

まだ震災の爪痕が残る街に、あなたはやってきてくれた。
のんびり、おっとり、マイペースな性格。
小柄なカラダで、手足がちょっぴり短い。
そんな姿に、ある人は心癒され、ある人は心奪われ、みんな夢中になった。
神戸のお嬢さまと呼ばれていたとおり、
いくつになっても愛らしかったね。
新しい世紀の幕開けという意味が込められた、名前の「旦」という漢字。
神戸の街の人たちを光で照らす、まさに太陽のような存在だったよ。
いつかは生まれ育った場所に帰ってしまう。
あなたとの時間は永遠ではないことは、はじめからわかっていたんだ。
最初は10年だった約束は、5年のび、さらにまた5年のびた。
その間には楽しかった日も、辛く大変な時期もあったよね。
23年と8か月。あなたが王子動物園で過ごした時間だ。
あなたに会いに来た家族、子どもたち、恋人や友達同士。
そして飼育員や動物園のスタッフたち。
出会った人たちはみんな、あなたを好きになった。
神戸の街や人は、あなたの目にどう映っていたのだろう?
私たちがあなたを想うように、あなたも私たちを好きでいてくれたら。
そう願わずにはいられないよ。
思い出をたくさんつくってくれて、ありがとう。
たくさんの笑顔をとどけてくれて、ありがとう。
わたしたちはあなたに出会えて、本当に幸せだった。
ありがとうタンタン。