渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

しなやかな走り ~人が乗る物を人が作る~

2024年05月02日 | open

1990 SUZUKI RGV-Γ ② 2st.SOUND
No.34 Kevin Schwantz No.4 Kevin Magee




93年に世界チャンピオンになった
ケビン・シュワンツの1980年代
後半WGPデビューからの走りは
衝撃的だった。

それはフレディ・スペンサーが
もたらした衝撃以上のものがあ
った。フレディの再来などでは
ない。シュワンツはシュワンツ
独自のアグレッシブな乗り方を
全世界に披露した。
世界は湧いた。熱狂の坩堝と

化した。

(動画ナレーション)
「しなやかな走りと爆発する
パワーの融合。そのポテンシ
ャルは人によって
高められ、
人によってその全て
の力を出
し切る」

これなのだ。
今のMotoGPマシンにはこれが
無い。
全てコンピュータ任せの開発
とマシン。人間疎外。
乗るのは人なのだから、そんな
ボタンのかけちがえの開発で
作った二輪などは人間が乗れる
筈がない。

この動画の頃、日本の二輪メー
カーは間違いなく地球上でトッ
プだった。世界一。
その二輪の絶対王者は40年間
ほど続いた。
今はドべから数えて10番位を
右往左往している。
なぜか。
応えは明白だ。
元ヤマハワークスで開発ライダー
だった本間利彦氏が指摘するよう
に、「人が乗る事」を考えていな
い車作りを日本メーカーがするよ
うになったからだ。
開発ライダーは各メーカー全員
クビ。
そしてコンピュータデータのみ
に頼るマシン作りをし始めた。
乗るのはコンピュータではない
という最重要な点をすっ飛ばし
た。
大馬鹿丸出し。

最近、ヤマハが「これではいかん」
と気づいたのか(もう遅い)、
車体のシャシ含めて抜本的な構造
改革に着手した。
ヤマハワークスのクアルタラロが
「よい方向性だ」と言うも、タイ
ムアタックでは18位だ。
レースにはならない。
ただ、根本的な所を直さないと
どうしようもない、という事に
ようやくヤマハが10数年ぶりに
気づいたようだ。
問題はシャシとステムだ。

1960年代後半から2000年代初期
までは、ヤマハのみが圧倒的な
性能を持ちえた。
ホンダも頑張ったが、ハンドリン
グにおいてはヤマハが絶対的だ
った。
なぜか。
それは、開発ライダーがしっかり
とマシンを作ったからだ。
乗るのは人だ。
機械の数値だけを頼りにした車
を作っても乗るのは誰なのか?
という問題なのだ。
世界チャンピオンが乗っても毎回
転ぶような車が良い訳がない。
それなのに「なぜだろう?どう
してだろう?」と日本メーカーは
ここ十数年頭を抱えていた。
バカなのか?と。
開発方向、設計方向でバカな事
を導入して実行したから今があ
る。
現実は雄弁に真実を物語る。
私はこれを何度も言うが、それ
は人間社会の普遍的定理である
ので私は何度でも言う。
車は嘘をつかないのだ。

この動画の頃。今から34年も前
になる。シュワンツのゼッケン
と同じ数の前の時代。
ケビン・シュワンツも、ケビン・
マギーも伸び伸びと走っている。
そして、乗れている。
二輪車とはこうあるべきだ。

かつての四半世紀以上前のよう
に開発ライダーを育成せよ。
金谷、河崎、本間のラインで
ヤマハが地球の中で絶対王者の
位置を確立して、世界の二輪の
粋を牽引したように。
ホンダにもスズキにもカワサキ
にも頑張ってほしい。

自動車(二輪車や大型
貨物含む)
にはひとつの定理が
ある。
それは、「車は最新型が全てに
おい
て優れているという事実は
一切
存在しない」という事だ。
普通自動車(乗用車)も二輪も
最新型が最良型であるかのよう
なCMやキャンペーンで販売網
を構築しようとしている。
だが、それは虚像なのだ。
レースの世界でも全くそう。
例えば古い話だが、1985年製
の鉄フレーム最後のヤマハTZ
250よりも1983年製TZ250の
ほうが比較にならない程に完
成度が高かった。
85はリードバルブと電磁バルブ
によりパワーが上がっただけだ。
根幹の問題を抱えていた。
TZは86型になって激変するが。
その点、ホンダは着実に年度
を追うごとに「良く」なって
来ていた。

「新型車が全てにおいて高性能
で高品質のモデル」というのは
実は自動車業界においては全く
無い虚構であるのだ。
だが、一般的な自動車(原付から
大型四輪貨物まで)の製造メー
カーとは直接的に関与していな
い人たち=一般ユーザーは、メ
ーカー
のCMや販売促進宣伝に
洗脳される。
しかし、真実は最新型=最良で
はない。

最近ではその実例は、二輪の
カワサキにおいても新型車の
不具合発生とマシン開発の未
達部分が現出してしまっている。
「最新型=最良」という洗脳を
受けている人たちはよく見えて
いないのですぐには判断できな
いだろうが。


それでも、1980年代~1990年代
の日本のオートバイは、競技車
両含めて世界最高の性能と品質
だった。
今は違う。
現実はきちんと事実として受け
止めたい。
なぜならば、私は二輪乗りだか
らだ。
二輪乗りは、現実を直視できな
くなったら、爆弾かかえて道や
クローズドコースを走る危険な
存在でしかなくなる。
胴体に爆弾抱えて突撃!という
自爆テロと何ら変わらなくなる。
これ、大げさでなくホントだよ。
二輪乗りこそは、現実を直視し
て、きちんと真実を見抜いて
身の対処をしないとならない。
でないと、それをやらないと、
二輪運転者は単なる人間爆弾。

  







 

 


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