ムー最大の暴走団体"ビアーレム"の元副団長だった、暗黒魔導師。世の掟に違反しているが、魔導師の地位で神から公認を得ている。
彼女の願いの中に、「"普通の"家庭の子供として生まれたかった('06いんたびぅ)」とあるが、彼女が暗黒魔導師である全ての原点は母系にあった。
当初、彼女は何故母が"魔法学校"への入学を勧めるのか見当も何も付かなかった。受け身のままに入るはいいが、他の人と違う学校にいることが嫌で仕方なく、欠席する日も多くなっていた。
此の学校にいても、何故じぶんが此処まで闇系統に反応するのか知る由がなかった。特に"残留魔界人"と同様の扱いを受けるのが嫌で、よい言い訳が思い付かないことにいつも悩んでいたという。
しかし、それを含む悩みをスパッと言える程に信頼をおける者は、彼女にはいなかった。学校を欠席がちならばそうなるのも否めないと、何故か其れはじぶんで悟ることができていた。
言えなくて溜め込んで周りからは更に悪く言われる。そんなじぶんにムカつき、ついに汚れた道を歩み始めてしまった。
地元では 周りで悪く言った奴等への復讐として様々な悪事を犯していた。彼女自身はとても分別があり、其れは全て道徳的に悪いことであるとは解っていた。しかし傷ついたじぶんを守るために悪事を繰り返し‐繰り返した悪事のお咎めとしてまた悪事を繰り返す。彼女は、傷でしかじぶんを抑制できなくなっていた。
勿論、度々警察のお世話にもなる。彼女は何も話さなかった。「私が悪かったです、って何度も申してるでしょう」、悲痛な叫びがこだました。
そしてたまに、衝動で彼女の魔法力が爆発していた。その矛先は、此の頃から浮き彫りになっていた異形の者の襲来に向けられたが、時に誤った方向にも向かい‐其れによりまた沢山の人をてこずらせた。
一時は拘置所生活にも陥った。しかし此処で、彼女は"魔法学校"の単位ではなく‐普通の中学校の単位の認定を受けることに成功する。彼女の地元からは離れていたが、其処は主に精神や福祉の授業を展開している学校だった。
卒業認定を受けると共に、彼女は初めてその学校の校長にお逢いする。…その時、彼女は涙が溢れた。

