体験版「二人の女死刑囚が牢で出会い愛し合い鮮血とともに散る物語」

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【内容紹介】

厳罰化が進み、人を死なせた人は原則として死刑に処される時代に。
ちょっとした万引きのつもりが強盗殺人犯になった春菜。
飲酒運転で死亡事故を起こした岬。
二人は同じ日に死刑判決を受け、同じ牢に収容され、最期の夜に激しく愛し合います。
そして、ともに処刑室へ連れて行かれ、首を刎ねられ鮮血を飛び散らせ罪を償う姿を描いたリョナ系官能小説です


【キーワード】
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1話 女子大生に死刑判決

「主文、秋本春菜を強盗殺人の罪で死刑に処す」

刑務所へ向かう車の中で、裁判長の言葉が頭の中で何度も繰り返されます。

(ほんの出来心だったのに・・・)

わずか19歳で死刑になることが決まった私は、両手に手錠をかけられ震えています。
隣には無表情な男性警官が私を監視しています。
私の人生の終焉の地となる東京中央刑務所へ車は走ります。

殺人・・・
そんな罪を犯すつもりはまったくありませんでした。
私がやった犯罪は万引きです。
大学帰りにスーパーでほんの100円や200円のガムやチョコをポケットに入れてはこっそりと出る。
そんなことを繰り返していました。
お小遣いが足りなかったわけではありません。
スリルが快感だったのです。
試験勉強で疲れていた私にとって数少ないストレス発散でした。

いつの間にか、私は店員にマークされていたようです。
缶ジュースをこっそりとバッグに入れて店を出た私は店員に呼び止められました。
「すみません、事務所までお願いします」

見つかったと思い焦る私。
走りだそうとすると店員に腕を掴まれました。
捕まったら大学は退学。
親に何て言われるか。

私は店員から逃れようと必死で手を振り払いました。
店員の手から離れ逃げだそうとしたら
ゴンッ! キュュュュュ!
振り向くと、トラックにはねられ血まみれの店員がいました。

立ちつくす私は駆けつけた警官に逮捕されました。
罪状は強盗殺人。
裁判はわずか1日の審理で終わり、死刑を言い渡されました。

車は東京中央刑務所に着きます。
私は手錠をかけられたまま看守に腕を掴まれ車から引きずり出されます。

ここには関東地方で罪を犯した死刑囚が集められ、毎日死刑が執行されているとテレビで見たことがあります。
敷地内の煙突から白い煙が出ています。
死刑囚が火葬される煙です。

看守や警官に囲まれたまま、私は刑務所へ入ります。


2話 牢での出会い

刑務所に入るとまず囚人服に着替えさせられます。
「586番、秋本春菜。刑の執行までここでおとなしくするように」
看守は淡々と私に命じます。

囚人服の胸のところには「586」の番号が縫いつけられています。
そして、また手錠をかけられ腕を掴まれ廊下を進みます。
廊下の両側に牢が並んでいて、囚人たちが座っていたり本を読んだりしています。

「ここだ」
放り込まれるように牢に入れられます。
そこには女性が一人座っていました。
私と同じ囚人服を来た女性が。

「よろしくね」
微笑みながら私に語りかけてくれます。

「よ、よろしくお願いします」
初めて見る刑務所の中の様子に戸惑い、突きつけられた死刑という言葉に怯える私と違い、その女性は落ちついた様子でした。

(ここに長くいるのでしょうか)

私も牢の隅に座り何分か無言が続いていると、廊下の先から女の叫び声が聞こえます。

「やめて! お願いします! もう二度としませんから・・・」

看守は容赦なくその女囚人の腕を引き、私たちの牢の前を通ります。
女囚人の胸には「573」の数字が縫いつけられています。

女囚人は抵抗するのを諦めたのか、力なく腕を引かれ、廊下の先に消えていきます。

「あれ、何でしょうか」
隣に座る女性に声をかけると、
「執行よ。ああやって連れて行かれるの」
「執行って・・・」
「死刑執行。この刑務所にいる囚人は全員死刑囚よ」
「全員って・・・ じゃあ、あなたも?」
「えぇ。私も今日、死刑判決を受けてここに来たの」

