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「「神と呼ばれ、魔王と呼ばれても」」 作者:しまもん(なろう版)
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欲望

数時間後、魔法車は城壁にたどり着く。

たどり着いた城壁の脇には、魔法車が入るくらいの巨大なエレベーターが降ろされていた。


俺はなれた手つきで魔法車をエレベーターに乗せると、城壁の上にいる人々に合図を送る。

すると、エレベーターはスルスルと壁を上り始めた。


既に城壁の上には大勢の無能な連中が待機していた。

大半が教会関係者だったが、一部商人も混ざっている。

そして皆が俺に頭を垂れる。



(ふん、こいつらは俺が居ないと生きていけないクズどもだ。

頭を下げる程度では無く、いっそ毎回土下座でもしていろ。


・・・まあ、そんな事をされたら余計に時間がかかってしまうので、俺が困るか・・・)



そして商人や教会関係者達は魔法車に近寄り、積まれた品の確認を始める。


魔法車に積まれているのは商品だけではない。

手紙もあるし、教会関係の重要な書類も積まれている。


・・・そしてもちろん、俺の「大切な私物」も積まれているのだ。



商人や下級神官どもが積荷を確認している間、俺は城壁近くの応接室に通された。

そこで、この国の領主や、軍人、貴族、商人といった連中に世界の情勢を伝える。


(毎回毎回、辛気臭い顔をしたおっさん連中と話し合わなければならないとは・・・。

この時間が、一番嫌いだ)


そして苦痛の時間が終わると、俺は晴れて自由の身だ。


・・・といっても魔法車に商品や書類を積んだり、魔法車の巨大な魔石に魔力を補給するまでの間という時間制限つきではあるのだが・・・。


それでも3日程度はここに居られる。

その間、この国で俺に逆らえる奴は一人も居ない。



「さて、楽しませてもらおうか」




とりあえずお決まりのコースを進もう。


俺は豪華な魔法車に乗り込み、この立派な館に向かった。

この館が、この国で俺が住んでいる家だ。

もちろん、担当しているもう一つの国にも似たような館が存在している。


まあ、この家も、そしてもう一つの国にある家も別に俺が買ったわけじゃない。

加護者たる俺に、この国のクズどもが「寄進」して来たのだ。

よって俺の大事な大事な、命の如く大事な財布には全くダメージは無い。


巨大で豪華な門を魔法車がくぐり、館の入り口に到着すると、俺は車を飛び出し寝室に急いだ。

勢いよく寝室の扉を開けると、そこには美しい女達が整列している。


こいつらは娼婦などと言う下賤な連中ではない。

この国に住んでいる貴族や商人、権力者が用意した身元のはっきりした女達だ。


ああ・・・、いつもこの寝室の扉を開ける瞬間が楽しみで仕方ない。

こいつらは俺の子種が欲しくて欲しくて仕方ないのだ。


「加護者の子供を身ごもる」というのは女どもの夢らしい。

そんな糞みたいなのが夢と言うのは笑えるが、俺としては毎回楽しめるので大歓迎だ。


さて、どいつで楽しもうか?

こいつらにはどんな事をしても構わない。


娼婦ですら嫌がるような行為も嬉々としてやってのける。

全ては俺の子供を身ごもるために。

俺は気に入った数人をベッドに招き、旅の疲れを癒した。


くくく、「旅の疲れ」か、我ながら傑作だ。


俺が使っている魔法車は最新式だから、運転で疲れるような事は殆ど無い。

街道も難所という部分は全く無く、その殆どが直線だ。

俺は曲がり道になった時だけ、ハンドル操作をすればいいだけなのだ。


それも慣れたもので、「そろそろ曲がり道だな」というのが分かる様になっている。

それだって、精々数回ハンドル操作をすればお終いだ。


それ以外で俺は基本的に魔法車に備え付けられている俺専用の部屋で寝るか娯楽本でも読んでいる。

日が落ちれば魔法車を止めて、車両に用意してある個室で夕飯を食べて寝るだけだ。



だが、この瞬間はたまらん。

女の肉布団に包まれる瞬間はいつでも興奮する。


ベッド脇には次の女どもを立たせている。

こいつらの相手が終わったら、次はあいつらだ。

さて、こいつらの何人に「お情け」をくれてやろうか?

俺の「お情け」は・・・高いぞ?





