ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

81話 涙  (アーロンパーク-13)

2015年09月21日 | 東の海編




ナミが8年間、殺されるよりも辛い日々を費やして貯めた1億ベリーの金は、アーロンの指示により、海軍に没収された。
どの札も泥や血が染みにじんでボロボロになっているのを見たネズミ大佐は「あんないたいけな小娘が自由を信じてコツコツ、コツコツ8年もかけて、バカみてェによく集めたもんだぜ、ぷっ、チチチチチチ」と噴き出して笑った。




アーロンに首を掴まれて泣くナミに、アーロンは、笑いながら非情な言葉をかけた。
「それは災難だったが、約束は約束だ。また1億貯めるか、ここから逃げ出すか。ただし、その時はココヤシ村の全員は、お前の為に殺されることになるがな!!」

ココヤシ村の人達・・・そこでナミはハッとした。
(そうだ、ココヤシ村の人達はこの1億ベリーの約束を知っていたのだ!!それが無に帰したと知った今、彼らは戦う為に立ち上がるに違いない。ゲンさん!みんな!お願い、早まらないで・・・!!!死んじゃいけない!!!死ねば全て終わっちゃう!!!生き抜かなきゃ・・!!何もかも終わっちゃう!!!)

ナミはぐいっと涙を拭うと、今度はココヤシ村へと走った。間に合って!間に合って!!!村の人達を行かせてはならない!!!





ナミの予想通り、ゲンゾウ達村人は、アーロンに反旗を翻すべく武器を手に立ち上がっていた。
ゲンゾウが叫んだ。 「私達は8年前、一度は命を捨てどまり!誓った。
奴の支配がどんなに苦しく、屈辱でも、ナミが元気でいる限り、"耐え忍ぶ戦い"を続けようと!!
だがこれがあいつらの答えだ!!!この島の支配権にもう希望はない!!もとより、あの娘の優しさを弄ぶあの魚人どもを我々は許さん!!!これまでだ!!!武器を取れ戦うぞ!!!」




「待ってよみんな!!!」
と村に駆けつけたナミは、精一杯の笑顔を見せて「もう少しだけ待ってよ!私、また頑張るから!!今度租簡単よ!はは・・・」と人々を説得しようとした。




その切なく作られた笑顔に、ゲンゾウは耐えきれず涙をこぼし、ナミを抱きしめた。
「もういいんだ!無駄なことぐらいわかっているだろう。・・・我々の命を一人で背負って・・・よくここまで戦ってくれた・・・!!!お前にとって、あの一味に入る事は、身を斬られるより辛かったろうに・・・!!!よく戦った。お前はこのまま村を出ろ。」


ナミは、持っていた剣を村人達に向けた。
「やめてよみんな!!!もう私、あいつらに傷つけられる人を見たくないの!!!死ぬんだよ・・!?」

ゲンゾウは真顔で「知っている。」と言うと、ナミの剣を握った。ゲンゾウの手からは、血がしたたり落ちた。



みんな・・・、ゲンさんもドクターも、ノジコも、他の人達も、とっくに覚悟ができていたのだ。ナミが一人で戦っている間、いつでも戦う覚悟と準備は出来ていたのだった。勝てない事はわかっている。だけど、自分達の意地があった。

ゲンゾウは恐ろしい形相で「どきなさい!!!ナミ!!!!」と叱りつけると、村人達とアーロンパーク目指して行ってしまった。
ナミはもうみんなを止めることも出来ず、大勢の大切な人達が死にゆく後ろ姿を見送って、ガクンと膝から崩れ落ちた。


全てはアーロンの思うツボである事を、ナミは悟った。
どうあがいても、アーロンの支配の手から抜け出し、生きて幸せになることはできないのだ。今の今まで我慢してきた自分が憎かった。まんまと騙されて、8年間もアーロンの仲間になって働いていた自分が悔しかった。守るつもりが守られ、結果苦しめただけで何も守れなかった・・・。
自分の肩に彫られた、アーロン一味の仲間の印である刺青が許せなかった。




ナミは、手にした剣で自分の肩の入れ墨を突き刺した。何度も何度も突き刺した。
肩の痛みなんて、感じなった。ただ、ただ、憎くて悔しくて哀しかった。




そのナミの手を、ルフィが止めた。



「なによ・・・何も知らないくせに・・・!!」
「うん、しらねェ。」
「島から出てけって言ったでしょう!!?」
「ああ、言われた。」

ルフィは何も言わず、そこから動くこともなかった。
ナミは、あの日から今まで、誰にも助けを求めてこなかった。助けを求めて、誰かが傷つくのが嫌だった。だけど・・・・・。
「ルフィ・・・・助けて・・・」




ルフィは自分の帽子をナミにかぶせて、思いっきり息を吸うと、叫んだ。
「当たり前だ!!!!!!!」







出合った時、おれの宝物の帽子に触るなと怒っていたルフィが、今は自分にその帽子を託している。仲間なんだ、と思ったら、
また涙が止まらなかった。

「いくぞ」
ゾロ、サンジ、ウソップもルフィのその言葉を待っていた。











アーロンパークの門の前では、血まみれのジョニーとヨサクが、村人達が中に入らないよう足止めをしていた。
ナミの事情を知った二人は、ナミを疑った自分達を恥じて、詫びのつもりでアーロンパークに飛び込んだが返り討ちにあったのだ。出来ることは、ここに必ずやってくる”ある男達”が来るまで村人達を死なさないこと。



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