2010年01月31日(日)
【詳細② by Raphie】

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そして漆黒封。酔い潰れていたが、確実に決心していた。
もう戻らないし、戻れないし、戻ってはいけないのだと。
深紅の青年が此処に残っていたため、彼女はよくこの青年の話を聞いた。そして意外にも、魔界というのはメンタルヘルス関連も進んだところである。青年の斡旋から、彼女は幾つか科を受診した。漸く、といったところだが、睡眠に問題があることを打ち明ける。
時にはカウンセラーのたまごであったオリバーのところにも行った。ふたりは気があったが、何処か奥ゆかしいところがあったのか、彼女は暫く転々としていた。
ところでこの間に、闇は鎖界の規制を緩め、魔界人が自由に世界を行き来出来るようにした。更に、パラレルへの道が開いて 毎月数人の優秀な公務員が派遣されるようになった。
帰らないつもりでいた彼女も此れを聞くと流石に足がうずうずし、ついにまた故郷へ戻る。相変わらず、手厚い歓迎を受けた。
更に彼女は、長年自分を助けてくれたサーレルと結婚すると 両親や此れまでの仲間達に知らせた。父には難しい顔をされたが、其れでも彼女は精一杯経歴を伝えた。
もうひとつ、レジーナも 海の長になって現状を改善したい という強い気持ちがあるらしく、彼女も快く送り出すことにした。結婚式は被らないように、と変な約束をして。
サーレルの転勤地に新居を構えることになったので、彼女にとっては全くの未知の世界だった。不安にかられてフラッシュバックしてしまう時も多々あったが、周りの支えや治療で少しずつ改善されていく。
中央では殆ど怖い思い詩かしたことが彼女だったが、此処で初めて近所の人の優しさに触れた。魔界の人と言えど、実はこんなに穏やかで優しいのだ。
彼女は治療に努めるために専業としてやっていくことにし、友人達にもそう送った。
そしてふたりの沢山の友人を招いて結婚式をあげ、
精神的に落ち着いてきた頃に娘も授かった。
アルデの時のように、背景や方法は違っても、この子には余計なまでの苦しみは与えない。固く決意した。
年子で今度は息子が生まれたが、身体が弱かった彼女の方が入院を余儀なくさせられた。
ところで、"ライボルト"に敏感に反応する彼女に、またもや気になるニュース。
そう、彼女も知るあの怪盗の側近が、なんと厳正に管理されていた筈の封印解除方法を盗みだし‐一部解除に踏み切ってしまったのだ。"ティフュ"の近くにいた娘がその眩い光に目をくらませたが、異状はなかった。
そして此れに憤慨した死神のトップ‐コタが動き出したことに付いて、サーレルが心配を覚えた。彼女と親しいリラには影響は少なそうだ。
カリンからも「要観察だね」と声が掛かったが、同年の暮れの攻撃や 翌年の半暴走以外で目立った事件はなかった。でも"ライボルト"が絡むと、どうしても長短島のことを思い出す。
今のところ、彼女も特別気にする目立った問題はないらしい。しかし、子どもへの影響を考えると、もう懲り懲りでしょうと実は言いたくなるのである。









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