処女膜
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処女膜(しょじょまく、英: hymen)は、哺乳類の雌の膣口に見られる襞状の器官。ここでは、主にヒトの女性の膣口に付属するものについて解説する。
処女膜 | |
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Hymen (処女膜)で示される部分 | |
ヒトの雌の処女膜(赤丸内のヒダ) | |
ラテン語 | Hymen |
英語 | Hymen |
器官 | 女性器 |
オランダ語maagdenvliesの翻訳。かつては「嬢膜」の訳語もあった[1][2]。
字面から誤解されるが、膜ではない。密閉されておらず、わずかな穴から月経時の経血やおりものが排出される。また、処女であるか否かに関わらず常に備わるものである[3]。
形状 編集
膣口の入り口から延長し、開口部を狭めるように備わる襞状の肉壁である。膜という言葉から連想されるようなフィルム状のものではなく、衣類で言えば袖や襟にあたる部分に位置する。
出生時(新生児期)には処女膜が外陰部に飛び出していることがあるが、出生後日数の経過によって次第に隠れていく[4]。以降の成長過程で、処女膜の形状が女性器内で大きく変わる事は無い。そのため、そもそも男性と違い性器を目視する機会が少ない女性においては、本人が自らの処女膜について全く知識が無いままである事も多い。
処女膜の形状には開口部の数や大小など様々なパターンが確認されており、月経時の経血や膣分泌液の排出を困難にするほど閉鎖しているもの(処女膜閉鎖)、初めての性交時に男性のペニスを挿入できないほど頑丈な処女膜(処女膜強靭症)など、生活に支障の出るケースも存在する。
処女膜の損傷 編集
処女膜は通常のスポーツやタンポンの使用、骨盤の検査、何かにまたがったりすることによって裂けることはない[5]。処女膜は思春期に達すると弾性になる傾向がある。23%の女性は初めての性交で男性がペニスを挿入するときに出血したと報告したが、残りの77%は出血していない[5]。
初体験でペニスを挿入した際、膣口と共に拡張された処女膜が裂断することなく弾性と伸びによって耐えた場合、出血は伴わないものの激しい痛みを伴う事がある。
男性のペニスの大きさや挿入方法次第で、挿入の際に処女膜が裂断する事があり、この場合は傷自体は自然治癒するが、裂け目は元に戻らずにこの時の形状を生涯維持する。[要出典]これを点検して処女か否かを判断するのが処女検査の根拠とされる。
処女膜のある動物 編集
処女膜はヒトにあり、類人猿にない。クジラやアザラシの水生動物には処女膜がある。処女膜は膣内に水が入り込まないようにする役目があるとの説がある[6][要ページ番号]。
脚注 編集
- ^ 博物語彙 / 宇田川榕菴38ページ(13コマ目)
- ^ しょじょまく【処女膜】 | 日国友の会
- ^ “タンポンで処女膜は破れない?”. 2024年3月29日閲覧。
- ^ “赤ちゃん・新生児の驚異の2カ月びっくり大図鑑【新生児】”. gooベビー. 2015年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月17日閲覧。
- ^ a b Emans, S. Jean. "Physical Examination of the Child and Adolescent" (2000) in Evaluation of the Sexually Abused Child: A Medical Textbook and Photographic Atlas, Second edition, Oxford University Press. 64-5
- ^ ビヨルン・クルテン著、瀬戸口烈司+瀬戸口美恵子訳 『霊長類ヒト科のルーツ』 1995年5月29日、青土社、ISBN 4-7917-5374-7