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会話

いちおうJASRACから印税をいただいている身でもありまして、JASRACの立場も日頃の主張も理解しています。ありがたいと思いつつ、著作権者を守ろうとするあまりに、ときには権威を振りかざすように見えることもあります(個人的な感想です)。  私は、AIに負けるようだったら音楽家をやめたらいい、と思っています。これはマンガ家やイラストレーターも同じで、AIに仕事を奪われるというのなら、AIには作れない作品を作るしかないと思います。  著作権は英語で書くとcopyrightですが、これは複製の権利です。音楽ではレコード~CD~ダウンロード~ストリーミングと販売メディアが変化してきましたが、サブスクの定着で音楽家の著作権収入は減ることになりました(売れるのは一部だけで、あとはテールエンド。これはマンガやアニメも同じ)。  その結果、音楽が向かった方向が「ライブへの回帰」です。いまマンガ家やイラストレーターの中に、展覧会やギャラリーでの個展を開く例が増えているかと思いますが、これも音楽の前例を見ていると頷けます。これらは「ホンモノを見る」という体験と関連グッズの物販がセットになっています。  ライブでも展覧会でも、前は禁止されていた写真や動画の撮影がOKになる例が増えています。その写真や動画がSNSで転載されることにより、同じ体験を求めて足を運んでくれる新規顧客が増えているからでしょう。  音楽の世界でライブの録音を自由にし、その結果、親衛隊のようなファンを増やしていったグレイトフルデッドというバンドがありました。最初は怪訝な目で見られたのですが、その後は、いまの「フリーミアム」という新しいビジネスモデルのさきがけとして、再評価されています。 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0 〈参考〉『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ Kindle版』(デイヴィッド ミーアマン スコット;ブライアン ハリガン (著), 渡辺 由佳里 (翻訳)、日経BP、2011) amazon.co.jp/dp/B00KBMMLTK/  いずれにせよサブスクの時代になって「花の印税生活」の実現は難しくなっています。AIだけでなく、そんなビジネスモデルのトレンド変化も見据えて、クリエイターも自ら変わっていく必要があるのではないでしょうか。
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