(この人も私と同じ死刑囚。しかも、同じ日に死刑判決を受けてこの牢に)
意外な答えに驚きながら、

「遠藤岬。殺人犯よ」


3話 お互いの罪

「遠藤岬。殺人犯よ」

衝撃的な自己紹介に驚く私。
でも、ここは刑務所。
しかも、死刑囚が集められる東京中央刑務所。
よく考えれば当たり前の話なのでしょう。
それに、私の罪名も同じです。

「秋本春菜です。私も殺人罪で・・・」

殺すつもりなんてまったく無かったのに、と弁解する前に岬さんは
「事故かしら」
「はい。いや、えっと、わざと殺したわけじゃなくて・・・」
「やっぱり。殺しをするように見えなかったから」

(優しそうな人)
岬さんになら私の気持ちを分かってもらえそうな気がして、
「私、万引きしたんです。試験勉強とかつらくて。いけないことって分かっていてもドキドキして」

岬さんは優しい表情で私の話を聞いてくれます。

「何度もやりました。成功すると気持ちよくて。でも、ついに見つかったんです。店員に捕まりそうになって、必死に逃げようと暴れて・・・」
思い出すと涙が溢れてきます。
「気がついたら店員さん、トラックにはねられて死んでいました。わたし、強盗殺人罪って言われて・・・ 裁判で死刑になりました」

「そう・・・」
岬さんは肩が触れ合うくらいに近くに座ります。
「試験勉強がつらいって言ったわね。じゃあ、高校生?」
「いえ、大学1年です。19歳です。」

未成年であれば刑は考慮されたかもしれないが、19歳は立派な成人。
大人と同じように裁かれます。

「そっかぁ。まだ19なのにね」
気の毒そうに私の話を聞いてくれますが、岬さんも私と同じ死刑囚。
どのような罪で死刑になったのか気になって、

「岬さんは、どんな罪で・・・?」
「殺人よ。人を殺したの」
「わざと、ですか」
「飲酒運転で事故を起こしたの」
「事故・・・」
「飲み会の帰りに運転代行が見つからなくてね。家まで車で帰ったの。家までもうすぐって所で散歩中のおばあさんをはねてしまって」
「その人は・・・」
「病院に運ばれて、そのまま亡くなったわ」

(亡くなったおばあさんは可哀想だけど、それで死刑だなんて)
「そんなぁ 岬さんは殺人なんかじゃ」
「いいえ、私は人殺し」

岬さんの表情は落ちついています。
覚悟できているのでしょうか。
あるいは、諦めたような顔にも見えます。

「罪は償わないといけないわ」

岬さんは一瞬だけ悲痛な顔を見せただけで、微笑みの顔に戻ります。


4話 迫る死

看守の靴音がコツコツと廊下に響きます。
それ以外の物音はピタリと止み、緊張感が伝わります。

女看守は私たちの牢の前を通り過ぎ、ガチャリと鍵が開く音がします。
「574番、575番、出なさい」
二人の囚人は手錠を鎖でつながれ、ジャラジャラと音を立てながら看守に腕を引かれ私たちの牢の前を歩いていきます。
「グズンッ・・・ グズンッ・・・」
一人は涙を流しながら、もう一人は暗い表情でうつむきながら、重たい足取りで廊下の先へ。

「あの人たちも死刑・・・なんですね」
おそるおそる岬さんに尋ねます。

「そうよ」
岬さんはそっと手を合わせて見送ります。

「私もいつか、あんなふうに・・・」
看守に連れて行かれる自分を想像します。

「たぶん、3日後ね」
「えっ?」

岬さんの言葉の意味が分からず、
「3日後って、どういうことですか」
「私たちの死刑執行よ」
「そんなにすぐ、なんですか」

夕日が射し込む小窓を岬さんは見ます。
「今日の執行はさっきの2人で終わりと思うわ。574番、575番。明日は576番から579番まで。一日の執行は基本的に4人なの。火葬炉は一つだけだから。執行は囚人番号の順。明後日は580番から583番。次の日は584番と・・・」

