80年代後半のハリウッド映画には、経済や金融を背景にした作品が多い。『ウォール街』(87年)『摩天楼はバラ色に』(87年)『ワーキング・ガール』(88年)等々。当時のアメリカといえば、長い不況を抜け出し、レバレッジド・バイアウト(LBO)によるM&A旋風が巻き起こっていた。その世相を反映するかのように、狂騒的なドラマやコメディが数多く製作されたように思える。 今回取り上げる映画『ガン・ホー』(86年)も、そんな同時代性を感じるコメディだ。 80年代の日米貿易摩擦は紛れもない「戦争」であった タイトルの「ガン・ホー」(Gung-Ho)とは、アメリカ海兵隊が使っていた掛け声であり、「ともに働け!」という意味の中国語に由来している。ここは皆で一致団結して、自動車づくりに励もうという訳だ。 本作を観ると、私たちは80年代の日米貿易摩擦が、紛れもない「戦争」であったという事実を思い知らされる。たしか