突然「要注意 – 収益に重大な影響が出ないよう、ads.txt ファイルの問題を修正してください。」
という警告メッセージがアドセンスの管理画面に表示され困惑している
ユーザーが多くいらっしゃるようです。
ads.txt(アズテキスト)は数年前から広告業界で話題となっているものです。
近年、広告枠を偽装して不正なインプレッション等を発生させるものが増加していることから、
広告主とメディアを守るために導入され始めたものです。
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アドセンスサイトで ads.txt は必要なのか?

ads.txt ファイルについては、アドセンスでも設置が必要なのかなどを社員の方にも確認しておりますが、ads.txt ファイルの設置は推奨されているが、現時点でアドセンスでは必須ではないとのことです。
これには語弊があり正確には、
- 2以上の広告配信事業者が接続される広告枠を持つ
- アドエクスチェンジに参加する
これらの状況下では必須となります。
ただ他の広告ネットワークでは推奨または必須とされているところが多く、
それに伴いブログサービス等では ads.txt ファイルを設置するようになってきていると考えられます。
例えばブログサービス側の運営者 ID のみが記載された状態でユーザー(あなた)の ID が記載されていないと、ユーザーのアドセンスでは警告が表示されてしまうことになります。
2以上の広告配信事業者が接続される広告枠を持つ

近年、広告市場やプラットフォームの進化により2以上の広告事業者と
サイト広告枠が接続される状況が少なくありません。
SSPやTheMonetyizerなどを活用すれば必ず2以上の広告事業者と
オークション接続されることになります。
この場合広告枠のなりすましを防ぐために、販売を認めているネットワークや配信システムとその枠に
関連づくアカウント情報をドメインで連携するためにads.txtが必須となります。
(Googleを含む)アドエクスチェンジに参加する
Googleアドエクスチェンジでは1つの広告枠で最大数千以上の広告主とリアルタイムで
取引をすることができます。
2019年より、Googleを含む多くのアドエクスチェンジは、
参加条件としてads.txtファイルの設置を必須化しました。
これは、デジタル広告における透明性とブランドセーフティを向上させるための重要な取り組みです。
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Google広告枠におけるads.txtの取り扱い
アドセンスでは ads.txt が必須ではないですが、警告文には「収益に重大な影響が出ないよう、この問題を今すぐ修正してください。」とも表示されるため、正しく設置できていない状態が続くと、そのサイトでの広告配信がストップしてしまう可能性があります。(アカウントが停止されることも考えれます。)
不正行為の宣言
Google 広告システムの使用または操作を可能にするには、パブリッシャー様が提供する情報は以下の条件を満たしている必要があります。
不正行為の宣言 – Publisher Policies ヘルプ (google.com)
- 誤解を招くような省略を行っておらず、実質的に正確で完全であること、
ならびに不正な方法や誤解を招く方法で表現していないこと
例: パブリッシャーによって提供されている個人情報またはお支払いの詳細が
実質的に不完全、不明瞭、不正確である。
パブリッシャーのウェブサイト(ads.txt ファイルなど)
またはアプリ(app-ads.txt ファイルなど)に関して提供されている情報が不正確である。
不完全または不正確な URL または AppID が広告リクエストに含まれている。
過去のブログサービスの事例
過去には(2017年10月12日時点) SeeSaa ブログで設置されている ads.txt を確認したところ、SeeSaa 側の運営者 ID は記述されていましたが、当然ユーザーの ID は記述されていませんでした。
2019年10月28日以降、SeeSaa ブログでは SeeSaa 側の ads.txt が設置されたことにより、
ご自身のサイト運営者 ID 等を登録しないと広告が表示されなくなります。
[マイブログ]>[設定]>[ads.txt設定]から設定を行ってください。
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2種類の ads.txt 警告文
ads.txt の警告の意味には現状で2種類あります。
まず一つ目は「ads.txt を設置していないサイトがあります」という意味。
2つ目が「ads.txt を設置しているけど正しく設置できていない」という意味です。
「ads.txt を設置していないサイトがあります」という意味
この意味の場合は、
「アドセンス広告を掲載しているサイトで ads.txt が設置されていないサイトがありますよ」
というお知らせなのですぐに対処する必要はありません。
もちろん ads.txt を設置しても構わないのですが、正しく設置しなければ広告配信が停止されてしまう可能性があるため、よく分からない場合や自信がなければ設置する必要はありません。
私のアカウントでも ads.txt を設置していないサイトに対して警告が表示されました。
adsenseやアドネットワーク広告しか掲載していないのならば(1事業者のみ)あっても無くても収益性は変わりません。
上記画面が表示されている場合は、
[ダウンロード]から自分の AdSense 運営者 ID が含まれた ads.txt がダウンロードできます。
このダウンロードしたファイルをサーバーにアップロードするだけで対応が可能です。
ただしアドセンス以外に広告ネットワークや SSP を使用されている場合は、
使用されている他の広告ネットワークの ads.txt 情報を記載しなければなりません。
またブログサービスを使用されており、
独自ドメインで運営されている場合であっても設置ができないところもあります。
ブログサービスのサブドメインで運営されている場合も設置は難しく、
Blogger もサブドメインで運営されている場合は設置ができません。
「ads.txt を設置しているけど正しく設置できていない」という意味
この場合は早急に対処が必要です。
ads.txt ファイルの警告が表示された場合の対処方法としては、サイト/ブログ運営者ご自身で ads.txt ファイルを設置していないにも関わらず警告が表示された場合は、
まずブログサービス等へお問い合わせください。
この状態を放置するとGoogleの広告システムからの入札が停止し代替広告(空白のスペース)が配信され収益性が著しく低下します。
もしご自身で ads.txt ファイルを設置されている場合、
正しく内容が記述できていない可能性が高いため記述内容をご確認ください。
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ads.txt の書き方や設置方法(Googleアドセンス/Adx限定)
Google アドセンス管理画面からダウンロードした ads.txt ファイルを設置すれば問題ありませんが、ダウンロードできない場合や他のアドネットワークの情報も追記したい場合などは下記 ads.txt の書き方を
参考にしてみてください。
書き方にはルールがあり、記載しなければいけない必須の情報が3種類あり、
状況に応じて記載する情報が1種類あります。
まずメモ帳などで「ads.txt」のファイル名でテキストファイルを作成してください。
そのテキストファイルに下記のように記載します。
広告配信システムのドメイン名, サイト運営者のアカウント ID, アカウントのタイプ, 認証機関の ID
必須項目が最初の3つで、最後の認証機関の ID が状況に応じて必要です。
認証機関の IDが必要になるとき
認証機関のIDは、広告システム事業者とads.txtの仕様策定している
国際的な広告団体IAB(Interactive Advertising Bureau)の取り決めによってことなります。
IAB加盟の広告事業者がIABによって認証機関の IDが発行されていれば記載が必要です。
無ければなしとなります。
決して任意項目ではありません。
これだけだと何なのか分からないですよね。アドセンスを使用している場合はズバリ下記のように記載すれば大丈夫です。
google.com, pub-0000000000000000, DIRECT, f08c47fec0942fa0
※「pub-0000000000000000」の部分は、ご自身のサイト運営者 ID を記載してください。
アカウントタイプは、その広告事業者へのアカウント登録の方法によって異なり
SSPなどの第三者パートナーやプラットフォームなど代理店を経由している(再販の場合)は、
「RESELLER」再販者となります。
反対に広告事業者に直接アカウントを作成して広告の掲載を行っている(直販の場合)は、
「DIRECT」直販になります。
SSPなどによってはRESELLERとDIRECT両方を記述するケースもあります。
各デマンドの指示に従っておきましょう。
サイト運営者 ID の確認方法はヘルプページをご覧ください。
※1行目のみで2行目はなくても問題ありません。
ads.txt は utf-8 で保存する
ads.txt の内容を記載して保存する際、文字コードを utf-8 の形式で保存する必要があります。
それ以外の文字コードの場合だと後述するチェックツールで
“ISO-8859-1” は誤った文字コードです。utf-8で作成してください。
というエラーが表示されてしまいます。
utf-8 形式でも BOM にチェックを入れない(BOM なし)にしなければなりません。テキストツールによっては「UTF-8N」と表示されているものを選択しましょう。
※これでもチェックツールで同様のエラーが表示された場合は、
「.htaccess」ファイル内に下記のコードを追加してみてください。
<Files ads.txt> AddType "text/plain; charset=utf-8" .txt </Files>
※ ads.txt の記載内容が正しければ上記エラーが表示されていても、
AdSense 側では問題なく処理され警告が表示されることはありません。
ads.txt ファイルをアップロードする
上記のように記載して保存したら、Web サイトのルートドメインに ads.txt ファイルをアップロードしてください。例えば https://example.com/ という Web サイトを運営していた場合は、https://example.com/ads.txt となるようにサーバーにアップします。
ただし、無料ブログサービス等を利用していてルートドメイン上にファイルをアップできないと ads.txt ファイルも設置できません。ブログサービス側が対応しなければならないのが現状です。
またアドセンス以外の広告ネットワークを使用している場合は、各広告ネットワークに設置方法を確認して記載をしてください。
注目されている ads.txt ですが、まだ大手のサイトでも導入しているところは少ないです。アドセンスでも他の広告ネットワークでも推奨されているところが多くなってきていますが、ads.txt は正しく設定・設置しないと収益が下がる等のマイナス面も持っています。
現状では設置していなくても問題はありませんので、ads.txt について十分理解できていない場合や設置方法について不安がある場合は設置しなくても良いと思います。
正しく記載できているかチェックするツール
本当に正しく記載できているか不安になると思いますが、
問題がないかチェックしてくれる無料ツールがあります。
下記のサイトで検索ボックスに ads.txt を設置したドメインを入力するだけでチェックしてくれます。