岬さんは自らの胸のところに縫いつけられた囚人番号「585」を指さし、
「585番、そして586番・・・」

私はもう一度、自分の囚人番号を確認します。
胸には「586」の数字が縫いつけられています。
5話 執行の方法

死刑はまだ何年も先だと思っていました。
それが、自分の命があとわずか3日だなんて。

私は震える声で
「岬さん、詳しいんですね」
「そうね。私、ここに5年いたから」
「えっ、でも岬さんも今日、死刑判決を受けたって・・・」
「事故を起こすまではここの看守だったの」
「岬さんが・・・ 看守・・・」

私を囚人服に着替えさせたり死刑囚を連れて行った看守を思い出します。
もし事故が無ければ、あの看守は岬さんになったのでしょうか。
そして、私を連れて行き死刑に処す岬さんを想像します。

「岬さんもやったことあるんですか」
「なにを?」
「そのぉ・・・ 死刑の仕事を・・・」
「あるわよ。何度も」

何でもないことのように言う岬さん。

「今は斬首によって執行するの」
その言葉に私は青ざめます。

岬さんは寂しげな表情で、
「首を斬ると血がいっぱい出るわ。その血が罪を洗い流すの。それが償い・・・」


6話 初めての夜

また看守の靴音が廊下に響きます。
私はビクッっと身体が震え緊張すると、
「大丈夫よ、もう今日の執行は終わったわ。きっと夕食を配りに来たのよ」

看守は各牢の差出口に食事を入れます。
私たちの牢にも2人分の夕食が配られました。

3日後に死ぬと思うと食欲が出ません。
ゆっくり箸を動かし数粒のご飯を口に運ぶだけです。
でも、岬さんは普通に食事し、食器は空になりました。

(何度も処刑の仕事をすると怖くなくなるのかな)

消灯時間を迎え、岬さんが布団を敷いてくれます。
布団は各牢に一つ。
二人は同じ布団に入ります。

「おやすみなさい」

30分くらいで岬さんのスヤスヤ寝息が聞こえてきます。
私は3日後のことを思うと眠ることができません。

岬さんの様子から恐怖は感じられません。
淡々と残されたわずかな日を過ごしています。
罪を償う覚悟ができた人はこのように振る舞うのでしょうか。


7話 覚悟

翌日、ほとんど眠れないまま朝を迎えました。
さすがにお腹が減ったので朝食は食べる私。

「春菜さん、あまり眠れなかったようね」
岬さんは私の顔を見つめます。

「はい・・・ 岬さんはもう覚悟ができているんですか」
「覚悟?」
「死ぬ覚悟です。死刑になって罪を償う覚悟」
「そうね」
岬さんはどこか遠くを見るように、
「私は看守として何十人もの罪人の首を斬り落としたわ。死刑は一瞬。痛みはないわ」

しかし、岬さんの唇はわずかに震えています。
「斬首台に首を委ねれば一瞬で終わるの。ここの看守は優秀よ。じっとしていればしくじることは無いわ」
まるで自分に言い聞かせるように、
「痛みを感じる前に死ねるわ。それで罪を償うの。すべてが終わるの・・・」

岬さんの瞳が潤んでいます。
何と声をかけようか迷っていると看守の靴音が聞こえてきます。
少しずつ大きくなる靴音。
私たちの牢の手前で立ち止まったようで、ガチャリと鍵が開く音がします。
「576番、出なさい」
「嫌っ! 死にたくない! お願い助けて!!」
女死刑囚の悲鳴が響きます。
それでも看守の手で無理矢理連れて行かれていく様子が聞こえます。
「あぁっぁ まだ死にたくない お願い! いっぱい反省してるから!」
最期の叫びは廊下の奥へ消えていきます。