「じぶんで、生きて行きたいです」

ところがその根源となる魔法力と闇系統の関係は此処でも暴かれず、彼女は再び暴れ始めた。その魔法力の矛先は異形の者にのみ向けられたが、
ある日 こうして社会的にも弾かれた少女を、モントルー氏はなんと暴走協会"ビアーレム"に連れて来た。
彼女もその名ばかりは知っていたが、最初はやはり怪訝そうな顔つきでいた。しかし、当事者が安心できそうな顔つきであり、取り敢えず見学を決める。
此処に入りたての少女は、人を信じる事は愚か‐じぶんを信じる事も忘却の中だった。むしろ他人への恨みばかりが自棄に大きかった。
暴走族だけあり、此処はトラブルの続出だった。元は暴力団下の団体だったが、後に入って来た少女の母親のために暴力団から団体を切り離した。
更に仲間の増減が激しかった。彼女の慕っていたカーカルゴール氏をはじめとした旧メンツは次々に精神的に安定し‐家庭を持ち、卒業した。その代わりに、様々な事情で精神的に落ち込んだ若年層がどんどん見学に来た。
また、モントルー氏が神の公認を得ているので異形の者退治には不可欠となった協会だが、同時にムー全体から指定を食らっていたため、ガソスタの使用を禁止された。
警察沙汰になることもしばしばあり、特に若年層の不謹慎による逮捕は多かった。いくら暴走団体と言えど、社会的ルールは守らないといけないが、"暴走"だけは別だ。
また、"'06シュッソル"で一気に知名度をあげた。ブラインドなどの怪盗の動きを見守り‐時に其処に制裁を加えるにはビアが丁度いいとされたのだ。
その中で、加入したての頃に彼女自身は闇系統の魔法能力に初めて気付いた。公認前の暴走族で直接闇の力に触れたのだ。
当時 グァンフェで猛威を振るっていた残留魔界人がいた。ところが此れを抑制しようとする勇気ある者は現れず、ついにはグァンフェの封鎖令を突破してアンフェルに入り込み、"シュッソル騒動"前の軽い荒らしを繰り広げていく。
彼女は偶然にも奴等に立ち会ってしまい、此処で何故か魔法力が腕で揺らいだ。
その時彼女は、初めて人からのアドバイスを受けてその通りに従い、事の成功を喜んだ。その時一緒にいた人が、かのカーカルゴール氏であった。
彼女も段々精神的に自立出来るようになり、ビア内でもそれなりの地位を得るようになった。
特に彼女の心境に影響を及ぼしたのが6歳年下の少女モコに逢った事。
様々な事情が絡み‐抜け出した少女と自分を重ね合わせると、何だかじぶんの過去がそのまま鏡になった様な、そんな境遇に冒された。こんな後悔をさせたくない、此の後輩を妹の様に可愛がった。実際彼女には妹がいなかったために、ひどく寵愛した訳だ。
更に、モコを保護した後(のち)には自殺未遂を冒した天使を保護した。天使には既に両親がいなく、更に育ての親の元を抜け出してきたという。天使はビアに加入する事で『堕天使』と名を改めたが、此れがまた彼女の心情を変える事になる。
沢山の人との出会いですっかり信頼しあえる関係を取り戻した彼女。モントルー氏の任命とコレットからの推薦で、副団長を勤める様になった。最初は彼女はじぶんに相応しくないとて、此の役を拒否った。しかし、他の先輩や後輩達も任命を押した。こんなに慕われていたんだ、彼女は再確認し、基本的にリーダーとして自らぐいぐいは引っ張って行かず、あくまで責任者としている事を条件に役を引き継いだ。
彼女は基本的に何も喋らずにただ会員の行動を見守り‐何か道徳的な不備があるとすぐに注意し‐自身の分別が此処でよく発揮された。特に環境汚染や過度の騒音には厳しく、彼女が副団長になってからは 警察に来る苦情の数も‐実際に警察が団体を追跡する回数も減ったという。
基本は誰とも喋らずに心を閉ざしている様に見えるが、実は密かにフォールとはよく話をしていた。此の姿ばかりを見られ‐一時期2人は付き合うのではないかと噂された程だった。
彼も 彼女が保護した堕天使リサの様子を酷く気にしていたのだ。彼は加入して以降、沢山の人に助けられ‐また沢山の後輩を助けてきた。
しかし、此の頃から彼女の魔導師としての地位が揺らいできた。そのため堕天使は住まいを彼のところに移すことになった。
というのも、彼女は此処でミイナと再会したのだが、その際の手違いで公認の筈の地位が怪しくなったのだ。その後は名誉が回復したが、彼女はその魔女のことを嫌っているため、これ以降の話し合いはなかった。
彼女が信頼していた先輩、コレットも卒業し、いよいよ彼女の年代辺りが最年長となった。彼女も卒業を考えてはいたが、どうも次代を一任できそうな若手がいない。そのまま数か月を引き摺りっていた。
この間にもちょっとした事件があり、主に現世時力を持つ未来人、ナタを狙ったものがちょくちょく起こった。彼女は得意の魔法で原因を探り当て、過度にならない程度の攻撃をしてはその場を凌がせていた。
しかしとうとう、決断した様だ。副団長にクルス氏を推し、そして会員の賛同と本人の爽やかな同意を得た上で、晴れて彼女は"ビア"を卒業した。
暴走などには参加しないが、何か困ったことや混乱などがあったら何時でも呼びなさいと、みんなを不安にさせない約束をした。
じぶんの本当の姿はビアでも唯一だった魔導師、重宝されている歓びは、外面の表情からは得られねども、心中での感謝は大きい。








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