ぜひ設置後に確認してみてください!
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警告が消えるまでの時間
ads.txt を設置しない場合でも、正しく ads.txt を設置した場合でも、アドセンスのクローラーが読みに行き処理されるまでに48時間ほどかかります。場合によってはそれ以上かかるので、警告が消えるまで気長にお待ちください。
Adsense上の画面でクロールを再リクエスト
基本ads.txtは広告システムのクローラーが再クロールを行い各事業者やシステム内に反映させるのに
48時間~72時間(DNSの伝播・浸透と共通認識)かかります。
手動で再クロールを行うことも可能です。

サイト管理から掲載承認が出ているサイトのURLをクリックしそこで「ads.txtが検出されました。」
を展開して更新を確認をクリックすることで再クロールをリクエストで来ます。
再クロールを行っても反映には48時間~72時間要する場合があります。
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アドセンスにおける ads.txt のポイント
まとめると下記のようになります。
- ads.txt の設置は状況による。
- 2以上の広告事業者と取引をする場合に必須となる
- 膨大な PV があるサイト以外、現状で ads.txt を設置してもしなくても収益性に影響はない。
- ads.txt を設置するのであれば正しく設置しなければならない。(不安であれば設置しない)
- もし ads.txt の設置が正しくできていない場合、該当サイトの広告配信が止まる可能性がある。(アカウント停止ではない)
- ブログサービスを使用している場合は運営会社へ問い合わせる。
- Adsense上の画面でクロールを再リクエストできる。
空き枠の広告を設置しているサイトの ads.txt
ファイルの必要性や書き方などより詳しい解説は下記をご覧ください。