たぶん、さっきの死刑囚は私と同じくらいの歳の子です。
声を聞いてそう感じます。

何の罪を犯したのでしょう。
死刑になるということは、誰かを死なせてしまったのでしょう。
岬さんも悲痛な表情を浮かべながら叫び声を聞いています。

牢の中で私たちはじっと過ごしています。
数時間後、577番と578番が私たちの牢の前を看守の後について歩いていきます。
二人とも顔をこわばらせ、覚悟を決めたような姿でした。

579番は中年の女性です。
私の母と同じくらいの歳に見えます。
観念したのか、静かに涙を流しながら看守に腕を引かれます。


8話 見送る日々

刑務所に収容されて2日目の夜は前日の寝不足からかすぐに眠れました。

隣で寝ていた岬さんも起きて、
「おはようございます」
「おはよう、春菜さん」

岬さんの表情は昨日より固いです。
看守としてではなく、死刑囚として死にゆく者の姿を何人も見て、死の実感が湧いたのでしょうか。
看守が配膳台を押して朝食を配ります。
差出口に置かれた朝食を二人はゆっくりと口に運びます。

そして、今日も償いの日を迎えた罪人たちが連れて行かれます。
580番は30歳くらいの女性。
ふらつく足で看守に支えられながら死への道を進みます。

581番と582番は若い女性です。
互いに「ごめんなさい、わたしのせいで」「いいえ、悪いのは私よ」などと言いながら処刑場に臨みます。
きっと友達同士だったのでしょう。

昼食の後、583番は抵抗しながら引きずられていきます。
そこに必死さはありません。
きっと自ら刑を受け入れるのが怖いのでしょう。

私と岬さんは目の前の死刑囚に手を合わて見送ります。
連れて行かれる死刑囚の胸の番号と自分の番号を見比べながら。

窓から見える空は暗くなり、夕食が差し出されます。

「明日、ですね」
ささやくような小声で語りかける私。
明日の朝には584番が連れて行かれるでしょう。
その次は585番の岬さん、そして586番の私。

「えぇ」
岬さんはゆっくりと箸を動かしながら、
「この生活も明日で終わり」

刑務所での生活は明日で終わり。
つまり、私の命も明日で終わります。
岬さんの命も。

「わたし、ちゃんと罪を償えるかな」
死ぬならせめて立派に罪を償って死にたいです。
無理矢理連れて行かれて首を落とされるのではなく、覚悟を決めて首を・・・ 命を差し出したいです。
それが人を殺してしまった償いだと思います。

「そうね、私も元看守として恥ずかしくない死に方をしないとね」


9話 最期の夜

消灯時間になり、布団を敷いて二人は横になります。
女同士とはいえ一つの布団に赤の他人と寝ることに最初は抵抗がありましたが、今では岬さんの隣で寝れてよかったと思います。
もし一人だけの牢だったらどんなに怖かったことか。

昨日までは岬さんに背を向けて寝ていた私ですが、今夜はお互いに向き合っています。

明日のことを考えます。
看守が来たらおとなしく両手を差し出そうと。
そして、自分の足でしっかり歩こうと。
処刑場まで。

二人一緒に連れて行かれた死刑囚を思い出します。
私も岬さんと一緒に連れていかれるのかな。

岬さんの囚人服の胸には囚人番号「585」が縫いつけられています。
私の胸には「586」が。

静かに目を閉じている岬さんをじっと見つめます。
この白い首が斬られて、死ぬ。
私はその姿を見ることになるのでしょうか。
そして私の首も。

想像すると怖くてで息が荒くなります。
(こんなこと考えるのやめよう。私も早く寝よう)
ぎゅっと目を閉じると、
「春菜さん、眠れないのね」
「ごめんなさい、起こしてしまいましたか」
「いいえ、私も眠れなかったの」

