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この作品「信頼している執事がメイドになってどーすればいいですか?」は「TSF」「ビフォーアフター」等のタグがつけられた作品です。
信頼している執事がメイドになってどーすればいいですか?/XJ(改)投棄場のようなものの小説

信頼している執事がメイドになってどーすればいいですか?

13,159文字26分

幼少より仕え信頼している執事がオークにつかまり女にされてた結果……メイドになりました。

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TSびふぉーあふたー 執事編
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ハンス爺は僕の父親より一回り年上の、僕にとっては本当に心から頼りにしている我が家の執事だ。
開拓地の領主とはいえ執務やら何やらで忙しい父と母に変わって、僕が子供の頃からずっと面倒見てくれている教育係でもある。

父の話によるとハンス爺はかつては荒くれ者として名を馳せていたらしい。それが父と仲間の冒険者と共に対峙し、以来更生して今に至るという。
それ本当? ってハンス爺に聞いたことが何度かあったけどその時に爺は決まって「いやはやお恥ずかしい話で」と笑い誤魔化していた記憶がある。
とても今の立派で真面目な爺の姿を見ていると信じられない。

過去がどうであれ僕にとっては誰よりも信頼できる人であることに間違いはない。
そんな関係が変わってしまったのは、あの日の出来事以来だ。

僕が成人の儀を迎えようとしていた頃、父の領地に問題が舞い込んできた。
タチの悪いオークの群れが領地内に侵入したという報告だった。

オークは魔物の中で厄介な問題として数えられることは少なくない。体格は人間よりずっと大きく、それでいて力も強い。
並の兵士が数人がかりでやっとこさ1体を討伐できるほどの強さを持っているという。

そんな魔物が入り込んできたとあらば当然討伐しなければならないが、いかんせん辺境開拓地領主の父には兵力はそれほどない。
従って厄介な相手を最少人数で討伐しなければならなくなってしまった。そのために、ハンス爺も駆り出された。

オーク相手に行って大丈夫かと心配する僕にハンス爺は「ご心配なく、私が強いのはご存じでしょう?」と返事する。
確かにハンス爺は強い。剣術の稽古を何度とつけてくれた爺に僕は一度も勝ったことがない。それほど上達しなかった僕でも爺の腕が立つことはよくわかる。

結局心配する僕をよそにハンス爺は領地所属の兵士と雇った冒険者の混在する二十数名の隊でオークの討伐に向った。
そして、帰ってこなかった。

爺たちがオークの討伐に向った場所は屋敷から3日とかからない。しかし2週間過ぎても戻ってこなかった。
僕は当然しびれを切らして自ら父に爺を含めた隊の兵士と冒険者たちを捜索に向かう許可を求めた。
だが父の返事は却下だった。

父の返事は正しいことはわかっている。僕よりもずっと強い爺がかなわなかった可能性のあるオークだ。ならば僕が向かったところで返り討ちに合うのは間違いない。
一刻も早く向かいたいところ。こうもしているうちに爺含めた隊の生存の可能性が刻一刻と下がってしまうのではと焦りの気持ちが強くなっていく。

だが父は絶対に捜索に向ってはならないと返事したわけではなかった。
「助っ人が来るまで待て」というのが父の返答だった。

助っ人とは誰だ? と訊ねると、かつて父が共に冒険者として旅していた時の仲間であり、お前もよく知っている人物だという。
その人物の助けがあれば捜索に向ってもいい、ということだった。だから僕は、辛抱した。

そんな会話の2日後、待ち望んでいた助っ人がやってきた。誰を呼んだのかと思ったらジャックさんだった。
この人は母上の兄、つまり僕にとっては叔父にあたる。とはいえ根っからの冒険者で貴族ではない。

僕が知っている中で血縁の中で元からの貴族なのは父上だけであり、その父上も元々は貴族の4男だったために家を出て冒険者をしていたようなもの。
それが色々と名を上げていったことで開拓地に近い領主を担うことになってしまった、と父上は言っていた。
ちなみに祖父には会ったことがない。父上曰く「ほぼ勘当されたようなものだからなぁ」だそうだ。

