好きになることを好きになろう。
突然家を追い出されて、暮らす場所を失った女性T様が熱海に来た。次に住む場所が見つかるまで、熱海の家を使わせて欲しいと。私は「大丈夫ですよー!」と返信をした。そして「良い流れキテマス!」と、軽めのコメントを付け加えた。T様は「笑ったら泣けて来ました」と言った。T様は、恋愛関係にない男性と同居をしていたのだが、男性のパワハラが日増しに強くなり、最近彼女ができた男性から突然キレられて、今にも殴りかからんばかりの勢いで家を出て行けと言われた。T様は警察を呼び、その日は漫画喫茶に避難をした。警察から「家に帰らない方がいい」と言われ、私に連絡をくれた。
熱海でT様と合流した。思っていたより顔色は良く、ただ、少しばかり気が立っているからなのか早口になっていた。当然だ。緊急事態になったら、交感神経が高まるのは自然な反応だ。明るく振る舞ったり、笑い話に変えたり、元気になろうとするよりも、今、一番必要なのは静寂だと思った。安心を感じることだと思った。薔薇とジャスミンと梔子の香りに包まれた現在の熱海は、天国に似ている。朝になると、無数の鳥たちの囀りが聞こえる。言葉ではなく、音や香りから安心を感じ取ることができる。秘密の場所から温泉を汲み取って、T様に足湯を提供した。緊張が続くと、自分が思う以上に体は冷える。体がほぐれた時、ようやく涙が出る。
女性は想像以上に傷ついている。男も同じだと思うが、今、傷ついている人が多いと思う。男に対する幻滅や不信は、生きる力を奪う。体の一部に穴が空いて、どれだけエネルギーを注いでも、そこから力が漏れてしまう。男(女)を信じることを抜きに、自分を信じることはできない。幻滅や不信を抱いたままでは、自分を好きになることができない。犬や猫を飼う。可愛さが毎日更新される感覚は限りなく幸せだが、自分に対して「可愛さが毎日更新される」感覚を抱くことができない。どれだけ動物を愛しても、人間を嫌いなままでは穴が塞がることはない。世界に対する不信が邪魔をして、自分を好きになり切ることができない。人間関係でできた傷は、人間関係でしか治すことはできない。
女を甘やかしたら調子に乗ってつけあがるだけだと言う男もいるが、違うと思う。甘やかすことと、大事にすることは別物だ。大事にすることは、何をしても許すということではない。叱る時は叱る。その時は、心を込めて叱る。それが愛だと思う。パワハラを行う人間は、相手のためと言いながら、実際は自分が甘えている。自分の甘えに無自覚なのは、自分が、自分を憎んでいるからだ。彼にもまた、彼の傷がある。傷から自由になるためには、愛することだ。不完全さを許し、受け入れて、愛することだ。人を嫌いになることではなく、人を好きになることを好きになることだ。調子に乗ってつけあがっていたのは、他の誰でもない、自分自身だ。大事にされるという感覚に触れた時、人は、頼まれなくとも謙虚になる。力で押さえつけるのは、不信に負けているからだ。不信に支配されている限り、人と繋がることはできなくなる。
男は女への愛を忘れてはならないし、女は自分への愛を忘れてはならない。綺麗事で言っているのではなく、女は、土壌だ。土壌を傷つけたら、花も作物も育たない。鳥も獣も死滅する。誰かのことを「人として好き」と言う気持ちはわかるが、心を開かないようにセーブしているように見える。本気で人を愛することは、命を賭けることに似ている。自分のすべてをさらけ出し、自分が壊れるリスクに身を投じる。自分がダメになってしまいそうな瞬間は怖いが、壊れても、壊れても、何度でも、何度でも、自分は何度でも立ち上がることを知っている。そのことが、自分に対する信頼になるのだと思う。私は何度でも立ち上がる。私は何度でも立ち上がることを知っている。命を賭けた愛だけが、世界の不信を吹き飛ばす。T様に家を譲って、家主の私は家を出る。これから東京に行くが、寝る場所はない。誰か、私を泊めてください。
坂爪圭吾様
先日は○○までお越しいただき、ありがとうございました!職場で面白い生態をもつ鳥のことを教わったのでお手紙しました。それは北米のノドジロシトドという鳥です。この鳥には2つのタイプがいます。1つは、歌は下手だけど、一途で熱心にヒナのえさを運ぶタイプ、もう1つはろくにえさをとってこないけれど、歌がうまくて多数の異性と交尾しようとするタイプです。なぜかオス・メスを問わず違うタイプ間でしかうまくいかないため、結果として常に一夫多妻または一妻多夫になるそうです。
これを聞いて、「こういうもめ事が絶えなそうな鳥には、絶対生まれたくない」と眉をひそめる同僚もいました。「ハーレムずるい不公平⇨もめる」と考える人間は多いみたいですが、私はなぜか逆もまた真だと感じました。もし、歌の上手な鳥が、「心を入れ替えて1羽だけに愛を誓う」などと言い出したら、私はどんな立場であれ、殺意を込めて言うと思います。
「歌うしかないお前は相手を選べる立場にない。全員愛したまま歌い続けて、全員愛したまま死ね」
鳥さんの生き様を心に刻みましょう。次は私も女性として抱き合ってほしいです!夏になったら!ぜひご検討ください♪
おおまかな予定
5月1日(水)東京都渋谷区界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
バッチ来い人類!うおおおおお〜!
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