シャトランジ
- 2019/03/15
- 22:09
記憶術
短期間にたくさん反復
先手 後手
まず、祖先の古代インドで生まれたチャトランガは、先手=白(または紅)、後手=黒である。
中国には、「オアシスの道」「海の道」を時間差を置いて伝来したが、いずれも、立像型の棋子(=駒)で、先手=白(または紅)、後手=黒であり、祖先と同じであった。
歴史的背景により詳しいルールが失われているため、不正確である。
縦横8マスに区切られた盤の上で行う。
4人が2組になって勝負し、その後は勝った組同士で勝負する。
4人のプレイヤーが順番に、サイコロを振る。出た目によって定められた列の自軍の駒を1回だけ動かすことができる(後には、サイコロを使わず、自軍の任意の駒を1回だけ動かすことができるようになったと考えられている)。
駒はラージャ(王)、ガジャ(象)またはハスティー(象)、アシュワ(馬)、ラタ(車)またはローカ(船)、パダーティ(歩兵)の5種類で、それぞれ動きが決まっている。プレイヤーごとに赤・緑・黄・黒に色分けされた駒を用いる。
歩兵が最前列 (いちばん向こうの列) に到達した場合は、歩兵のあった列の駒に昇格することができる。つまり車の前にいる歩兵は車に、馬の前にいる歩兵は馬に昇格する。ただし、歩兵のあった列の駒が既に取られている場合に限る。
王はゲームの中で1度だけ、馬の動きができる。
自分の駒を動かす際、動く先に他のプレイヤーの駒があれば、その駒を取ることができる。駒は取り捨てで、持ち駒の概念はない。
自軍の王を取られたプレイヤーは負けとなる。
駒の初期配置
各プレーヤーの手前2列、左4列に、図の矢印の向きに駒を配置する。
二人制チャトランガのルール
ルールは四人制に準じると考えられる。四人制同様、詳しいルールは失われているため、成立した当初の正式なルールとは限らない。
二人制ではサイコロは用いず、任意の駒を動かすことができたと考えられる。
駒はラージャ(王)、マントリ (臣・大臣)、ガジャ(象)またはハスティー(象)、アシュワ(馬)、ラタ(車)またはローカ(船)、パダーティ(歩兵)6種類である。
駒の初期配置
各プレーヤーの手前2列に、図の矢印の向きに駒を配置する。
駒の動き
駒の動き方のルールは唯一でなく、ルールは(文献に残っていない物も含めて)何度か改良されており、複数の文献に異なる時期のルールが記されているだけだという考え方もある[7]。以下にあげる動き方は、いくつかの仮説のうちの一つである。
ラージャ(王) 編集
全方向に1マスずつ動ける。チェスのキング・将棋の玉将・マークルックのクンと同じ。
マントリ (臣・大臣)
斜めに1マスずつ動ける。マークルックのメットおよびビアガーイと同じ動き。
ガジャ(象)
文献により動かせる範囲が異なる。斜め4方向と前に1マスずつに動けた(将棋の銀将やマークルックのコーンと同様の動き)とする説。
斜めに2マスずつ動けたという説。(この場合、自軍や相手の駒を飛び越えられる)
アシュワ(馬)
自軍や相手の駒を飛び越えて、前後に2マス・横に1マス、または前後に1マス・横に2マス進める。チェスのナイト・マークルックのマーと同様の動きである。また、いわゆる八方桂の動きである。
ラタ(車)
前後左右に何マスでも進める。駒を飛び越すことはできない。チェスのルーク・シャンチーの俥・将棋の飛車・マークルックのルアと同様の動きである。
パダーティ(歩兵)