暗い牢の中でよく見えないけど、岬さんは優しく私を見つめているような気がします。

「明日のことを考えてました」
自分がどんな最期を迎えるか。
そのことで頭がいっぱいです。

看守だった岬さんなら知っていると思い、
「首って、どうやって斬るのですか。刀ですか」
時代劇で見た打ち首のシーンを想像していましたが、
「私たちの罪なら斧よ。丸太の斬首台に首を乗せて」
「本当に痛くないのですか。斬られても意識はすぐには・・・」
「そうね」
岬さんは少し考えて、
「斬首刑は一瞬で意識を失うって言われているけど、何秒かは生きているかも。声は出せないけど、何か言おうとしている人はいたわ。口が痙攣しているだけって言う人もいるけど、目を見るとそうじゃない気がするの」

何秒かはすっごく痛いのかな。
そう思っていると「私たちの罪なら」って言葉が気になって、
「罪によって斬り方は変わるのですか」
「悪質な犯罪者はナイフで斬ることもあるわ。大きな苦痛を受けることも刑だとされているの」
「ナイフ・・・ 時間かかりそうですね」
「えぇ、下手な看守がやると10分かかることもあるわ」

10分も痛みに耐えないといけないなんて。
恐ろしい刑に震えていると、
「私なら1分でできるわ」
「岬さんもやったことあるんですか。ナイフで」
「何度かあるわ。連続殺人とか保険金殺人とか」
そう言いながら私の顔に岬さんの手が伸び、耳の下を指で撫でます。
「ここが頸動脈。ここを一気に切り裂くの。血がいっぱい出るわ」

首筋を触れられながらごくりと唾を飲む私。
「痛そうですね」
「えぇ、とっても痛がるわ。それでも心を鬼にして斬るの。余計な苦しみを与えないことが私の役目。そう自分に言い聞かせながら」

震える私を岬さんはぎゅっと抱きしめます。
「あぁっ」
「大丈夫よ、斧での斬首は一瞬。すぐに楽になるから」

グズンッ・・・ グズンッ・・・
一瞬ですぐに楽になる。
岬さんは私を安心させようと言ってくれているのは分かっています。
何分も時間をかけて首を斬られる残酷な刑に比べれば自分の刑はまだ軽いということも。
これが私の償いだということも。
でも、斧で首を斬り落とされて血を噴き出しながら死ぬ自分を想像すると怖くて震えて涙が止まらないです。

「春菜さん、私、看守の時はこうやって死刑囚の心を落ち着けさせていたわ」
「岬さん・・・」
どういう意味か分からずにいると岬さんの顔は近づいてきて、唇に
ちゅぅぅ
柔らかい感触にゾクっとします。

「岬さんっ、なにを?」
「せめて最期に気持ちいいことすればこの世への未練も軽くなるかなって」

ちゅぅ ちゅぅぅ ちゅぅぅちゅくちゅく

激しいキスに抵抗することも忘れ、されるがままの私。
岬さんの舌はほっぺを這い首筋へ。
ぺろっ ぺろぺろ
「あぁんっ んんっ」
ゾクゾク身体が震えます。


10話 岬さんはささやきます 
「死、それは償い、それは赦し」

岬さんの舌がぺろぺろと首筋を舐めまわします。
「あぅぅ んっ んっ」
喘ぎ声が見回りの看守に届かないよう口を押さえ、
「だめですっ。岬さん。んんっ・・・ 声が出ちゃいます」

そんな私の言葉を無視し、岬さんはうなじを舐めながら、
「ここを斬られるの」
舌の動きは骨の位置を確認するかのように念入りにぺろぺろ。

「はぁ・・・はぁはぁ・・・」
どうしてでしょう。
恋人でもない人にこんなことされて気持ち悪いのは最初の一瞬だけでした。
どうしてでしょう。
首を斬られるなんて言われて、それが待ち遠しく思うのは。

