ムー全体で有名な暴走団体に所属していた闇の女傑のひとり。かつては此処の副団長だった。
父系が代々魔界側の傑作と言われた血筋だったのだが、彼女の祖父がエスの帝政期に謀反を起こしたことから‐第二次世界大戦の終戦間もないアウトサイドに飛ばされてしまったのだ。
其処で余談だが、ヘーネルに危害を加えた闇の役人イッピルズは、実は彼女の従兄弟である。祖父の子供達にも間違いなく此の罪は受け渡されていたのである。
子孫ですらアウトサイドの者に差別されているのを受け、祖父は孫達をじぶんの家に呼び寄せた。しかし既に就学している孫はそのままにした。彼女や兄は呼ばれなかった。
彼女は身分がバレない様に、いつも明るく元気に振る舞った。というか元々そんな性格の少女だった。如何なる時も誰かの笑顔を求めてじぶんが笑う姿勢は、児童だけでなく先生ですら笑顔にさせた。
たまに度が過ぎて暴れ出すことはあったが、何故か気持ちいい暴れ方で、先生が手を焼いたり児童がネチネチしたりすることは余り見られなかった。
ただ其れを兄に指摘され、不貞腐れることはあったが。
全ては"闇の血を引く"ことを隠蔽するための工作なのだ。その為なら何でもするのが此の家族だった。其れが裏目に出ようが吉と出ようが関係ない。
ところが他国の中学に進学する際には身分証明書が必要となる。彼女の先祖は代々此れを隠していた。だけど彼女を含む何人かが他国の中学‐高校に進学するとなった時、発行して貰う必要のある身分証には闇側の血を引いていると言う証明までついて回ってしまう。兄は自国の中学に進学したが・彼女はどうしても自国に行きたい中学がなくて・止むなくアンフェルに進学を決めた。
身分証を発行した時に見えた文面に彼女はショックを受けた ── 魔界の血筋であることがハッキリ書かれている。此れ故に入学を拒否されたというケースは('08.03.30現在)ないが、周囲にバレることを初めて知った彼女は此れに修正を加えようとした。
だけど上手くいかない。結局二度目の発行でも其れはしっかり記されていた。仕方無く其れを進学先に提出する。学校理事だけの機密にして頂ければ。
ところがそういかない。初回から其れがバレてしまったのだ。先生、余計な事言わないで…。折角新生活に花を咲かせようとしたのに。
しかし幸運にも・此のクラスで其れが広まることはなかった。異形の者は外に沢山いたものだから、みんなそいつらだけが魔界からの使者だと思っていたのだ。彼女はこいつらを仲間と共に退治することで何とかその場凌ぎをした。
しかし・ある時其れが裏目に出てしまう。異形の者が彼女に懐いている姿をクラスメートに目撃され、其れを退治される事なく学校中に悪人がいると広まってしまったのだ。闇の血筋の生徒は彼女だけではなかったが、其れを聞いた該当者はみな暗い顔をしたためにやがて学校が荒れ始めた。
彼女は特に此の荒波の被害者になった。あれ程仲のよかったクラスメートからとくと刃を向けられ、其れは光闇の関係である為に警察の出動もなし。玉に傷も負い、能力攻撃を振り掛けられ、異形の者と一緒に常に敵に回された。精神的に参った彼女は一度実家へ帰ることとなった。
高校受験を控えて間もなくにようやく戻って来たが、通信制で勉強していたので受験には不足なく挑めた。志望校に合格するが、既に彼女が闇の血筋である事も流布している。どちらにせよ闇の女傑という"汚名"は避けられないのだ。
高校も完全自由制である為に・続けてネーデル市内の高校に進学した。其処で彼女は、プライベートで親しくなる先輩と出会う。セレッサという女性だった。
セレッサもかつて苛めで悲惨な目にあったうちのひとりだった。ところが今はプライベートで充実していて、苦がそれほど苦ではない感じがすると言う。何の事かある日先輩について行ったら、案内されたのは暴走族w( д) ゜゜勿論学校にバレたらマズいが、此処の親切な人達のお陰でじぶんも元気なんだという。
免許がない事を話したら、取るまでのサポートが入るという。更に、話はいつでも聞いてくれるとの事。彼女は急に、今迄の辛い過去を流したくなってきた。たかが闇の血を引くだけで敵扱いされる世界にうんざりしている事。
傷つけられても死ねないけど、じぶんで傷つけて死のうとした事。
会員は全て受け止めてくれた。
そして彼女はふたつのお面を着ける事になった。高校生と暴走族。両立は大変かと言われたら、別にそうでもない。自由度の高い部活の様に感じていた。