前方に1マスずつ進める。将棋の歩兵と同様の動きである。
チェス、マークルック(タイ将棋)、シットゥイン(ミャンマー将棋)、オク・チャトラン(カンボジア将棋)の「歩兵」に相当する駒と同じで、相手の駒を取る際には斜め前方に進む。
駒を取る
チェスと同様、相手の駒を取ることができますが、取った駒を再利用することはできません。
勝敗
将棋やチェスと同様に、詰まれたら負けです。
特殊なルール
1 プロモーション(成り)
プロモーションはパダチ(兵)の駒が一番奥まで進んだ時に発生するルールです。 一番奥まで進んだパダチ(兵)は裏返してその列の駒と同じ動きをするようになります。 ラージャ(王)に変化した駒は王と同じ動きをするだけで通常の駒と同様に扱います。
2 引き分け
将棋と違い相手の奪った駒が使えないので引き分けが起きる場合があります。引き分けの以下の条件下で起 きます。
・50手の間、駒の取り合いが発生しなかったとき。
・引き分けを提案して、相手がそれを受け入れたとき。
チャトランガ(Chaturanga)とはインドの古代のボードゲームで将棋やチェスのルーツと言われています。だいたいBC2000年頃から行われていたのではないかとも言われていますが、最初は下記のようなレースゲームであったようです。
4人で遊びます。各々は3個のコマを使用し、それぞれの出発点からサイコロにより駒を進め、最終的に真ん中に到達することを目標とします。
これはウル王朝のゲームと似たパターンですが、4人で遊ぶ点が異なっています。同じマスに駒が同居した時にどうしたのかまでは分かりませんが、このゲームを「発見」したユーリー・アウエルバッハは、同じマスに入った場合相手の駒はスタート地点に戻されたのではないかとしています。(「チェスはどのようにして生まれたか」)それだと完全に双六型ゲームということになりそうです。
●4人版チャトランガ(アシュタパダ)Chaturanga
やがて上記のレースゲームから4人制のチャトランガが生まれたとされます。右記に示すのは8×8の盤を使用するもので「アシュタパダ」ともいいます。この他に10×10の盤を使用する「ドゥサパダ」というのもあったそうです。なお、右下の図はこのゲームを日本に紹介した本の図です。
ルーツとなったレースゲームとの違いは駒の進み方がルートに沿って1個ずつではなく各々固有の動きをするようになったこと。そのためサイコロによって何個動かすかを決める必要がなくなり、1人ずつ回していけばよいようになったこと。そしてゲームの目的はどこかに到達するのではなく敵の王を取ることとなりました。逆に言えば相手の目的地を移動させることができるようになったとも言えます(追い回し・乙女の追跡型と考えることも)。ルートを自由にしたことでより複雑なゲームに進展した訳です。
【各駒の動き】
王 ラージャー全方向に1ずつ
象 ハスティ 斜め前後に2歩。駒を飛び越えられる。
馬 アシュワ チェスのナイトと同じ。
船 ロカー 将棋の飛車と同じ。駒は飛び越せない。
歩 パダチ 将棋の歩兵と同じ。
●2人版チャトランガとシャトランジ
この4人制チャトランガから(バリエーションとして?)2人制チャトランガが生まれたとされます。このゲームはお隣のペルシャではシャトランジ(Shatranj)と呼ばれました。微妙なルールの違いはありますが、ほぼ同種のゲームです。
チャトランガ
シャトランジ
王
ラージャー
ラジャー シャー
将軍(大臣)
?