そんな領主になった父上と違ってジャックさんは冒険者を続けている。まだ僕が幼い時にも何度か会ってはいる。
父上とも仲は良く、今も「ランベルト、お前年食ったなぁ」なんて呼び捨てにしているぐらいだし。
だがあまり強いという認識はない。正直ジャックさんが助っ人でいいのかという疑問は感じる。

そもそもジャックさんのジョブは「道化師」だったはず。ある程度知識を得ている僕でも道化師ってのは戦闘向きとはいえず、決して強いことはないはず。
本当に大丈夫なのだろうか? って不安しかなかった。

そうして捜索のため出発の時となったが、第2陣ともいえる隊は僕とジャックさんの2人だけ。
他魔物からの領地の防衛と他業務のためこれ以上兵をそぐことはできないから、ということか。いくら成り上がり領主だとしても、我が家ってそんなに力なかったのかと痛感させられる。

だが実際にはジャックさんが「オレ一人でも大丈夫だよー♪」と言い放ったことが原因だった。
兵士と冒険者混在の20数名がやられたであろうことを考えたら相手はかなり厄介なのでは? それを一人も大丈夫と?
当人は余裕の返事。本当に信頼していいものか。

だがその心配は割とすぐに裏切られることになる。
ジャックさんがいきなり「手っ取り早く移動するぞー」と言って亜空間魔法を行使し何かを取り出した。
亜空間魔法は各種道具を持ち歩く必要なく亜空間に収納することが出きるかなり便利な魔法。

それだけに使うことができる魔導士はかなり高位なはず。それをあっさりと簡単にジャックさんは使ってしまった。
この人「道化師」って言ってたよね? ジャックさんの実力は今まで見る機会なかったけどこれは驚きだ。なんでこんな高位魔法使えんの?

そして亜空間魔法を使って取り出したのは、謎の大型の馬車のようなもの。
木造が多い馬車と違って見てわかる鋼鉄製の車体。といっても本来の馬車とは大きく形状が異なり、太い車輪がついてどっしりとした印象。
ジャックさんはなんかドヤ顔している。正直うざい。

で、さっさと乗り込むように促したけど、肝心の牽引する馬がいない。どうするのかと聞こうとしたところで何やら内部にある魔道具らしきものを操作し始めた。
すると、走り出した。

馬なしで走る車に驚愕する僕をよそに、ジャックさんはやはり得意げな顔のままで。
その移動速度は驚異的で、馬よりもはるかに速い。どういう原理で動いているのかさっぱりわからないけど、何らかの方法で魔力で進んでいるのだろう。
街道を進み、そこから分岐して道なき道をスピードを落とさず勢いよく進み続け、3日かかるであろう距離を半日とかからず到着してしまった。

目的の場所は岩場の洞窟。気配を殺して警戒しつつ物陰から様子をうかがえば、オークが出入りしている様子が確認できた。
僕の身長は大柄というわけではなく小柄でもない平均的なものだが、それと比べたら倍近い身の丈と太い体格を備えた怪物。
どう対処するか、と相談しようとしたら……1体のオークが爆ぜた。

洞窟の前にいた数体のオークのうちの一体の頭が、はじけ飛んだのだ。
その原因は当然僕の隣にいたジャックさん。いつの間にか長い筒状の魔道具を手にしており、それを使ったらしい。

後で聞いたところ、その魔道具は魔力による爆発の反動で指先程度のサイズの弾を高速で発射する仕組みらしい。
そんな小さなものでオークの頭を弾け飛ばすだなんて。そしてそんなものを用意しているジャックさんって、一体……

オークの側はというと突然の出来事に混乱に陥っていた。
だがジャックさんにしてみればそれは好機であり、洞窟から出てきたオークを次々に魔道具で同じように仕留めていった。

こうして仕留めたオークは10体程度。これ以上は洞窟から出てこないが、もしかしたら洞窟の中にとどまっているオークもいるかもしれないというので警戒しつつジャックさんと進む……はずなのだが、ジャックさんは実に堂々とした歩き方で。
そして案の定まだ洞窟にオークがいたのだが、それもジャックさんは魔道具を使い一撃で葬っていく。