だけど毎回警察のお世話。光闇が絡む訳ではないので自由に口出しが出来てしまう政府機関。しかし其れを排除する出来事があった ── ボスが剣士としての公認の称号を得たのだ。先ず其れで警察は彼らを強制解散させられなくなる。
先輩はひとつ下のフォールや‐不良少女アニスを連れて来るなど、とにかく会員の肥大化に貢献していた。彼女も此れを引き継ぐのだが、セレッサの結婚による引退と同時になんと副団長の称号も譲られることとなる。
しかしこんな行為が先ず学校にバレ、続いて親にまでバレてしまう。強制休学‐退団手配書‐そして通信票。だけど彼女は此処を退団はしなかった。また気が狂うのを懸念してのことだ。
昼間は辛うじて学校にバレていないバイトで生計を立てていた。怪しまれない様に時刻を急に変えることは避け、特編授業の名を用いて段々時間を早め、就業時間をぎりぎり迄延ばした。その方法は卒業まで使えた。
一方親から散々説得の電話がかかってきたが、其れは逆に彼女の夜の違法行為を助長する結果となる。その時の鬱憤を暴走で晴らす。
だけどビアーレムは悪いとこではない。加入者の心をケアするのは勿論のこと。異形の者を一掃してみたり、或いは半ば義賊であったり、クリスマスには変装した少年が街の人々を和ませたり。警察も毎回手を焼くが、爆音とガソリンの問題以外は放っておいた方が街の活性化に繋がると判断し、問題以外に触れるのは一切止めた。
セレッサから副団長の名を譲り受けた頃、世は再び悪い方向へ向かっていると社説に書いてあるのを思い出す。根拠は正直目茶苦茶だが、彼女の血が妙に騒ぐのだ。其れをある日ボス様に話し、一旦夜の活動を休止する。実家を介さずに祖父のところへ向かった。
ところが祖父は何らかの病気で他界していた。高校最後の咎めの電話で微かに聞いたのしか覚えてなくて、彼女は魔界に行く必要があることを悟る。
祖父の生家はもう無くなっていたが、近くには祖母であろう人の墓があった。彼女は祖母の顔を見た事がなかった。改めて祈りを捧げ、祖父からの預かり物を献上した。愛しい人と離された事でショックだったところに謀反が起きてやむなく移住を決定したのだろうと、彼女は考えた。そして末っ子の父は、祖母の顔を見る事すら許されなかったのだろうと…。
帰国してから彼女は再び暴れ出す。溢れかえる後輩の数に段々卒業していく先輩や同輩。不定期な出会いと別れだが、先輩も同輩もたまにこちらを覗きに来てくれた。彼女は何故か、副団長という地位を譲りたくなくて、長く残ることとなった。
ところがどうしてか・プールという魔法師の後輩には何時か全てを預けてもいいのではないかという念が込み上げていた。それ以降こちらから話しかけることが多くなった。魔法師の過去はどうもじぶんに重なる。痛みがよく解り、ますます愛着が湧く。
更に ノストラダムスとイヴィルの再来でかなりの混乱を全世界で招くのだが、ビア会員はそれらに一切動じずに活動を続けた。必要とされた時だけ手を出せばいいという彼女のポリシーが其処には反映されていた。
段々若い層が優勢になる中で、ひとつのターニングポイントを迎えた ── 元々暴力団と密約を結んでなっていたビアが、この度加入した少女の母親を救うために密約を完全破棄、資金を会員からの寄せ集めの条件で完全独立したのだ。
彼女は此れに酷く反対した。だがボス様のスマート過ぎる契約破棄が彼女の心をあっさり変えてしまった。でも何処か納得出来ない。反感を顕にする代わりに、前から可愛がっていたプールについに、副団長の地位を譲ることにした。彼女自身も精神的にだいぶ落ち着いて来たのか、卒業も視野に入れてのことだった。
だけどシュッソルや最終決戦の準備戦など様々な事件が度重なり、更に彼女の血が騒ぎ‐増えゆく後輩達の可愛さに溺れてしまい、退団をズルズル先延ばしにした。漆黒封も終了して閉門に引っ掛かり、魔界に行けなくなることを解っていなかったのもあった。
ビアの評判は'06シュッソルを境に急激に良くなるが・彼女は理想のビアの姿をやっと覗けた感じがした。ほっと胸を撫で下ろし、秋には卒業を決意する。しかし可愛過ぎる後輩達の愛嬌に負け、暇な時にはほぼ必ず現れる程かつてのメンツの中でいちばん出現率が高い。
魔界でやり直しをしたいという夢があった。闇の先に幸せはない事は目に見えていたが・その中でじぶんが満足と高みを繰り返せば幸せなど軽いと見て、新たな道を歩み始めた。

しかしりあるに後輩が可愛過ぎて仕方ないご様子








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