるマーケター算数基礎講座
答えは、Cの3200万円。「基になる量」(分母)が8000万で、0.4という割合がわかっている。よって「比べられる量」(分子)を求めたいので、8000万×0.4=3200万円という答えになる。
練習問題 4500円の商品Dが30%値上げになったとき、価格はいくらになるか。 A 3150円 B 4530円 C 4800円 D 5850円
答えは、Dの5850円。「基になる量」(分母)が4500円で、割合はここでは1.3(0.3では70%値下げの意味になってしまう)となる。求めるのは「比べられる量」(分子)なので、4500×1.3=5850円となる。
1人あたり or 1つあたりの計算は?
ここまでは、取引金額における消費税額と本体額の計算、売上に対する費用の率など、“割合”を扱う計算について解説した。一方、業務では、1人あたりの金額、1商品あたりの金額というように、“単位あたり”の計算もよくある。
この単位あたりの計算も、基本的には割合計算と変わらない。「基になる量(単位)」を分母、「比べられる量」を分子とする、分数で考えればいい。
たとえば、従業員1人あたりの売上を計算するのは、まさにこの単位あたりの計算に該当する。ここでは従業員数が「基になる量」(分母)、売上高が「比べられる量(分子)」なので、この分数を解けば自ずと正解が出る。
株式1株あたりの利益率、いわゆるEPS(Earnings Per Share)の計算はどうか。こちらでは、発行済み株式の総数が「基になる量」(分母)、利益が「比べられる量」になる。 「一般論として、指標に“Per”と付くものは、単位あたりの額を計算するものがほとんどで、つまり(ここで説明する)単位あたり計算の考えを当てはめればいい」(森氏)
分数式に当てはめるだけ! 割合は怖くない!
森氏は現場で生徒を日々指導しているが、およそ半数の社会人が割合計算でつまずいているという。割合計算が必要となったら、講演冒頭で示した分数式「基になる量」を分母、「比べられる量」を分子とし、その分数の答えが「割合」をとにかく思い出して、数値をどこに当てはめるか考える。こうすることで、多くの場面を乗り切れる。割合は怖くない。森氏はそう強調し、講演を締めくくった。