リニア開業の夢、「コンコルド効果」に陥っている?
JR東海がリニア中央新幹線を2027年東京名古屋間を断念し、2034年以降に先延ばしをすることを発表しました。この報道を見て、2003年に退役した超音速旅客機「コンコルド」が重なったという竹地祐治アナウンサー。4月12日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、竹地アナがつボイノリオと山内彩加アナを交え、リニアとコンコルドについて掘り下げ、リニア開業の計画について見解を述べました。
リニアの実際の乗り心地
10cm浮きながら最高時速600km、秒速167m程度で走るリニア中央新幹線。
つボイはリニアの試験運行に立ち会い、乗ることができたといいます。
初期のエレベーターが発進と停止をする時に生まれるような重力はリニアにはなく、乗っているだけでは速度を感じることはなかったそうです。
竹地「本当は試写室か何かに居て、単に映像で見ていただけじゃないんですか?(笑)」
つボイ「という感じのような。静かですよという感想ですね」
重力を感じさせない乗り心地を実現させたリニアですが、開業は先延ばし。
竹地アナは「この動きが超音速旅客機コンコルドと重なった」と言います。
消えたコンコルドの歴史
細い機体で、鳥のクチバシが曲がっているような先端の、独特のフォルムのコンコルド。
1960年代初頭に開発を始め、1976年に運用が開始されました。
定期国際航空路線もあり、超音速旅客機では唯一定期で飛行していた機体です。
コンコルドの魅力は圧倒的なスピード。
ニューヨーク~ロンドンの5570km(日本列島の倍ほどの距離)を飛行した場合の所要時間は、ボーイング747だと5時間のところ、コンコルドは2時間50分だけと、抜群に速い性能を持っています。
しかし2000年に墜落事故の発生、2001年には同時多発テロと、事故とテロが相次ぎ航空の世界の印象は悪化。
それに伴い収益性の改善が望めなくなったことから、2003年にコンコルドは営業終了し、全機が退役しました。
またコンコルドはビジネスでも苦戦し、生産はプロトタイプを含めても20機ほどでした。
売れなかった最大の理由は「騒音」。のコンコルドスピードはマッハ2.04。時速にすると2160km、秒速では600m進みます。
秒速167mのリニアと比べても脅威的な速さを誇るため、その分音も大きくなってしまうといいます。
コンコルド効果
竹地アナは今回のリニア開業延期の報道を見て「コンコルド効果に陥ってしまっているのではないか」と危惧しているそう。
「コンコルド効果」とは、一度投資した時間やリソースを無駄にしないよう、さらに投資する心理的傾向を意味します。
最後までやるしかない、コスト負けしてても最後まで完遂しようと突き進むバイアスがかかっているこの状態は、コンコルド開発もリニア開業も同じではないかと感じています。
東京~名古屋の所要時間はのぞみだと1時間30分ほどですが、リニアだと40分。
1時間短くなって利便性の向上を感じる人もいれば、そこまで感じない人もいます。
また、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが試算したところ品川~名古屋のリニア開業に伴う経済効果は50年間で10.7兆円です。
利用料金は今の新幹線に比べて700円高い程度でいけるのではないかと言われています。
山内「それは嬉しいかも」
竹地「でも本当に?と思うじゃないですか」
リニア開業が予定よりも大幅に先延ばしになったように、利用料金も予想の正確さを期待するべきではないのかもしれません。
竹地「リニアの開業ができたとしても、どれだけ私たちの生活環境が変わり、潤うのでしょうか。10.7兆もどうなんだろう?」
50年間で10.7兆円というのは十分な経済効果となり得るのでしょうか?
リニア開業の夢を今から引き返し、もう一度試算してみる必要性があると竹地アナ。
つボイ「株の世界では『見切り千両』という言葉がありますのでね」
竹地「いろんなことを考えないといけない時だと思っております」
先延ばしになったリニア開業の夢。
日本を背負う一大プロジェクトとなると、こどもの頃のようにがむしゃらに突き進むわけにはいかないのでしょうか?
(ランチョンマット先輩)
CBCラジオ #プラス!
2024年04月12日08時04分~抜粋(Radikoタイムフリー)