最後に残っていたのが他と比べると体格が一回り大きいオーク。おそらくボスなのだろう。
物陰から突然に襲ってきて僕は一瞬ひるんだが、こちらもジャックさんは動じることなくあっさり仕留めてしまう。

容赦のないジャックさんの動きに僕は少々困惑する。オークはある程度知性を持っている種族もいるというから交渉もできたのではと考えていたので。
だがジャックさんは「こいつらに慈悲は必要ない」とあっさり切り捨ててしまった。
いくら人でも冷酷なのでは? と思ったが、その言葉に僕はすぐに納得するのであり。

洞窟の奥に進んだところで、行方不明だった討伐隊の兵士と冒険者たちが見つかった。全員死んではいなかった、生きていた。
生きていたのだが、あまりにもひどい状況だった。何故なら……全員女になっていた。

オークという種族は基本的に雄しかいない種族。そうした中で繁殖はどうするのかというと、他の種族をさらって孕ませ自分の子孫を産ませるという。
その相手は鹿や熊などの動物に始まり、ゴブリンなどのモンスターも相手にするという。当然人間も。
さらって自分の子孫を孕ませる相手種族は当然雌なのだが、一部のオークは特殊な能力を備えていることがあるという。それが、雄を雌に変えてしまう能力。

どうやら雌を孕ませるよりも雄を雌に変えて孕ませた方がより強い子孫が産まれることを一部のオークは知っているらしい。
それも人間の、母体となる雄が強ければ強いほど強い子孫が産まれるという。そのため性別を変える能力を持っているオークは当然のようにその方法を選択する。

つまり、ここにいたオークのボスが雄を雌に、性別を変える能力を有しており、隊の全員を女に変えてしまったということ。
そして、強い母体を手に入れるためにあえて強い雄である兵士と冒険者を誘い出したのではないかと。
端的に言えば、罠にはまったということだ。なるほど、ジャックさんの言う通り慈悲の必要は、ないな。

実際目の前にいる女になってしまった兵士と冒険者たちもひどいものだった。
自分が女になってしまって、あまりの絶望に悲嘆し、幾度となくオークに襲われ慰み者にされていたことだろう。その顔は、絶望に満ちていた。

だがもうその絶望も終わりだ。ここで全員は助かった、はずなのだから。
呆然としている女にされた人々を介抱しつつ、僕は注意深くその中にいる人たちを確認していく。そして、目的の人物をついに見つけた。

僕が誰よりも信頼しているハンス爺。その人もまた、女にされていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1か月ほどが経過した。
僕、ドミニクは午後の勉学を終えて一息ついていたところだった。

「ドミニク様、お茶をお持ちいたしました」
「ん、ありがと」

一息ついたタイミングを的確に見計らって僕の部屋に午後の休息の時間にとお茶と菓子類を運んできたメイド。
しづしづと音を立てずにワゴンを運びつつ、書籍を隅に片づけたテーブルの上に一つ一つ用意していく。
その物腰は洗練されており、無駄がなく品も持ち合わせているように見える。

「……すっかりメイドが板についてきちゃったねぇハンス爺」
「ふふっ、この姿ですからもう『爺』はおやめください」

そうは言われても僕にとっては姿が変わっても頼りにしているハンス爺に変わりはないわけであり。
ただ、確かにこの姿で『爺』ってのは無いかもしれないな。誰がどう見てもメイドだし。


TSびふぉーあふたー 執事編
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あの捜索に際して洞窟で見つけることができたオーク討伐隊であるが、20数名の兵及び冒険者たち全員が見事に女にされていた。
たった二人でどうやって連れ帰るか僕は悩んだけど、ジャックさんは「あー、亜空間魔法あるからなんとか」と言って全員を収納し、そのまま帰ることに。
それ大丈夫なのか? と不安になったけど、もうこの人に関しては何も言わないことにした。

