地下鉄サリン事件から29年 「風化防ぐ」犠牲者に誓い
14人が死亡、6千人以上が重軽症を負ったオウム真理教による地下鉄サリン事件から29年となった20日、多くの被害者が出た東京メトロ霞ケ関駅(東京・千代田)で同駅助役だった夫を亡くした高橋シズヱさん(77)や職員らが献花、黙とうした。
高橋さんは「事件を知らない世代が多くなり、忘れられていくのを防ぐのは生き残った私たち。その誓いを伝えました」と話した。
斉藤鉄夫国土交通相も献花し「このような事件が二度と起きることがないよう、輸送の安全確保に全力を挙げていく」とのコメントを出した。
事件は1995年3月20日に発生。松本智津夫元死刑囚=教祖名・麻原彰晃=の指示を受けた教団幹部らが地下鉄日比谷線、千代田線、丸ノ内線の計5車両で猛毒のサリンを一斉に散布した。
オウム真理教による一連の事件では、2018年に松本元死刑囚ら教団幹部13人の死刑が執行された。公安調査庁によると、教団は3つの後継団体に分かれて活動を続けている。〔共同〕