時に恐れられた武具「ループ・ド・コネクティン」の所持者。仲間と共に世を荒らした罪は晴れない様だ。
無垢な男児が見た悍ましい夢 ── 彼は、地域では少し変わった男の子と位置付けられていた。
当時闇側の勢力が一段と染み込んでいた此の国であるだけに、彼の果てしない思考は時に地域のみんなを驚かせ‐怖がらせた。
しかし闇側が此処に侵略しに来た時は、義父と共に此の征伐に全力を注いだ。剣とピッチが使える異形の遠距離タイプが、周りから賞賛されていた。
更に彼には親友‐イードがいた。彼と此の少年も、闇側の侵入阻止の為に一生懸命働いてくれたのだが…
帝政が倒れた事を受け、急に国民は笑顔を取り戻した。だが、彼だけは依然として沈んでいた。
イードが 残留魔界人の手によって連れ去られていたのだ。
本当は追いたかった。しかし追えなかった。だからせめて学校を卒業したら、親友を追うつもりでいると告白した。進学はその後。
彼はひとつだけ不確実な手掛かりを得ていた。…遠く離れた中界の南米を中心に、猛威を振るっていた船乗りがいた。"レギオス"と名乗るキャプテンは、大西洋を大きく荒らすハッカーで、丁度帝王エスの討伐に疲弊した奴等が次々と餌食にされていた。
何処に其処と確定する証拠があるんだいと様々聞かれるが、彼は此の世界情勢から何となく解っていた。元から頭がいいとか言われたが、此処で本領を発揮する事になるとは。
一番の成績で学校を卒業し‐進学を先延ばしにしてまで追いたい友。彼は不安を投げ捨て‐真っ先に中界に降り立った。そして 南米って何処だと色々情報収集して‐やっと海賊達のアジトに辿り着く事が出来た。
此処にのめり込むという時に、強力な助っ人‐アイルが現れた。此の男も様々な理由で此処に見せられ、行き着いたのだという。
2人は此処に入団を許可され、先ず覚えさせられたのはなんとお酒。まだ早いですよ、とアイルは言うが、彼はすぐに飛び付いてしまう。更に、船の運転の仕方もレクチャーして貰ったが、此れは相手の方が覚えが早かった。
しかし度々アイルは此処を抜け出す。かなりのブランクがあったので何かと思えば、なんと"レギオス"討伐と称して、著名な大冒険家の息子‐グランディを連れて来たのだ。其れから暫く3人は同じグループで行動する事となる。
その後アイル達はストを起こした。大親分曰く‐じぶんの周りの時力の流れを変えたいらしく、此れがなんと国家滅亡に繋がるのだ。其れはいけないと立ち上がったのはアイルであるが、青年は此れの責任をとらされて暫く幽閉されてしまう。そして虚しくも、大親分は此の帝国の末娘を誘拐して‐帝国を存亡の危機に貶めてしまうのだ。
彼は同期中心のメンバーは把握していたが、幹部以上になると誰がいるのか全く分からなかった。其処で、本来の目的を思い出して幹部に事情聴取しようとしたが…

「ループだろ 判っていたよ」

丁度最初に当たった幹部がなんと イードだったのだ 随分前に連れ去られ‐親友は既に昇進していたのだ。偶然が重なった再会を喜び合い、そしてついには、
ストを計画した。だいぶ大親分の身勝手にうんざりしている者が出て来たのだ。そして実際に大騒動を起こして、今度は此処の脱出に成功。彼が先頭を引いて、恐竜の使いも‐イードも‐紅葉の王も‐その他の人も 殆ど無傷だった。彼やアイルは15期で、一旦海賊の活動は収縮する事になる。
ところが、今度は"レギオスの手下"という汚名を付き纏わせて世界を回る事になり‐その傍らには常に警察の監視がある様になってしまった。
レギオスの残した痛みは此の事か、彼は次第に此れを和らげる為の万能薬を探しに行こうと決心する。船上で知り合った友情には一旦別れを告げ・彼は中界を一周する。「助けたら進学」とか言っていたが、それどころではない。
イードとは度々手紙を送り合った。国に戻って卒業試験に合格し‐更に勉強を続けてるよ、と親友の声。本当に幸せな生き方に直りつつあるよ、とだけ返事をする。
ついに彼は万能薬と思われる武器"コネクティン"に辿り着く。現在は立ち入り禁止の洞窟"マジルテ"に封ざれていた此れを、彼は力の限り抜こうとした。しかし取れない。
何とか抜けた時には、此処の守り神であろう召喚者が彼に襲いかかり、彼は此れを制するもなんと外で待ち伏せしていた警察に捕まってしまう。
マジルテは封鎖されていなかったという事で彼は拘置所生活だけで免れたが、
此の失われた時間に確かに闇は再び力をつけているという事を感じ取った。
此の後何をしてくれるだろう、度々空間力支配の女王ルサーベルが、此の頃は降臨していた。ノストラダムスの予言が丁度出回り始め、更に"イヴィル"までもが地球の運命を暗示しているかの様。
そんな女王には手下がいて、そのうちジャーニーとカーゲルは酷く有名人だった。彼がアンフェルで知り合ったのは前者だが、その後すぐに前者は暇を出されて"イヴィル"の狂気に踊る様になる。
彼がマジルテで引っこ抜いて来た剣も、少しずつではあるがその邪気を吸っていた。危険だなと思った頃にはだいぶ危険水準を超えており、ノストラダムスの予言は当たらなかったが‐狂った2人は "地球の魔界"=上界のスティディをひたすら荒らしまくっていた。
此れに カーゲル‐アイル‐イード‐そしてペガが止めに入り、何とか事が大きくなるのを免れた。此れはヴァンザー達がイヴィルを見つけて奮闘した後の話で、未遂に終わるが相当なダメージを此の国に残した。
そして間もなく、2人は(また)逮捕されてしまう。流石に此れはやり過ぎたのか、今度はちゃんと実刑判決だった。