マントリ フィルツェーン
象
ハスティ
ガジャ フィール
馬
アシュワ
? ファラス
船(戦車)
ロカー
ラータ ルク
歩兵
パダチ
パダティ バイダク
新しい駒として大臣(将軍)というのが加わっています。これは斜め前後に1つずつ進む駒です。中国象棋の士はこの系統の駒でしょう。なお、歩兵が最後のラインまで到達した場合、チャトランガではその列の駒に昇進します。つまり船の前にいる歩は船に、馬の前にいる歩は馬に昇進します。これに対してシャトランジでは全て将軍に昇進します。
それからチャトランガ・シャトランジ共通のルールとして、王はゲームの中で1度だけ馬の動きができることになっています。
http://www.ffortune.net/play/bgame/syogi2/chaturanga.htm
چترنگ シャトランジ:アラブ
【各駒の動き】
王 シャー :縦・横・斜め1マス
将 フィルズ :斜め1マス
象 フィール :斜め2マス跳ぶ
馬 ファラス :八方桂
車 ルフ :縦・横自由
兵 バイダク :前1マス、駒を取る時は斜め前1マス、
最奥に達したら、フィルズに成る
裸王(シャー・ムンバド)になったら、次の手で相手を裸王にできなければ負け
双裸王は引き分け
チェスになって動きは変わりましたが、今日でもスペイン語、イタリア語、ロシア語においては「象」の駒は健在です(英語では「僧」になっています)。
また、フィルズはそのままの動きと名前で変則チェスに登場します。
オンラインゲームでもシャトランジは目にします。
シャトランジはチェスの直接の祖先として尊重されている感があります。
https://www.google.co.jp/amp/s/w.atwiki.jp/zillionsofgames/pages/185.amp
駒の数は6種類16個でチェスと構成はだいたい同じである。初期は染料が入手しやすかったために赤と黒に色分けされ黒側が先手であった。後に赤と白、次いで赤と緑となり、最後に白と黒になる。しかしこの色分けは様々な系譜があり一様には進展しない。
駒の種類は以下の通り。
シャー:「王」、全ての方向に一歩ずつ動く。「シャー」とはペルシャ語で「王」を意味する語。チェスのキングに相当する。
フィルズまたはワズィール:「将」・「大臣」、斜め四方に一歩動く。ペルシャ語の「ファルズィーン(فرزین)」より。
フィール:「象」、斜め四方に二歩ずつ進み、間にある駒を飛び越える。左右上下斜め八方に二歩ずつ進むと主張するアル・アドリーというマスターもいる。チェスのビショップに相当する。ペルシャ語の「ピール(پيل)」より。
ファラス:「馬」を意味するアラビア語。八方に桂馬飛びする。チェスのナイトと同じ動き。ペルシャ語では「アスブ(اسپ)」。
ルフ:「戦車」、上下左右に他の駒に進路を妨げられるまで動く。ペルシャ語の「ロフ(رخ)」より。チェスのルークと同じ。
バイダク:「歩兵」、前に一歩ずつ進むが、チェスのように初手で二歩進むことはできない。敵陣の最終列(八段目)に到達するとフィルズ(大臣)に成る。大臣以外の駒に成ることはできないが、成大臣の数は無制限である。チェスのポーンに相当する。前の敵駒は取れず、斜め前の敵駒を取ることができるのも、ポーンと同様である。ペルシャ語の「ピヤーダ(پياده)」より。
(ジャマル:「駱駝」)この駒が象の外、あるいは塔の外に配置される場合がある。動きは斜め四方に動けるだけ動くクイーンのような動きで、駒を飛び越すことができる。
駒の形は偶像崇拝を禁じているイスラームの教えのために抽象的である。ルークは頭がM字形、ファラスが馬頭形の他は円筒を形をした駒を大きさで区別している。
またキャスリング、アンパッサンといったルールはなく、代わりに「シャー・ムンバド」(裸の王)または「ムフラード」(孤立した王)と呼ばれるルールがあり、これは「王」の他に駒が無い状態である。そして先手(黒)は王を左に大臣を右に置き、後手(白)は王を右に大臣を左に置く。これはチェスとは逆である。
また王手のことは「シャーマート」(شاه مات)と呼ぶ。ペルシャ語で「王は死んだ」であり、これがなまって「チェックメイト」になったと言われている。
その他のルールとまとめ、チェスとの相違
編集
盤は市松模様ではない。
ビショップ の代わりにフィールを置く。対角線上に2マス動く。