翌朝、散々楽しんだ俺は寝室を出た。

もう一つの「お楽しみ」のため、しっかり朝食をとらないといけない。


俺の目の前には豪華な朝食が用意されている。

これはこの国で1、2を争う料理人どもが作った朝食だ。


もし俺が少しでも不味いと思う料理があれば、その料理人は職を追われる事になる。

そんな危険を冒しながらも、連中は加護者に食事を提供するという名誉を求めているのだ。

連中は己の料理が加護者の血肉となる事で、それが女神様にも伝わるのだと信じている。


噂では、俺が一言「美味い」と言っただけで、その料理を作った料理人は嬉しさのあまり気絶したらしい。


食事が終わったら風呂だ。


もちろん風呂場にも女どもが配置されている。

どいつもこいつも積極的に胸を当ててくるし、タオルなんぞ使わずに、手で俺の体を愛撫するかのように洗うのだ。

もし気に入った女が居れば、その場で押し倒す事もある。


今日は俺の「お情け」に適う女は居なかったが、まあ、明日になれば新しい女どもが補充されているだろう。

気にしなくても、国の中に居る間はずっと楽しめる。


風呂を出た俺は「大切な私物」が入った箱を魔法車に乗せ、館を発つ。


俺が乗る魔法車は大通りを進んでいく。

本来ならば、この時間帯の大通りは混雑の極みであり、ほとんど進む事も出来ない筈なのだ。

しかし、俺が国に居る間は俺専用の「加護者路」が存在し、俺だけはスイスイと進む事が出来る。


少しすると、目指すべき場所が見えてきた。

それは巨大な建物で、この国一番の大商会だ。


その入り口に車をつけると、既に入り口には制服を来た美人どもが整列していた。


俺は車に積んだ「私物」の入った箱を女どもに持たせ商会に入ると、豪華な作りの部屋に通される。

俺が部屋に入ると、大商人という風格の爺さんが土下座して向かえた。


(ふん、何が大商人だ。

こいつの頭は毛が少ないから靴の汚れ落としにも使えない)


俺はジジイの頭をグリグリと踏みつけながら、


「持って来てやったぞ」


と言う。

するとジジイは、


「ありがとうございます! 加護者様!!」


と大声を出すのだ。


(くくく・・・。

全く、この副業はいつまでたっても辞められない)


基本的に特別神官の私物は出入国時に行われる検査の対象外だ。

という事は、本来禁止されている「物」も、簡単に運ぶ事が出来る。


(もし、今回運んだ物の詳細が大神官様の耳にでも入ろうものなら、流石の俺でも罰せられてしまうだろう。

・・・だが、この小遣い稼ぎは、やめられん。


背徳感が、たまらなく気持ちいい)


俺は「私物」の入った箱をジジイに渡し、ジジイは俺に大金を渡す。

まあ、俺が金を払った事なんて一回も無いが、金は見ているだけで落ち着くのだ。


時折大金の山を女どもに見せると、女どもの目の色が豹変する。

それを見るのもまた一興だ。



俺が宝石店に入れば、そこの商人は店で一番高価な宝石を何とか渡そうとしてくる。

俺が暇つぶしに武器屋に入った時は、国中の武器屋が集まり、最後には国宝級の剣を渡そうとしてきたこともある。


どこの店に行っても、俺は特別待遇であり、俺に金を請求するアホは居ない。

どいつもこいつも、「うちの商品を加護者様が身につけている」という名誉が欲しいのだ。


もし加護者が商品を身につけ、一言でも「これは良い物だな」と言ったら、その店の将来は安泰だ。

国中から客が集まり、栄える事が約束されている。


俺は「使う事の無い大金」を車に乗せ、商会の女を一人選んで裸にしてから車に放り込み、館に到着するまでの間、暇つぶしに楽しんだ。

もちろん、「お情け」は口にしか出さなかったのだがな。

俺の「お情け」はそんな簡単に、ほいほいと与えられる様な安物ではないのだ。


四つん這いになり、犬そのまんまの姿となった女の顔は傑作だったな。

(ここまでしたのに、お情けが頂けないなんて・・・)という顔をしていたので、顔面を蹴り飛ばし、己の立場を教育してやった。


それから暫く、俺は魔法車の窓から町をボンヤリと眺める。

すると、俺の好みにドストライクな女が歩いているのを見つけた。


慌てた俺は魔法車を止めさせる。

そして必死に女を指差し、車の周囲に居る護衛の騎士達に


「あの女を館に連れて来い! 必ずだ! 逃がすな!!」


と命じる。

俺の命令を聞いた教会の騎士達は、


「承知しました!!」


と答えると、数人が人ごみに消えた女を追いかける。



(くくく・・・。

さて、今夜が楽しみだ・・・)


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