陰謀論者(6)・人工地震
ここでは人工地震について取り上げたいと思います。
能登半島地震
2024年1月1日に能登半島でM7.6の地震が発生しました。
人工地震の証拠#人工地震
— ひで2022真実を追求 (@hide_Q_) January 2, 2024
pic.twitter.com/B5GMY1NTg3
例のごとく、この地震が発生した直後から人工地震だと主張する人がいました。
魚拓が必要なので
— そしじもはた (@oBphdIoAIiHjSAR) January 1, 2024
12月31日能登の変電所で3回の爆発音
住民は聞いている。
そのニュースが削除されている
おかしい。
🤔1984年は人工地震も新聞にあげてましたからね。
僕は人工地震を疑ってます。 pic.twitter.com/WQhx4uj8Z4
中には発生前日に変電所で3回の爆発音があったがそれらの記事が削除されていることから人工地震工作の隠蔽だと主張している人もいるみたいですが、これについては誤りであることが立証されています。
自然地震との違い
人工地震は人工的に起こされた地震のことで地中を探査する目的で使われることがあるが、砕石発破や地下核実験などの人為的な爆発によってもこういった地震は発生します。
「人工地震」がトレンド入りしていますが、今回の地震波形はどこからどう見ても「自然地震」です。
— 人が死なない防災 (@bosai_311) March 17, 2022
「初期微動が無いから人工地震」という主張が最も多いですが、過去の人工地震と比べても、くっきりと初期微動が確認できます。デマに振り回されないようにしましょう。#震度6強 #福島県 #宮城県 pic.twitter.com/CaMCIJNUI3
自然地震においては最初に小刻みな揺れ(初期微動)が来て次に大きな揺れ(主要動)が来るといった感じで震央から遠くなるほど初期微動継続時間が長くなる傾向があります。しかし、人工地震においてはいきなり大きな揺れが来るといった感じで震央から遠いところであっても初期微動継続時間がほとんどありません。
というのも、地震にはP波とS波の2種類の波があり、P波の方がS波よりも早く伝わる一方で、S波の方がP波よりも振幅が大きい性質があります。しかし、人工地震の場合、S波がP波よりも振幅が小さいだけでなく、P波の立ち上がりが急であるという特徴があり、そのことから人工地震であるかどうかは判別することができます。
ちなみに、能登半島地震の場合、震央から離れた場所でP波とS波がはっきりとしていることから自然地震といえます。
また、人工地震は自然地震に比べて規模が小さく、人工地震の中で規模の大きいものである地下核実験によるものでもM4~5程度にすぎません。ちなみに、最も大きかった人工地震は1971年11月6日にアムチトカ島(アメリカ・アラスカ州)で行われたカニキン実験という地下核実験によるものでこの実験によってM7.0の人工地震が発生しました。(参照)
M7を超える人工地震は起こせるか
能登半島地震と同じ規模の人工地震を引き起こすことはできるかというと今の技術では不可能と言わざるをえません。
前述の地下核実験では約5メガトンの核爆弾を用いましたが、その時に発生した人工地震の規模はM7.0でした。これは2010年1月12日(ハイチ時間)に発生したハイチ地震と同じ規模に過ぎません。ある地震に比べてマグニチュードが2上がると地震のエネルギーが1000倍になります。そのことから2011年3月11日に発生した東日本大震災(M9.0)と同じ規模の地震を人工的に起こすにはカニキン実験と同じ威力の核爆弾1000発分が必要で非現実的と言わざるをえません。ちなみに、ツァーリ・ボンバの場合、その威力は50メガトンと10倍の威力であるがそれでも100発分に相当します。
それに加えて、地震と同じ深さの穴を掘ること自体、今の人類の技術では不可能であります。というのも、人類が掘った深い穴がコラ半島(ロシア・ムルマンスク州)にあるけど、深さ12kmぐらいしか掘ることができませんでした。そのことから能登半島地震と同じ規模やそれを上回る規模の地震を人工的に起こすことは不可能といえます。
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