この間に闇に関する話はちゃんと進んでおり、ついに彼は"コネクティン"と‐元々持っていた武器の融合に成功する。問題となっている時力に触れてしまうとまた暴走し出しそうなので此処は謹み、国に帰る事にした。イードからの大量のメールで、祖国の情勢は何となく分かっていたが、
まさかイードがペガと結婚していた事までは知らなかった。
そして彼の後に解放されたジャーニーと共に、世界中を荒らし回っている"グラーシュ"の活動阻止に向けて動き出した。此処にはカーゲルやマージもお供し、スピリットのレンズの向かないところで密かに活動していた。
しかし マージ以外が言ってもなかなか説得力がないのも既知だった。時折武力行使なのは仕方ないが、邪気による暴走を恐れるとなかなかピッチを振り回す事が出来なかった。
更に漆黒封に向け本格的に動き出した事を受け、彼は一旦此処を離脱する。しかしメールなどでの交流はずっと続くから安心しな。
義父の影響で何度も闇の血統を弄られた事のある彼は、此処では其れを逆手に取って光闇両方に介入した。ある時はアヴィルス‐またある時はマラレイジ。
密かに両者のスパイとして様々な情報を集める中、彼はバティルに関する秘密を知ってしまった。
マラレイジで度々電気管理のブースターを切断するあの双子は、実は炎の剣豪の子供の未来の姿…。此の頃、ソフィアは妊娠中だった。
彼は此れを堅く閉ざして、あくまで普通に振る舞った。本人と直で話したことはないが、情報に情報が積み重なった分を・少しばかり他のメンツに公開したりしている。
ところが此の状態をなんとクレアに見つかり、糾弾されそうになった事がある。此処でも全てを閉ざそうとした彼だが、最終的には「準スパイ」を認めて此処を出て行く。コマンダーなどからは恩師の目で見られていたが、マラレイジ関連の人に見つかるともうどうしようもなかった。
漆黒封が無事施行され‐彼は今までの罪を何処で晴らそうか迷っていた。力を犠牲にするのもまずいが、此処は仕方ない。空を旋回していた色力の天使のうち‐片方を森に消した。当然リク達に見つかったが、彼は手紙を残し去って行った。
その後、久しぶりにマージに呼ばれてアンフェルへ行く。なんでも 宙船を貰ったはいいが、免許がない為運転を委託したいとのことだった。彼は此れを快く引き受け、暫く此れを動かして空のアミューズメントに一役買うが、
ジェネ開門と同時に彼もこちらにのめり込んでしまっていた。
其処で知り合った女性‐酷い鬱病を抱えながらも、懸命に世の中をよくして行こうとするマリンの姿に、彼は気がつけば心打たれていた。
此れを此処で終わらせるべきでないと判断し、告白をするも やはり彼女は異邦人に怯え‐泣かれてしまう事もよくあった。彼は言葉の掛け方がよく分からなくて、その代わりそんな時はずっと抱き締めていた。
そんなさり気ない想いが伝わったのか、彼女は段々心を開いてくれる様になる。一緒にアウトサイドを出て‐レグで毎日を過ごす事も多くなっていく。
しかし、彼には沢山の汚名がついていた。ひとつひとつを隠さずに吐き出したが、彼女は其れを全て認めてくれた。レグにいる間に旧友に出会っても、彼は取れない罪を意識して堅くなることもなくなっていった。溜めていたものを吐き出すことで、やっと自ら立てる様になったのだ。
久し振りにジャーニーに出会い、話を聞いたら、今度は元々の身分である義賊に戻ったと言っていた。此れでまた罪が増えるぞと脅してやるが、怪盗本人は此れが一番落ち着く生き方なのだと説明した。其れで彼も、今更本当にじぶんがしたい生き方はなんなのか、真剣に考える様になる。
当然だが、答えはまだ出ない。其れに、被さった汚名もある。だけど今では彼女が側にいるから、彼女に少しでも素敵な世界の意義を教えられたらな、と 再び少年時代の様な変わった思考回路を働かせている。








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