そして連れ帰ったわけだが、当然オークは女にした全員を母体にしようとしていたのだから全員負傷だけでなく、ひどい辱めを受けていたわけで。
だからまずやることは怪我の治療、そして孕んでしまったであろうオークを堕ろすことだった。

正直、実にえぐい光景だった。ジャックさんが治療魔法の応用で手際よく全員に処置していき、そして胎から出て来たオークの胎児を確実に仕留める。
魔物の子供であり災厄ともいえるのだが、堕胎させ仕留めていく光景はやはりいい気分ではない。

怪我の治療が終わったら全員の記憶をある程度抹消する処置をしていく。
いわゆるトラウマ防止のためで、暗示魔法の応用らしい。ジャックさん使える魔法の幅が随分広いのには驚きだよ。

ただ、そこまでやったものの女になってしまった兵士たちを男に戻すことはできなかった。
それに関しては道化師にもかかわらず数々の魔法を使いこなしているジャックさんでも知識と方法ががないため無理という。

そのため、全員が今後は女性として生きていかざるを得なくなった。
そのうち兵士は女性になったことで体力面が低下していることから領地の私設兵を継続するかは本人たちの要望をもとに決めて行くことにした。
女になってしまった冒険者たちも今まで通り冒険者稼業を継続することができるか不確かなため、父上は保証と転職の面倒を見ることにした。
まあ、実際はそのまま冒険者を続けることにする様子だが。

そして残るは、ハンス爺だ。
ハンス爺もまた同じようにオークの手によって女になってしまった。だが、女になったとしても僕が信頼しているハンス爺そのものが別人になってしまったわけではない。
だから本人さえよければ今まで通り僕に仕える執事として働いてほしい、そう伝えた。

そうしたら、メイドになりました。

「女になったのでしたらこちらの方がいいでしょう」などと言って屋敷に勤める他のメイドに依頼してご丁寧に自分用のメイド服を用意しちゃって。
いや別に今までの服着て女執事でいいんじゃね? って話したら「今までの服は体が合いませんよ」との事。

あー、確かにそうだねぇ。特にすごく大きくなったねぇ胸が。
そういえば他の女にされてしまった兵士たちも全員胸がすごく大きくスタイル良くなってたなぁ。オークの好みはそっちなのか?

しかもハンス爺、女になってなぜか若返っちゃってるんだよねぇ。
父上より一回りも二回りも上だったはずのハンス爺だけど、今は僕よりちょっと年上の女性な感じだし。

そうしてハンス爺はオークによる怪我の療養をそこそこに早々に仕事復帰してしまった。メイドとして。
本人曰く「私以外にドミニク様にお仕えできそうにありませんからね」だそうです。
仕事熱心だなぁハンス爺は。いや、もう「爺」って呼ばない方がいいのかな? 何て呼べばいいだろうか?

こうしてハンス爺(?)は執事からメイドになったもののやっている仕事は今までとあまり変わらず。
しかし物腰はすっかり執事からメイドに変わっちゃったなぁと感じる次第で、今日も今日とてこうして務めを果たしております。
ただ、ちょっと厄介なことがありまして……

「ミルクをご用意しますね」

ハンス爺は自身がも持ってきたワゴンの前でお茶をカップに注いで、そこからおもむろにメイド服の胸元を引っ張る。
そうしたことで必然的に女になったハンス爺の特大サイズの胸がぷるんっ、とこぼれ落ちた。
そのこぼれ落ちた自身の特大サイズの片方を手にして、先端をお茶を注いだカップに狙いを定めて……ちゅ~~~っと。

先端から白い液体が勢いよく噴き出して、カップの中のお茶が白く濁っていく。
適量が出たところでカップから離れ、服の胸元を整えてあらわになっていた胸をしまう。

「どうぞ、ドミニク様」
「………」

そして白い液体が注入されたカップのお茶をティースプーンで軽く混ぜて、何事もなかったかのように僕の前に。
目の前にあるカップからはお茶の豊潤な香りと、ミルクの甘い香りが漂っている。

