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旧高校校舎が新たな交流拠点に、農福連携も

リンゴカのオープンを祝いテープカットする平田町長(右から4人目)ら

 藤崎町の旧弘前実業高校藤崎校舎が23日、町の魅力を伝える「ふじさき産業文化交流施設 RINGOCA(リンゴカ)」に生まれ変わった。全国で唯一「りんご科」があった同校舎の建物やグラウンドなどを利活用した複合施設で、「ふじ」発祥の地といった歴史文化やスポーツを楽しめるほか、農業と福祉の機能も備えている。新たな観光交流拠点として、関係人口の創生をはじめ、産業育成や農福連携の促進が期待される。
 同校舎は少子化に伴う生徒数減少により、2019年3月に閉校。10年間公共または公共用で使用することを条件に、21年4月に県が町に無償譲渡した。その後、町が利活用プランを策定し、22年度から整備、改修工事に着手。総工費約4億円を掛けて、見て、触れて、体験できるミュージアムや農福連携の屋内ファームなどを備えた校舎、全面人工芝化した体育館、子どもたちが楽しめる屋外トランポリン「ふわふわドーム」を設置した多目的グラウンドが完成した。
 校舎1階には、町や藤崎校舎の歴史文化を伝える年表、リンゴにまつわるクイズや受粉を助けるマメコバチの作業を体験するゲーム、リンゴ箱の中から顔を出すフォトスポットなど子どもから大人まで幅広い世代が楽しめる「リンゴカ・ミュージアム」と町内外の人が利用できる食品加工室を設けた。2、3階は指定管理者のNPO法人team.Step by step(弘前市、葛西優子理事長)が運営する障害福祉サービス事業所と屋内ファームを設置。町内や板柳町などから通う利用者10人と同法人の職員3人が、青森きくらげ、シイタケ、ナメコの菌床を栽培し出荷する。
 オープニングセレモニーには木村次郎衆院議員や桜田宏弘前市長、リンゴ産業の関係団体の代表ら約70人が出席。平田博幸町長が県の基幹産業であるリンゴ産業に特化した唯一の学科があった場所と強調した上で、「将来を担う子どもたちを中心に、多くの方に足を運んでもらいたい。さらに産業発展に寄与する施設として事業を展開していく」とあいさつした。町内保育園児たちが踊りなどを披露。平田町長らがテープカットすると同時にリンゴ型のバルーンが空高く舞い上がりオープンを祝った。
 初日の午後には町民らが足を運び、ミュージアムなどを楽しんだ。同町の小田桐春美さん(61)は「楽しそうなゲームもあるので、孫たちとまた来たい」と笑顔を見せ「観光客がいっぱい来てくれるといいな」と期待を寄せた。

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