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四章　第二次上海事変

　盧溝橋にはじまった戦火は、八月一三日、上海に飛び火し日中全面戦争に発展した。
　蒋介石は中国軍の三分の一を、国際都市であり経済的にも重要な上海戦線に投入した。
　日本の海軍陸戦隊も、本国からの渡洋爆撃と陸軍の増援に助けられ、上海戦は未曾有の激戦となった。
　戦闘は上海全域をまきこんだため膨大な避難民が発生し、フランス租界、共同租界に逃げ込む避難民は最高時には七〇万人に達した。
　上海戦が始まるとイギリスは一〇〇〇人の軍隊を、アメリカも軍艦を派遣したが、租界当局は中国側の抗戦には冷淡で、租界の周りにバリケードを設置して防衛を強化し中立の態度を示した。
　しかし避難民たちにとり租界も安全ではなく、誤爆、流れ弾などで死んだ市民は二〇〇〇余人にのぼった。
　戦闘は三ヵ月あまりつづき、日本軍の死傷者のみで四万、中国人のそれはその四～五倍に達したといわれる。
　上海戦ののち日本軍は重点を華中にうつし首都南京を目ざすようになる。

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	日本軍機の爆撃を受け、燃え上がる 上海黄浦江沿いのアジア石油会社。 この写真は米国に帰国した上海からの避難民第1号となった ニュー ヨークのレイ・スレイター・マーフィー女史がドイツ船から撮影した ＝1937年8月25日（AP）
米国避難民294人を乗せて上海北の呉淞沖に停泊中の 米客船プレン デン・マッキンレ一号に向かう米ダラ一汽船のはしけ ＝1937年8月20日（AP）
上海で日中両軍の交戦が始まり、荷車に積めるだけ積んで 近くの租界に逃げる閘北地区の市民。 彼らは1932年の日中両軍の戦闘（第1次上海事変）の生残りである ＝1937年8月21日（AP） （注) 1937年8月17日、上海で中国軍と 日本海軍陸戦隊が交戦した （第2次上海事変）	第2次上海事変がぼっ発、上海を脱出する日本人居留民 ＝1937年8月21日（AP）

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上海の虹橋地区で警備につく日本兵 ＝1937年9月1日（AP）	日本軍機に爆撃された上海南駅近くの市街。 右は警備する日本兵＝ 1937年9月1日(クレジット不明）
上海虹口地区から蘇州河のガーデン・ブリッジ（外白渡橋） をわたって租界に逃げ込む上海市民。 黄浦江に進出した日本海軍の第三艦 隊旗艦「出雲」が市 内に艦砲射撃を加えている＝1937年9月3日 （ACME) 上海の公園に落ちた爆弾の犠牲者。日本軍の対空砲火を 避けようとした 中国機が落とした＝1937年9月7日（ACME）	上海市内で中国人の遺体のそばを通る日本海軍陸戦隊 ＝1937年9月 7日(ACME)
1937年8月23日、日本軍の激しい砲撃を受けた上海・南京路。 ビル は破壊され、市民400人が死亡した＝1937年9月3日（AP）
日本軍機の爆撃の後、上海の共同租界で遺体を運ぶ外国軍兵士。 前日 英軍兵士3人が爆撃のため死亡した。＝1937年10月30日（AP）	上海の南京路で戦闘に巻き込まれ死亡した人力車の車夫。 この写真 は飛行艇でサンフランシスコまで運ばれ、 ニューヨークに無線電送 された最初の写真の1枚。 デーリー・ニュース社はこれらの写真を 読者に伝えた ニューヨークの唯一の新聞である＝1937年9月2日 (AP)
上海を制圧した日本軍に両手を挙げて降伏の意を示す市民 ＝1937年9月3日(AP)

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片側に子ども、片側に家財道認を入れた天びん棒をかつぐ中国人難民 ＝1937年9月5日(場所不明）（ACME）
上海の虹橋地区で中国軍の抗日ゲリラを探して一軒ずづ調べる日本兵 ＝1937年9月4日（AP）	上海から50キロの駅で避難民を満載した列車に 日本軍機の爆弾が命中した。 死者300人、負傷名450人以上と推定される ＝1937年9月27日(AP)
共同租界に避難するやつれた婦人と孤児 ＝1937年9月27日（クレジット不明）	上海の南桃地区で日本軍の砲撃により重傷を負った 子どもを手当て するボーイスアクト ＝1937年9月16日（AP）
日本軍の砲撃を受けた上海北部の城門付近 ＝1937年9月30日（AP）	米バプティスト系の上海大学。 日本軍機の爆撃で校舎の壁に大穴が 開いている ＝1937年9月28日（AP)
日本軍機に爆撃された中国南通潤のアメリカ系の病院。 医師と患者、 4人の助手が死亡した ＝1937年9月28日(WIDE WORLD)