「ねえハンス爺、やっぱその注乳はちょっとやめてくれないかな?」
「ドミニク様、常々申しておりますが有るものは廃棄することなくできる限り有効に使うのが正しいのですよ」
「いやもったいない精神はよくわかるんだけどさぁ!?」

これである。困ったことにハンス爺、女になって母乳が出るようになってしまっているらしい。
あのオークの女体化術ってのはただ単に男を女にするだけでない。子供を孕むように、正確には孕みやすいように作り変えている。

そのため症状に個人差はあるようだが、女にされると発情しやすくなってしまうのだとか。
ジャックさんがトラウマ防止で暗示魔法使って記憶消去した時にある程度抑えているようだが、なんかのきっかけで出てしまうこともあるという。

で、女にされてしまったハンス爺もそれの例外ではなく、症状の一つで母乳が出るようになってしまったらしい。
出るのは症状で仕方ないとはいえ、それをこうやって僕に飲ませるのはどうなんですね?

「もったいないにしてもさぁ、せめて僕の目の前じゃなくて厨房で搾ってミルクソーサーに入れて来ればいいじゃん」

正直ねぇ、刺激強いんですよ。僕だって年頃の男ですよ? 目の前でおっぱい丸出しにされちゃったら結構大変なのですよ?
たとえ相手がハンス爺だってわかっていても、見た目は麗しい女性なのですからね?

「ドミニク様、それはなりません」
「ん?」
「こうした生の原材料品は鮮度が一番大事とされています。あらかじめ別で抽出して容器に入れた瞬間から鮮度の劣化がわずかながら始まっており当然それは味にも直結しており特に香りの劣化は非常に大きくなってしまいます。そうなると口にするのは劣化した質の劣ったものになってしまうのであり、わずかな時間であっても少しでも劣化したものを私の主であるドミニク様が口にしてしまうのは最良のものを提供することを心掛けている私の身としては断じて認めたくはないのです。だからこそすぐさま抽出する方法を選択しているのであり、またその場で抽出するならば人肌で温められている故にお茶の温度低下も最小限で押さえられることで最良の温度でドミニク様にミルクティを提供できる、これが何よりも最善の……」
「つまり本音は?」
「搾り出す姿を目の前で見ていただきたいのですっ!!」

うわぁ、ダメだこりゃあ。発情しやすくなっている件ですけど、しっかりハンス爺に症状が出てしまってますよ。
絶対そうですよこれ、発情以外の何物でもないって。

「ふふっ、困ったことにドミニク様のことを思うとどんどん胸が張ってミルクが出てしまうのでして♪」
「それは困ったねー」
「遠慮なさらずいっぱいお飲みになってもいいのですよ? 直接飲んでいただいても結構ですよ?」
「丁重にお断り申し上げます」

これは大変だ、あれほどまでに真面目で聡明だったハンス爺がおかしくなっている。
自身のミルクが生産されまくってる特大サイズをゆさっと持ち上げてこっちに見せつけてきちゃってるんですけど。
どうやらオークのやりやがった効果が絶大な様子。とりあえずジャックさんにお願いして暗示かけて抑えてもらわないと。

「やあドミニク君、調子はどうだい?」

などと悩んでいたら来ましたお助け人! 今は一番頼りになりそうなジャックさん登場です。
ジャックさんはれっきとした冒険者であり本来だったら各地を旅してまわっているのだけれども、今はオーク事件の事後処理のため滞在して父上の手伝いをしている。
そして休憩がてらこんな感じで僕のところに顔出ししてくることもあるのです。

「ようジジイ、すっかりメイドが板についちまったようだな」
「うら若き娘に対して口が悪いのではないか? ジャックよ」
「自分の事よくぞうら若き娘って言いきったものだなおい」
「ふっ、現実に見た目はそうなってしまったからな」

そしてジャックさんとハンス爺だけど、どうやら仲はあまりよろしくない様子でして。
そういえばハンス爺は元々荒くれ者で冒険者な父上と対峙していたって話でしたっけ? ジャックさん父上と一緒に冒険者していたこと考えるとそりゃ確かに関係はよくないかもなぁ。
でもハンス爺、同じく対峙していた父上とは仲悪いわけじゃないのですけど、なんでだ?

