「共同親権」の導入に反対意見が多いのはなぜか?
──離婚をすると、子どもに関する大事な決断をどう決めていくかが問題になりますが、その辺が共同親権の導入で変わってくると思います。これまではどうだったのですか?
しばはし:現状の単独親権では、父母の関係が良いと「ここの学校に入れたいと思っているけれど、どう思う?」「養育費がこれくらいかかるので、入学金分を出してくれない?」などのやり取りが可能です。
でも、父母の間にやり取りがほとんどない場合には、親権者がすべてを決めています。引っ越しや再婚、その際の養子縁組なども親権者が決めます。
──「共同親権」の導入に関しては、法律や人権の専門家などから批判的な意見も多数出ています。これほど反対意見が多いのは、なぜだと思われますか?
しばはし:たとえば、DVのケースをどう判断するのかという問題があります。物理的な暴力の証拠がある場合は議論しやすいですが、精神的なDVなどの場合は証明が難しい。「虚偽DV」という言葉もありますが、DVに遭ったと装う可能性も議論されています。
裁判所がDVの有無を見極めることができるのか。これは加害者とされる側も、被害者とされる側も、不安に思う部分です。
どちらが本当のことを言っているのか、判断が難しいケースは確かにあります。でも、支援を通して私が思うことは、「そのような議論が発生するほどにつらい思いをしている」ということです。
それでも「子どもに会わせるか・会わせないか」という問題は、父母の争いとは別の問題です。子どものことは切り離して考えるべきです。
きちんと、司法の改革、裁判所の研修、支援の強化が進んでいない今の状況で「法律を変えるのは時期尚早だ」と共同親権の導入に反対する方々は主張しています。
これに対して、私は逆に法整備の期限が決まっていなければ、世の中変わらないと考えています。法改正の施行まで2年かかると言われています。期限を設けないで、裁判所に変わってほしいと言っても、変わるとは思えない。