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息子に手を引かれて避難する上海の目の見えない老婆 ＝1937年10月14日（ACME）	上海の租界で日中両軍の戦闘に巻き込まれ、 肩を撃ち抜かれた赤ちゃん。母親は死亡した。 赤子はイギリス軍に救助された ＝1937年10 月27日（AP）
中国軍が上海・閘北地区から撤退。 日本軍が同地区を制圧した後、 燃え上がる上海北部 ＝1937年10月27日（AP）
黒煙を上げる上海黄浦江対岸の浦東をはしけの上から見るアメリカ 海軍水兵 ＝1937年10月27日（AP）
中国軍機の爆撃を受けた上海南京路のパレス・ホテル前。 爆撃の死 者は数百人にのぽった ＝1937年8月25日（AP）
上海南平平路のキャセイ・ホテル（現和平飯店）前の爆撃跡。 日本軍 機が無差別に爆弾を投下した ＝1937年10月3日（ACME）

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路上には日本軍戦車の進攻を阻止するための穴が掘られ.、 鉄門の後 ろに土のうが築かれた上海の租界入口を警備する中国軍兵士 ＝ 1937年10月14日(ACME)	手こぎ船に家族、家財道具、牛を乗せ、 上海黄浦江をさかのぼる中国人避難民。 後方は米太平洋艦隊旗艦オーガスタ｡ 前日、日本軍の砲 弾の破片で水兵が負傷した ＝1937年10月14日（ACME）
日本軍機の爆撃を受ける上海閘北地区 ＝1937年10月31日（AP）
黄浦江から見た揚子浦地区。黒煙を上げているのはイギリス租界。 空爆によるものだが、日中両国軍のどちらの爆撃かは明記されてい ない ＝1937年9月3日(ACME)
上海閘北地区で掃討作戦中の日本海軍陸戦隊。 中国軍の砲撃が前方 のビルに命中、前進を阻まれた ＝1937年11月7日(ACME)	上海・閘北地区の教会の階段の壁穴から応戦する日本兵 ＝1937年10月30日(AP)
上海の戦闘で捕虜にした中国軍兵士を連行する日本兵 ＝1937年11月13日（AP）	上海の前線で捕虜となった中国兵､ 目隠しされ日本海軍陸戦隊によ り、収容所に連行された ＝1937年9月31日（AP）

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天津のイギリス租界を囲んだ電流の流れる鉄条網に触れ即死した中 国人労働者と一般市民 ＝1939年12月6日(ACME)
日本軍機に爆撃された上海北停車場。反復爆撃で駅舎はほぽ完全に破壊された。 前日中国駐留の米海兵隊は日本軍に攻撃されたら、自 衛の反撃を指令された ＝1937年10月28日（ACME）
上海共同租界のフランス人地区の路上に並べられた遺体の山。 中国 軍機の爆撃は死者数百人を出した＝1937年8月26日(AP)	中国軍機の爆撃の後、上海・南京路の キャセイ・ホテル(現和平飯 店)前で救出される被爆者。 周囲には爆撃の犠牲者の遺体が散乱し ている ＝1937年8月25日(AP)
上海の路上で死亡しﾉこ乗用車の客と運転手。 黒点は機関銃の弾痕 か ＝1942年12月1日受信(クレジット不明)
上海北部で崩れた家屋の前に横たわる中国軍兵十の遺体 ＝1937年9月16日（AP）	上海黄浦江沿いの外灘（バンド）を行進する日本軍 ＝1937年12月20日（AP）

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雑炊を支給される上海の戦災孤児たち ＝1937年11月25日(Universal Newsreel)	日本軍が上海を占領、租界に入ろうとする上海市民 ＝1937年11月18日（AP）
上海の浦東地区から対岸の租界に船で向かう市民。 後方は米アジア 艦隊旗艦オーガスタ ＝1937年11月22日 (AP)
上海空襲から逃れ、市西部の蘇州河にかかる 鉄橋までたどり着いた ところで日本兵に射殺された避難民 ＝1937年11月25日受信（AP）	日本軍が接近してきたため、中国下の病院から 上海のフランス租界 に運ばれる負傷者 ＝1937年12月6日（AP）
撤退する中国軍を追って上海・閘北地区に野砲を押して入る日本軍。 日本軍は中国軍のヒンデンブルグ線(防衛線)を突破し南京 を攻略した ＝1937年12月13日(クレジット不明）
上海共同租界の南京路を制圧した日本軍。 右のビルはWINDON百貨店とシンシア百貨店が入るっているビル ＝1937年12月20日(AP)

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日本兵に警備され、上海から避難する外国人と中国人 ＝1937年12月22日（AP）
上海のイタリア租界で、上海市警に捕らえられ、 イタリア軍当局に引渡された日本人テロリスト。 即日釈放された＝1938年9月12日(ACME） 上海租界のアメリカ海兵隊司令部でトラックに乗せられる 日本人テロリスト。テロリストのひとりは 米海兵隊員につばを吐こうとして 銃で殴り到された ＝1938年9月12日（クレジット不明）	3ヵ月に及ぶ上海市内の日本軍の作戦後、 租界周辺には中国兵の遺体が放置されていた ＝1938年3月22日(ACME)