そんな感じで開口一番いがみ合った二人ですけど、ジャックさんが僕の前に置かれたミルクの入ったお茶を見て、悟った顔した。
あー、わかっちゃいましたか? ここで何があったか。そして僕を憐れむような眼で見ないでよ。

「ジジイ、若返って女になったからってドミニクたぶらかすんじゃねーぞ」
「失礼な、なぜたぶらかすんだ? 私はメイドの務めを果たしているだけだぞ」

うん、間違ってはいない。メイドの務めは果たしているけどさぁ。
とりあえず現状を悟ってくれたジャックさんは僕のサポートはしてくれそうってのがわかって助かった。

「ジャックさん、ハンス爺だけどやっぱりオークの影響が残ってるみたいで……例の暗示で何とかならない?」

さすがに当人に聞かれたらまずいので小声で相談です。

「うーん、一応かけているんだけどさぁ、ジジイって元々その手の暗示耐性強いんだよこれが」
「えぇ……」

しかしジャックさん、魔法に関しては有能だけど今回はご期待に沿えないかもしれない様子。
意外にもハンス爺、精神系の魔法耐性が強かった様子。つまりこれ以上暗示をかけても効果が期待できず、だからといってかけすぎると別の影響が出かねないようで。

「あれ? だったらなんで発情状態になるのさ? 精神系は体勢があるんですよね?」

そこは疑問。その理屈だったらハンス爺が精神系の作用と思われる発情に近い状態になってしまうのはおかしい。
それこそ体制があってあらがって僕に母乳飲ませるなんて暴挙には出ないんじゃないかな?

「失礼な、これは私自身のドミニク様を大切にしている思い故です」

小声で話していたというのにしっかりハンス爺に聞かれちゃってたよ。
そういえばハンス爺、結構耳はいい方でしてた。

「……つまり、ジジイの場合は主人への忠誠心が裏返ってそっち系の感情になったと?」
「えぇ……」

ジャックさんの嫌な分析。まさかの感情の裏返りだったようです。つまり発情じゃなくて従者愛というか。
そりゃずっと子供の時から面倒見てくれていて愛着はあったのはわかるけどさぁ、だからって母乳飲ませに来ますか普通?

「ただこれに関してはジジイだけの問題じゃねーんだわ」
「ん? どういうことです?」
「似たような感じで、私兵の中で女になっちまった奴と仲のいい兵士とでカップルができ始めてた」
「うわぁ……」

なんてこった、ウチの領地を守る務めを果たしている私兵にそんな影響が出ていたとは。オーク事件の後遺症ってことかもしれないけど、これは問題。
職場内結婚は別に悪いことじゃないけど、中身は男同士ですよね? 男同士の友情が恋愛に発展したということか。やはり男女の友情は成立しないのか。

「ってことは同伴して女になっちゃった冒険者も何かあるんじゃ……」
「そう思って追跡調査したら、うち二人が女になった同士で百合カップルになってて、一人が娼館で働き始めてた」
「えぇ……」
「確かに転職支援はするっていったけどさ、まさか娼館はなぁ」

そっちはかなり重症じゃない? オークに襲われて目覚めちゃったってこと?

「そんなわけでオレとランベルトとで今は結構手ぇ焼いてるんだわ事後対策に」
「それは大変ですねランベルド様も」
「ジジイもそのうちに含まれるってこと自覚しとけよ」
「失礼な、私はドミニク様に仕える使命を失っておりません」

うん、使命を失っていないのは間違いないけど、影響は出ているんだよなぁ。
そうでなかったら自分の母乳を僕に飲ませるなんて暴挙絶対にしないと思うし。

「やっほードミニク。あらちょうど休憩中ね」
「あ、母上。言うほど休息にはなってないけどね」
「もうっ、家族の時は『ママ』って呼んでいいって言ってるのに」

などとジャックさんとハンス爺がいがみ合って微妙に居心地が悪くなっているところにやってきたのは、母上だった。
母さんって息子の自分が言うのもなんだけど割と物おじせずに踏み込んでくるんだよねぇこういう時も。自分への呼称に対しても平然とこれだし。
大胆というか軽い性格というか何も考えていないというか。

