毎年2月に訪れる調子の悪い時期を抜けて、3月は割と安定していた。スマホから離れて集中力を上げるために、ずっとスマホの電源を落としていたこともあって、読書が捗ったと思う。合計18冊。再読は飛ばして、16冊ざっくり感想を書きます。
・小野不由美『魔性の子 十二国記』(新潮社)
数年悩んで漫画全巻ドットコムから十二国記シリーズをまとめ買いした。最近読んだ本の中でトップクラスに面白かった。余韻に浸っていた&この物語の続きではないのか……という気持ちが強すぎて、十二国記シリーズはまだ読み進めていない。とにかく高里という存在が好きなんだけど、ラストシーンの広瀬の叫びは胸にくるものがあって、広瀬がいたからこそこんなにも人間味のある仕上がりになっているのだろうな、と感じられた。
・斜線堂有紀『回樹』(早川書房)
SF耐性があまりないので表題作「回樹」を読んで、「骨刻」の途中まで読んで、読んでいたことを忘れて、また「回樹」から……ということを繰り返していた。死体を呑み込み、その死体だった人物への愛情を自らに転移させる「回樹」を描いた「回樹」「回祭」が好きだった。一番好きだったのは「回祭」。本当にどこまでもひとりぼっちな2人が出会ってしまったがゆえの悲劇、というのが胸に響いた。
・米澤穂信『夏季限定トロピカルパフェ事件』(東京創元社)
・米澤穂信『秋季限定栗きんとん事件(上)』(東京創元社)
・米澤穂信『秋季限定栗きんとん事件(下)』(東京創元社)
・米澤穂信『巴里マカロンの謎』(東京創元社)
4/30にシリーズ四部作の四作目が出るということで、〈小市民〉シリーズの既刊を一気に読んだ。個人的に一番好きなのは『秋季限定栗きんとん事件(下)』。
・岸政彦,雨宮まみ『愛と欲望の雑談』(ミシマ社)
岸政彦と雨宮まみの対談を記録した本。ところどころ私とは意見が合わない部分がありつつも(生涯を共にするパートナーはいるべきでしょ...