【ももすももす インタビュー】
“アニメのストーリーも、自分も、
いつか報われるように”と
願いを込めた
悲しい曲しか書けないから、
想いが届かないものになるのは宿命
カップリングは2曲収録されていますが、昨年12月にTOKYO MXで放送されたドラマ『恋活』の挿入歌にもなった「宵待花」は、想いが届かない儚さがありながらも美しい曲だなと思いました。
「宵待草」（作詞：竹久夢二／作曲：多 忠亮）という叶わない恋の歌があって、『恋活』にぴったりだと思ってタイトルはそこから取りました。編曲で参加していただいた堀越 亮さんにストリングスを入れてアレンジしてもらったことで切なくてきれいな感じに仕上がったと思います。私は悲しい曲しか書けないから、恋の歌を作っても想いが届かないものになるのは自分の宿命なんだろうなと（笑）。
《言葉は一つだけで／強い魔力を持つし／素直になれたのなら／たぶん少しは変われたのに》の部分は、ももすさんっぽいと思いました。
私は天邪鬼で、思っていることと反対のことしか言えないんですよ。それで人間関係がうまくいかないことばかりなので、あんまり友達もいないし…素直にしゃべれる人もいるんですけど。永遠に続く恋はないじゃないですか。だから、それを描きたかったというのもあるし、恋も人間関係も似たところがあると思うので、この曲は恋愛だけじゃなくて友情の曲でもあると思います。
英語のコーラスの部分がメインヴォーカルと重なっているから、はっきりではなくうっすらと聴こえてくるのがおしゃれですね。
口はひとつしかないから、思っていることがたくさんあっても一度には言えないけど、曲にしたら思っていることを同時に言えるからコーラスっていいなと思います。
この曲のMVはももすさんのご出身地である川越市で撮られていますが、それもあってか距離感が近く感じる仕上がりですね。
川越で着物が着たかったんですよね（笑）。川越は神社が多くて、最近は着物を着て散策するのが流行っているので私も乗ってみたくて、撮影前の夏に一度着たのでそれで味を占めました。
最後に収録されている「犬飼いたい」ですが、ももすさんの曲には「エソア」をはじめ猫が出てくる曲も多いですし、猫アレルギーなのにご自宅でも猫を飼っているという圧倒的猫派のイメージだったので、タイトルを見た時から驚きました。
猫もずっと飼っていたいけど犬も飼いたくなってしまって、ずっと家の中で♪犬飼いたい～と歌っていたんです。それをテーマソングとして打ち込んでスタッフさんに聴いてもらったら “これいいじゃん！”となって、そのままCDに入れてもらえることになりました（笑）。《ふわふわの／白い犬》を飼いたい理由は、私は白い猫を飼っているので、白い犬を飼えば双子コーデみたいで可愛いなと思っただけの理由なんです。
口ずさむくらい犬を飼いたいと思っているのに、結局は猫の愛おしさを歌っている曲にも思えましたが。
やっぱり猫が好きですね。猫がいるからこれ以上は手に負えないっていうのもありますけど…。
ももすさんは前述のYouTubeでもご自身のことをよく話しているイメージなので、そういう普段からのアプローチもあって、「宵待花」の日常風景っぽいMVや「犬飼いたい」のような緩さのある曲も似合っている気がします。
「犬飼いたい」のMVも自宅で撮影して編集したので、あとから観返したら恥ずかしくなりました。使えるものは全部使ってみたいというか、“できることはやってみる”みたいな精神が根底にあるので、自然とやっている感じです。
アルバム『彗星吟遊』から約3年振りのCDリリースということで、今はリリースイベントの真っ最中ですね。
とにかく毎回人が来てくれるのか不安です。それが一番で、みんなが来てくれれば自分は歌うだけなのでそれだけで十分です。TikTokも使って広報活動も頑張るので、日本武道館でライヴができるようになるまで成長したいと思っています。大きいところでライヴができるようになりたいですね。
取材：千々和香苗