クイーンの代わりにフィルズを置く。対角線上に1マス動く。
先手はシャーを左にフィルズを右に、後手はフィルズを左にシャーを右に置く。
バイダクは最初に2マス動かない。
アンパッサンがない。
キャスリングがない。
バイダクは敵陣の最終列でフィルズに成る。
相手が指し詰りになれば勝利である。
相手のシャーが「シャー・ムンバド」で自分のシャーが次の指し手で「シャー・ムンバド」にならなければ勝利。
両者とも「シャー・ムンバド」ならば引き分け。
中世アラブのシャトランジ界
編集
このシャトランジは大衆に人気があり、ハフス、アル・アドリー、アル・ラーズィ、アル・スーリー、アル・ラクラーク、医師のアブール・アッバー、アス・サクラズィー、アル・ラブラーク、アブ・イサーク・イブラーヒムなどの名人達が台頭した。その他のマスターや愛好者にいたっては枚挙には暇がない。
またアラブ世界では棋力によって五段階の階級が定められ、最高の級は「アリーヤ」と呼ばれ三名が定員で、アル・アドリー、アル・ラーズィ、アル・スーリーといった名手がその地位に就いた。二番目の級は「ムタカーリバート」といい「アリーヤ」に十局中二~四局勝つ事でこの階級になる事が出来、十局中七局以上勝てれば「アリーヤ」になる資格が生じる。それ以下は順に大臣またはフィルの駒落ちで三番目の級、ファラスの駒落ちで四番目の級、ルークの駒落ちで五番目の級となるが、名称は不明である。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/シャトランジ
チャトラング
شطرنج チャトラング:ペルシャ
【各駒の動き】
王 シャー :縦・横・斜め1マス
将 ファルズィーン :斜め1マス
象 ピール :斜め2マス跳ぶ
馬 アスプ :八方桂
戦車 ロフ :縦・横自由
兵 ピヤーダ :前1マス、駒を取る時は斜め前1マス、
チャトランガはササーン朝ペルシャに伝わりました
その後7世紀にササン朝を滅ぼしたアラブに伝わりました
アラビア語にはchの発音がないため、チャトラングの名前がシャトランジに変わったと考えられます
チャトラングの駒の動きはシャトランジと変わらないと仮定した動きです
https://w.atwiki.jp/zillionsofgames/sp/pages/188.html
HISTORY †
シャトランジ
シャトランジ(Shatranj)は、6世紀ごろから中東アラブ諸国で普及した、現在のチェスのルーツです。最盛期は8世紀ごろだと言われています。
チェス史を考察する上で、シャトランジを現代チェスおよび派生における起源としてとらえるため、とても重要なチェスとして研究されています。
(出土品は入手困難で、写真はレプリカです。)
↑
BOARD & PIECES †
シャトランジ 初期配置
ルク アスプ ピル シャー ファルジン ピル アスプ ルク
プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ
プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ フー フー
ルク アスプ ピル シャー ファルジン ピル アスプ ルク
8x8のボードを使い、上記のようにセットアップします。
shatranj_4pieces1.jpg
シャー(王)
Kingと同じ。
shatranj_4pieces2.jpg
ファルジン(将)
斜に一マス。
shatranj_4pieces3.jpg
ピル(象)
斜に二マス。経路途中の駒を飛び越えられる。
shatranj_4pieces4.jpg
アスプ(馬)
Knightと同じ。
shatranj_4pieces5.jpg
ルク(車)
Rookと同じ。
shatranj_4pieces6.jpg
プジャダ(兵士)
前に一コマ。初手特典なし。駒を取る時は、斜前に一コマ。敵陣最下段に至ると、ファルジンに成る。
キャッスリングはありません。
↑
GOAL †
相手の王を詰めれば勝ちです。
裸のシャーは負けです。ただし、次の一手で相手を裸のシャーにできれば引き分けです。
スティールメイトは、シャーと相手の効きマスになっていない自分の駒と場所を一手で交換できます。残っている駒が、すべて相手の効き筋に入っている場合は負けです。
↑
