旧ジャニーズ事務所、調停申し立てへ 石丸志門さんへの被害補償
旧ジャニーズ事務所(SMILE―UP(スマイルアップ).)の創業者、故ジャニー喜多川氏から性被害を受けたと訴えている石丸志門さん(56)が9日、被害の補償についてスマイル社から裁判所での調停を提案され、合意したと明らかにした。石丸さんは同社が設置した被害者救済委員会から、1800万円の補償額を提示されたが、不服を申し立てていた。
「ジャニーズ性加害問題当事者の会」で副代表を務める石丸さんは、14歳で事務所に入所。事務所にいた約3年で、ジャニー氏による性的な被害は50回以上に及んだという。
「第三者を入れた形で」
性被害から精神的な不調を感じ、30代のころには、心療内科でうつ病と診断された。
昨年、被害を告白し、主治医に伝えたところ、複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)の診断を受けたという。いま仕事はしておらず、生活保護を受給して暮らしている。
石丸さんは2月に被害者救済委員会から1800万円の補償額を提示されたが、「被害の実態や影響に見合っておらず、納得できない」として、合意しなかった。
この日、石丸さんは同社側の弁護士3人と面会。弁護士からは再算定の金額は示されず、「公的な第三者を入れる形で進めていきたい」と調停を提案されたという。同社が近く調停を申し立てるとみられる。
石丸さんは「調停という形は想定外だったが、話し合いが途切れるということではなく、違った形での前進だと思っている。しっかり自分の主張をぶつけたい」と話した。(島崎周)
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