「……承知しました。母上」
「もう素直じゃないんだからドミニクったら。あらハンスちゃんすっかりメイドが板についてきたわねぇ」
「恐縮です、奥様」

さすがに母上がやってきたのでジャックさんとハンス爺のいがみ合いは中断。その隙をぬってというわけではないが、ハンス爺に本当に気兼ねなく友達感覚で挨拶する母上と経緯を失わない従者の鏡なハンス爺。
それにしてもこのやり取り、ついさっき見た気がするなぁ。

そして平然とハンス爺の事ちゃん付で呼ぶ母上って強いというかなんというか。
まあ実際こうして並んでみると、実年齢それなりに差があるはずなのにちっとも感じないよなぁ。気のいい女友達同士に見えなくもない。
女になって若返ったハンス爺もだけど、母上も結構若く見えるんだよねぇ。あと、胸のボリュームもお互いいい勝負。

などというやり取りに母の兄であるジャックさんが頭を抱えているような気がしたけどそんなことはお構いなしに母さんはちら、と僕の前のテーブルに置かれたミルクの入ったお茶を見て、そしてにっこりと僕に微笑んで。
ちょっとその意味深な笑みは何ですか!? 僕は何もしてないぞ!!

「ハンスちゃんしっかりアタシのアドバイス通りミルクをドミニクに出したのね。それでどうだった?」
「はい奥様。私の搾乳をしっかりと凝視してくださり……」
「まてえぇぇぇっっ!! そこまで僕ガン見してないぞハンス爺ぃっ!! そして母さんの入れ知恵だったのかこれはっっ!!」

通りで、いくらオークの影響にあったとはいえハンス爺がこんな暴挙に走るとは思えなかったんだよ。
自分の主人の指示だったら断れないだろうがなんてこと教えて従者から息子にやらせているんだいるんだこの母親はっ!!

「ドミニクお前、オレはお前のこと信じていたのにジジイの胸をガン見だなんて……」
「ジャックさん僕は無罪ですっっ!!」

あらぬ濡れ衣着せられそうになってしまっている。僕は決して視姦何ぞしていないっ!!
いやまあ、見せられたのは事実ですし、見ちゃったのも事実だけどさぁ。

「いやーハンスちゃんが胸張って苦労しているって聞いたから、もったいないから飲ませちゃえば? って思ってね」
「ご提案助かります、奥様」
「できればその提案は却下してほしかったなぁ」
「でもまだ大変そうだったらアタシの時に使ってた搾乳機貸してあげるわよ? ジャック兄さんが作ってくれたやつ」
「感謝します奥様(ジャックが作ったというのが不服だがな)」
「なあジジイ、あんたオレに喧嘩売ってねーか?」

いやいやいや、一見主人が従者の事を気遣っての提案かもしれないけど理由がひどくない?
さらに物品の貸し出しはいいけど、なんてものを貸そうとしているんだよ。おまけになんでそんなものをジャックさん作っているんだよ妹のためだったかもしれないけど。
ちょっとジャックさん目ぇそらさないでください。

……ちょい待て、今なんか引っかかった感じがあったぞ?
さっき母さんが「アタシの時」って言ってたよな? んなもの使っていたのは百歩譲るとして、時って何だよ?
ねえ母さん、その顔何? なんでこっち見て不気味な笑み浮かべてんの? 「気がついたぁ?」みたいな顔してるの? 何が言いたいの?

「ふっ、ドミニク。あなたももう大人になるときだからね。もうそろそろ真実を語る頃合いね」
「含みをきかせてものすごく嫌な予感しかしないんだけど、ぶっちゃけ聞きたくないんだけど」
「実はね、ママはハンスちゃんと同じで男だったのよっっ!」
「マジで聞きたくなかったーーーーーーーーーっっ!!」

トラウマ級のとんでもない真実が明かされちゃったんですけどマジですかっ!? 冗談じゃないよね?
ってジャックさん目ぇそらさないでくださいよ、ってことはこれマジなんですかっ!?