STRATEGY †
古代のチェスは駒の働きが弱く、テンポがゆっくり進みます。
https://www.nakajim.net/index.php?%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B8%28%E3%83%9A%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%A3%2C%E4%B8%AD%E6%9D%B1%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%96%E8%AB%B8%E5%9B%BD%29
短期間にたくさん反復
先手 後手
まず、祖先の古代インドで生まれたチャトランガは、先手=白(または紅)、後手=黒である。
中国には、「オアシスの道」「海の道」を時間差を置いて伝来したが、いずれも、立像型の棋子(=駒)で、先手=白(または紅)、後手=黒であり、祖先と同じであった。
歴史的背景により詳しいルールが失われているため、不正確である。
縦横8マスに区切られた盤の上で行う。
4人が2組になって勝負し、その後は勝った組同士で勝負する。
4人のプレイヤーが順番に、サイコロを振る。出た目によって定められた列の自軍の駒を1回だけ動かすことができる(後には、サイコロを使わず、自軍の任意の駒を1回だけ動かすことができるようになったと考えられている)。
駒はラージャ(王)、ガジャ(象)またはハスティー(象)、アシュワ(馬)、ラタ(車)またはローカ(船)、パダーティ(歩兵)の5種類で、それぞれ動きが決まっている。プレイヤーごとに赤・緑・黄・黒に色分けされた駒を用いる。
歩兵が最前列 (いちばん向こうの列) に到達した場合は、歩兵のあった列の駒に昇格することができる。つまり車の前にいる歩兵は車に、馬の前にいる歩兵は馬に昇格する。ただし、歩兵のあった列の駒が既に取られている場合に限る。
王はゲームの中で1度だけ、馬の動きができる。
自分の駒を動かす際、動く先に他のプレイヤーの駒があれば、その駒を取ることができる。駒は取り捨てで、持ち駒の概念はない。
自軍の王を取られたプレイヤーは負けとなる。
駒の初期配置
各プレーヤーの手前2列、左4列に、図の矢印の向きに駒を配置する。
二人制チャトランガのルール
ルールは四人制に準じると考えられる。四人制同様、詳しいルールは失われているため、成立した当初の正式なルールとは限らない。
二人制ではサイコロは用いず、任意の駒を動かすことができたと考えられる。
駒はラージャ(王)、マントリ (臣・大臣)、ガジャ(象)またはハスティー(象)、アシュワ(馬)、ラタ(車)またはローカ(船)、パダーティ(歩兵)6種類である。
駒の初期配置
各プレーヤーの手前2列に、図の矢印の向きに駒を配置する。
駒の動き
駒の動き方のルールは唯一でなく、ルールは(文献に残っていない物も含めて)何度か改良されており、複数の文献に異なる時期のルールが記されているだけだという考え方もある[7]。以下にあげる動き方は、いくつかの仮説のうちの一つである。
ラージャ(王) 編集
全方向に1マスずつ動ける。チェスのキング・将棋の玉将・マークルックのクンと同じ。
マントリ (臣・大臣)
斜めに1マスずつ動ける。マークルックのメットおよびビアガーイと同じ動き。
ガジャ(象)
文献により動かせる範囲が異なる。斜め4方向と前に1マスずつに動けた(将棋の銀将やマークルックのコーンと同様の動き)とする説。
斜めに2マスずつ動けたという説。(この場合、自軍や相手の駒を飛び越えられる)
アシュワ(馬)
自軍や相手の駒を飛び越えて、前後に2マス・横に1マス、または前後に1マス・横に2マス進める。チェスのナイト・マークルックのマーと同様の動きである。また、いわゆる八方桂の動きである。
ラタ(車)
前後左右に何マスでも進める。駒を飛び越すことはできない。チェスのルーク・シャンチーの俥・将棋の飛車・マークルックのルアと同様の動きである。
パダーティ(歩兵)
前方に1マスずつ進める。将棋の歩兵と同様の動きである。
チェス、マークルック(タイ将棋)、シットゥイン(ミャンマー将棋)、オク・チャトラン(カンボジア将棋)の「歩兵」に相当する駒と同じで、相手の駒を取る際には斜め前方に進む。
駒を取る
