(続き) 他にも、「「女子だけ良い思いをしている」と男子生徒に怒られる」と、女子に渡した物品に教員たちが一生懸命蓋をして隠す様子があり、それに対して疑問を呈した女子に「暴動が起きるから」と説明していました。それに対して「男子も「おかま」になればいいんじゃない」と生徒が言うと、教員が
「ジェンダーフリーで男も今だけ女になったらいいね」と返していたりと、差別が強化されるやりとりを目にすることが複数の学校でありました。そうした学校にも当然いる性的マイノリティの生徒のことも想いながら、どうしたら変えて行けるのかと考えています。
2月の活動時には地元紙に能登でのColaboの活動について「女子力アップ」と書かれてしまい、その後訪問した避難所で、その記事を読んだ中年女性が少女や年下の女性や少女たちに「女子力アップしたほうがいい!!」と押し付ける場面を目にしたり、男性教員が「女子だけずりー」と大きな声で言ってきたり、自分が使いたい物品を生徒に取ってこさせるということもありました。「女尊男卑」と言われたこともありました。
そうしたことから少女たちを守るためにも、男子向けのコーナーをつくり、これまで2月と3月の訪問時は男子にもお菓子や衣類等の物品を用意して対応してきましたが、今回は主に女子向けに物品を持って行ったので、男子から以前に増してそのような反応が多くありました。
女子は男子を無視したり、聞こえてないふりをしたり、顔を隠して対応したり、男子の指示に従って物品やお菓子を男子たちに持って行く生徒もいました。
闘うのではなく無視したり従ったりすることでやり過ごすことが身についているし、そうしないと生きていけない状況が女の子たちにあることを感じました。
大きな態度を取ったり、女子を評価的な目線で見たり、それを友達同士で共有することを楽しむことのある男子がいる場では、女子は自分の欲しいものを欲しいと言ったり安心して選ぶことはできません。女性に対する差別や暴力が日常的にあるからこそ、私たちが女性向けに活動する必要があり、少女や女性たちが安心できる場を作ることが大切なのだと改めて感じました。
女性支援を行う私たちはいつも、「なぜ男性を支援しないのか」「男だって困っている」「男性差別だ」などの言葉を投げつけられます。そういう声が出るのことこそが、女性差別が深刻な状況を表しているのですが、女性の権利を守る活動をしていると、「女たちが良い思いをするのは許せない」と男性たちからそのような攻撃を「純粋な疑問」というていで受けます。男性にも支援が必要だと考えるのであれば、そう思った人が実行すれば良いのですが、そうした言葉は女性の活動を非難するために投げかけられるのです。そうしたことが中高生世代にも浸透していることを実感しました。
支配や暴力の構造、女性やマイノリティ差別の現状を直視し、理解する人が学校にも地域にも増えなければ、権力を持つ側の声に押されて、女性差別は強化され、再生産され続けてしまうことを改めて実感しました。能登だけではなく、社会全体で起きていることだと思います。
活動への理解を示しているつもりで「女の子は大切にしないとね」と言われたときに、女子は弱いものだから守ってあげないとというような目線を感じることもありました。そうではなくて、一人ひとりの意志が尊重され、自分の気持ちを大切にしていいんだと思える経験の積み重ねと関係性が広がっていくことが大切だと思います。
今回能登では3回目の活動だったので、ピンクのバスで走っているだけで、「あの人たちだ!」と気づいて少女や女性が手を振ってくれたり声をかけてくれたりすることが増えました。女性の人権を訴えて活動する私たちがピンクのバスで繰り返し活動することで、能登の女性や少女たちにも、私たちのような女性たちがいること、みなさんと共にあろうとしていると感じてもらえたらいいなと思っています。
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