【計算できる?】5800円の2割引はいくら安くなる? 「割合」に強くなるマーケター算数基礎講座
これはいわゆる“割り戻し”の計算。「比べられる量(1600)」と割合(0.2)がわかっているので、「基になる量」を計算する。ここでは、何を何で割るか考えるより、求めるべき値を𝒳として扱うのがコツという。
前述の通り、「比べられる量」は「基になる量」×割合で求められるので、𝒳×0.2=1600という一次方程式が成り立つ。方程式は1600÷0.2=𝒳となり𝒳=8000。答えは、8000円となる。
これを応用すると、もし新聞などで「全社員の8%にあたる500人」という記述があれば、それだけで全社員数を500÷0.08=6250人と計算できる。
このように分数と、ごく簡単な一次方程式の知識があれば、割合は素早く計算できる。森氏は「問題文を読んですぐに答えを出そうとするのではなく、まずは分数の計算式を立てると計算がスムーズになる」と補足する。
実務でお馴染み、割合計算の初歩
こうして割合をしっかり理解できれば、企業業績や業界動向といった各種指標の把握も容易になる。頻出する指標について、「基になる量」と「比べられる量」をどうすればいいか、以下にまとめた。 ■ 前年比(前年比率)
今年と前年を比べたもの。「基になる量」が前年分、「比べられる量」が今年分である。
■ 売上構成比率
全体に対する、各項目の割合。たとえば「基になる量」が全体売上、「比べられる量」が各商品に相当する。
■ 利益率、販管費、原価率など
これらの率は通常、売上高が「基になる量」である。これに対して「比べられる量」側が、利益なら売上高利益率、販売管理費なら売上高販売管理比率、原価なら売上高原価率となる。
「基になる量」と「比べられる量」の関係性さえしっかりわかっていれば、たとえば利益率の計算に対して利益÷売上=利益率、その他の指標ではまた別の公式……というような覚え方をする必要がない。 ■ 例題を解いてみよう! 練習問題 B社の売上は8000万円である。そのうち、商品Cの売り上げは4割にあたる。商品Cの売り上げはいくらか。 A 320万円 B 2000万円 C 3200万円 D 4800万円