円高では、円で同じ値段でもドルに直すと価格が上がり、国内で製造するメリットを失います。結果、工場はどんどんと海外流出し、国内では雇用が喪失しました。外貨の稼ぎは日本円に直しても目減りしますから海外で再投資することになり、企業は潤っても日本国民はほとんど恩恵を受けませんでした。政府も利益を海外で再投資されてしまうと法人税が減収となり、メリットがあったのは一部に限られました。
トランプ氏はそれを危惧して「ドル安(=円高)」を志向しているわけですが、この発言、喜ぶべきは国内の大半のエコノミストや大企業経営者でしょう。このところの円安に「由々しき事態だ!」「国力低下だ!」などと口を開けば批判の嵐でした。岸田首相も含めて円安には否定的だったはずです。
であれば、トランプ氏の発言は大歓迎で、渡りに船でしょう。どうして、トランプ氏を批判するときは声高なのに、わが意を得たりの発言にはダンマリなんでしょうか?
円安で国力低下ということなら、トランプ氏就任で円高になれば、わが国の国力が飛躍的に向上するんですよね? それとも、いつものポジショントークですか?
■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。