ラオスの子どもに絵本を届けたい 宮前の大学生・松田さん 書き損じはがきで支援活動

2023年1月25日 07時12分

ラオスへの絵本寄贈活動について話す松田さん=高津区で

 川崎市宮前区の東京外国語大三年の松田羽純(はずみ)さん(21)がラオスの子どもたちへ絵本を寄贈しようと、書き損じはがきを集めている。インターンシップ(就業体験)先のNPO法人の活動の一環。二月末までに九千枚を集めることを目標とし、ラオス各地の小・中学校の図書室にラオス語の絵本三千部を贈るという。(竹谷直子)
 松田さんは、マイナー言語を学ぶことで、知る機会が多くない国や文化に触れられると考え、大学でラオス語の専攻を決めた。「ラオスは経済的には貧しい国だけど、自然が多く自給自足の生活をするなど豊かさがある。優しい人も多い」。さらに理解を深めようと昨年八月、認定NPO法人「ラオスのこども」(東京都大田区)でインターンを始めた。
 同法人によると、ラオスでは小学一年生が二年生になるための試験に落第し、学校に行かなくなるケースがある。公共の図書館や本屋が少なく、本に親しむ機会が多くないことがその背景にあるという。「小学校で初めて文字に触れる子が多い。勉強についていけず、フェードアウトしてしまう」と松田さんは説明する。

NPO法人がラオスに設置した小学校図書室で1冊の本を読み合う子どもたち=2016年撮影(ラオスのこども提供)

 同法人では書き損じはがきを集めて換金し、現地に図書室をつくるなどの支援活動を続けてきた。今回は、地域にも開放されているラオスの小・中学校の図書室に、現地でも人気というラオス語の絵本「ドデカあたまのおばけ」を寄贈する企画を昨年九月に始めた。
 松田さんら大学生のインターン生二人が中心となって活動。交流サイト(SNS)で告知をしたり友人に呼びかけたりし、約百人からはがきが集まっているが、まだ目標には達していない。松田さんは「幼少期から少しでも文字に親しんでもらうことで、学習につながり、子どもたちが自分の将来について考えてもらえれば」と願う。
 書き損じはがきのほか、未使用切手も募集している。郵送先は、〒143 0025 東京都大田区南馬込六の二九の一二の三〇三 認定NPO法人ラオスのこどもへ。問い合わせは、同法人=電03(3755)1603=へ。

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