「アタシも冒険者だったのよ、ランベルトとジャックと一緒に旅して。けどある時アタシだけオークにつかまっちゃって、それで女にされちゃってね」
「うわーうわーもーこれ以上聞きたくないよー」
「呆然としていたんだけどそしたらランベルトが『責任取る』って言ってくれてねぇ」
「アレは責任もって元に戻る方法探すって意味のはずだったんだけどなぁ……」

ジャックさん言葉は正確に伝えたほうがいいですよ。でも結果僕が産まれたのだから文句は言えないが。
だとしても自分の母親が元男って衝撃度合いがダンチなのですけど。

「ランベルトったら女になったアタシのおっぱいガン見してたからねぇメロメロだったからねぇ血は争えないわねぇ」
「父親の性癖息子に遺伝してるって決めつけないでくれますかね!? そもそもガン見してないしっ!!」

そりゃ男としてついつい見ちゃうものはあるけどさぁ、決めつけないでもらえませんかねっ!
そしてもらい事故の父上も哀れなんですけどっ。ガッツリ息子に性癖暴露されちゃって。

「これで分かったろドミニク。オークに慈悲はいらねえんだよ」
「まったくもってその通りですっ!!」

こんな悲劇はどうして生まれた!? そもそもはオークが他生物襲ってさらに男を女にするなんてアホみたいな能力使ったせいじゃないか!?
そう、全ての元凶はオーク。オークはこれからも繁殖のためとかいって人間を襲うことになる。連中はそれしか思考はない。そんな害をなす存在、悲劇を生む存在など、やはり……滅ぼすのみっ!

「くくくっ、そうだ……奴らを、オークを駆逐するのだっ!」
「げ、ドミニクが闇落ちした」
「あらチューニ病」

止めないでくれよ母さん、これは悲劇を生む存在を滅ぼすための、これ以上の悲劇を生み出さないための、僕の使命を果たすためのものだ。さて手始めにこの領地周辺をしらみつぶしに闊歩して奴らの痕跡を探してくれる。ジャックさんにも協力を仰ぐとしよう。弟が妹になってしまった悲劇を知っているジャックさんなら確実に僕の心境をわかってくれるはず。そして少しでも痕跡を見つけたならば徹底的に奴らを探し出し一体と残らずに全てを根絶やしにするのふべっ!?

「気を乱されないでください」
「ぶぶっ、ハンス爺?」

僕の思考は一時中断、理由は突如としてハンス爺が僕を抱きしめてきたからであり。そうすれば当然のように僕の顔面は、ハンス爺の爆乳に埋まってしまっている。
「あらまぁ♡」「うわぁ…」という母さんとジャックさんの声が聞こえるが多分そんな光景を目にしたからかも。温度差が激しいが。

「戸惑われる気持ちはあるかもしれませんが、優しきドミニク様らしくありませんよ」
「う、ぐぅっ……」

そういえば子供の頃は泣いたりしていた時にハンス爺がこうして抱いてくれたことあったなぁ。その時と同じことしているのかな?
だとしても、今のコレはまずい。なにせハンス爺、女になっているんですよ?

顔面プレスで爆乳ですよ? 突然の出来事に僕も気を取り戻したけど、谷間に埋められると別の気を乱すことになるのですけど。
めっちゃ柔らかいし、いい匂いしちゃってるし、ハンス爺だとわかっていてもおっぱいだって意識しちゃうし。う、お……い、意識が、遠のく……

「きゅう」

ムリでした。もう限界です。

「ど、ドミニク様っ!?」
「うぉいっ! ドミニクっ!? ジジイの胸圧で気絶はダメだろおぉぉぉっっ!!」
「あらまあやっぱりドミニクもおっぱいスキーだったのねぇ」

なんだか遠のく意識の中で三者三様の一部ひどいこと言われているような気がしているけど、もう僕は色々無理なので今は意識を手放させていただきます。

そして気がついたらベッドの上でなぜか下着姿のハンス爺と添い寝している光景で、また気を失った。


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