今の私は岬さんの舌の艶めかしい感触に意識を集中させています。

舌は右の耳たぶをぺろぺろ・・・ ぱくっ
「んんっ」
こんな優しい愛撫は初めてです。
元カレとの経験はありますが、まったく違います。

今度は耳たぶの裏を舌は這い、右耳の下のさっき指で触れられた頸動脈のところをぺろぺろされます。
「あぁ はぁぁんっ」
「感じるわ。春菜ちゃんの命の音」

自分でも心臓がバクバクしているのが分かります。
「この頸動脈はね、心臓から脳へ血を送る大事な血管なの」
「は、はい・・・」
「左にもあるわ」

岬さんに仰向けに寝かされ、左耳の下に
ちゅぅ ぺろぺろ

「斧は一瞬で頸椎を断ち切り、頸動脈と気道、食道を切り裂くの。首は身体から離れ血が噴水のように噴き出すわ」

その言葉は恐怖そのもののはずなのに、耳元でささやく岬さんの言葉になぜかうっとりしています。

岬さんの手は囚人服のボタンを一つまた一つ外します。
舌は肩から胸へ、
「脳は数秒で機能を停止するわ。でもね、身体はすぐには死なないの」

左の乳房を登るように舌は這い、乳首をぺろっ
「あぁんっ」
「首を落とされても心臓はしばらく動き続けるわ。鼓動のたびに斬られた首から血がぴゅくぴゅくと溢れ出るの。もう脳に届くことはないのにね」

岬さんは顔を左胸に押し当てます。
心音を聞くように。

「じゃあ、血がいっぱい出るんですね」
「えぇ、身体じゅうの血が流れ出て、まるで真っ赤なバラが咲くよう床に広がるの。その血で罪は洗い流されるわ」
「私の罪・・・ 許してもらえるんですか」
「やがてあなたの心臓は鼓動を終えるわ。それが死。それが償い。罪を償った人を神様は赦してくれるわ。そして天国に迎えられるの」
「はい・・・」

明日の斬首刑がなんだか甘美なものに感じられます。
(そっかぁ。こうやって罪人に死刑を受け入れさせるのですね)
言いくるめられたような気もするけど、でも岬さんにならすべてを委ねてもいいような気がします。
身体も。
命も。


11話 最期の快楽

「しっかり罪を償うために血がいっぱい出る方法教えてあげる」
「えっ・・・」
肩を撫でていた岬さんの手は背中から腰へ、お尻へ。
「あぁ・・・」
ズボン越しに股間をスリスリ撫で、
「んんっ」
喘ぎ声を我慢する私。

「春菜さん、もう湿ってるね」
「な、なにをするんですか」
「こうすると血圧上がるの」

岬さんの手がズボンの中に入ってきます。
パンツの中にまで。
「うぅぅだめぇ」
ぬるぬるの茂みを撫でられ、初めて自分が濡れていることに気づきます。
「あぁ はぁはぁ」

逮捕されてから1ヶ月くらい自分で触れることもできなかった場所に岬さんの指は容赦なく伸びてきます。
茂みから突起へ。
「ひゃんんっぐぅぅ」
私は声を我慢するのに精一杯で抵抗できません。
されるがままに撫でられます。

指はくちゅくちゅ音をたてながら割れ目をなぞります。
私はじっと身体を震わせ、唇をぎゅっと閉じ
「んっ んんっ」
指の動きに意識を集中しています。

突然、岬さんの指は太ももで動きを止めます。
「えっ、どうして」
「これ以上すると声、我慢できないよね」
「うん・・・ でも・・・」

声を我慢できないことは自分でも分かっています。
でも、もっと・・・

期待する目で岬さんを見つめる私。
そんな私に岬さんは顔を近づけ・・・
ちゅぅぅ

柔らかい感触にうっとりして半開きになった口の中に岬さんは舌を伸ばし、
くちゅくちゅちゅるる

指はまた股間に近づいてきます。
気持ちいい突起をクチュリ・・・クチュリ・・・
「んんっ」
激しいキスで口をふさがれ声は出ません。
でも身体はピクピク震えています。

指はゆっくりと中へ。
やさしく撫で回しながら奥へ。
じんじん電気が走ります。

クチュ・・・ ピチュ・・・
水音だけがわずかに漏れます。