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シュライアー本は、もちろんヘイト扇動の本と言えるだろうけど、根本的にはトンデモ医療本であり、トンデモ医療を通じてトランスの生を困難にする構図になっているあたりが、あんまり広く共有されていない気がする。(私もばかばかしくて、反ワクチン本をわざわざ読まないというのと同じ理由でちゃんと読んではいないのだけれど、レビュー等は読んでいる)

トランスは医療のサポートを必要とするひとが多く、かつその必要となる医療についての情報が行き渡っていなくていまも十分なサポートが得られていないというマイノリティ集団だから、見るからにありありと扇動的な調子の本でなくても、本当は必要な医療サポートを淡々と間違った根拠のもとで否定的に語るだけで、十分に不利益をもたらし、存在を否定することができる。

「私はトランス差別に反対しますが、読んでみてもこれはヘイト本だとは思いませんでした」みたいなひとは、たぶんシュライアー本のトンデモ医療的側面を(そして、トランスの生への医療の関わりを)理解できていないのではないかと思います。

きちんとした専門的な知識を備えて医療に当たってくれるひとがそもそも少ない(診療拒否とかカジュアルに受ける)集団なので、親とか教師とか普段診てもらっている医師とかが誤情報に惑わされるリスクは多くのトンデモ医療系ジャンルに比べてたぶんもともと高くて、そんな状況でああいう本が好意的な(ないし少なくとも否定的でない)仕方で紹介されることが、トランスユースにとってどういう意味を持ちうるか、みたいな話をすべきだろうに、なぜか医療や健康ではなく(純粋に)思想や言論の話にされてしまう。

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