チェスと同様、相手の駒を取ることができますが、取った駒を再利用することはできません。
勝敗
将棋やチェスと同様に、詰まれたら負けです。
特殊なルール
1 プロモーション(成り)
プロモーションはパダチ(兵)の駒が一番奥まで進んだ時に発生するルールです。 一番奥まで進んだパダチ(兵)は裏返してその列の駒と同じ動きをするようになります。 ラージャ(王)に変化した駒は王と同じ動きをするだけで通常の駒と同様に扱います。
2 引き分け
将棋と違い相手の奪った駒が使えないので引き分けが起きる場合があります。引き分けの以下の条件下で起 きます。
・50手の間、駒の取り合いが発生しなかったとき。
・引き分けを提案して、相手がそれを受け入れたとき。
チャトランガ(Chaturanga)とはインドの古代のボードゲームで将棋やチェスのルーツと言われています。だいたいBC2000年頃から行われていたのではないかとも言われていますが、最初は下記のようなレースゲームであったようです。
4人で遊びます。各々は3個のコマを使用し、それぞれの出発点からサイコロにより駒を進め、最終的に真ん中に到達することを目標とします。
これはウル王朝のゲームと似たパターンですが、4人で遊ぶ点が異なっています。同じマスに駒が同居した時にどうしたのかまでは分かりませんが、このゲームを「発見」したユーリー・アウエルバッハは、同じマスに入った場合相手の駒はスタート地点に戻されたのではないかとしています。(「チェスはどのようにして生まれたか」)それだと完全に双六型ゲームということになりそうです。
●4人版チャトランガ(アシュタパダ)Chaturanga
やがて上記のレースゲームから4人制のチャトランガが生まれたとされます。右記に示すのは8×8の盤を使用するもので「アシュタパダ」ともいいます。この他に10×10の盤を使用する「ドゥサパダ」というのもあったそうです。なお、右下の図はこのゲームを日本に紹介した本の図です。
ルーツとなったレースゲームとの違いは駒の進み方がルートに沿って1個ずつではなく各々固有の動きをするようになったこと。そのためサイコロによって何個動かすかを決める必要がなくなり、1人ずつ回していけばよいようになったこと。そしてゲームの目的はどこかに到達するのではなく敵の王を取ることとなりました。逆に言えば相手の目的地を移動させることができるようになったとも言えます(追い回し・乙女の追跡型と考えることも)。ルートを自由にしたことでより複雑なゲームに進展した訳です。
【各駒の動き】
王 ラージャー全方向に1ずつ
象 ハスティ 斜め前後に2歩。駒を飛び越えられる。
馬 アシュワ チェスのナイトと同じ。
船 ロカー 将棋の飛車と同じ。駒は飛び越せない。
歩 パダチ 将棋の歩兵と同じ。
●2人版チャトランガとシャトランジ
この4人制チャトランガから(バリエーションとして?)2人制チャトランガが生まれたとされます。このゲームはお隣のペルシャではシャトランジ(Shatranj)と呼ばれました。微妙なルールの違いはありますが、ほぼ同種のゲームです。
チャトランガ
シャトランジ
王
ラージャー
ラジャー シャー
将軍(大臣)
?
マントリ フィルツェーン
象
ハスティ
ガジャ フィール
馬
アシュワ
? ファラス
船(戦車)
ロカー
ラータ ルク
歩兵
パダチ
パダティ バイダク
新しい駒として大臣(将軍)というのが加わっています。これは斜め前後に1つずつ進む駒です。中国象棋の士はこの系統の駒でしょう。なお、歩兵が最後のラインまで到達した場合、チャトランガではその列の駒に昇進します。つまり船の前にいる歩は船に、馬の前にいる歩は馬に昇進します。これに対してシャトランジでは全て将軍に昇進します。
それからチャトランガ・シャトランジ共通のルールとして、王はゲームの中で1度だけ馬の動きができることになっています。
http://www.ffortune.net/play/bgame/syogi2/chaturanga.htm
چترنگ シャトランジ:アラブ
【各駒の動き】
王 シャー :縦・横・斜め1マス
将 フィルズ :斜め1マス
象 フィール :斜め2マス跳ぶ
馬 ファラス :八方桂
車 ルフ :縦・横自由
兵 バイダク :前1マス、駒を取る時は斜め前1マス、
最奥に達したら、フィルズに成る
裸王(シャー・ムンバド)になったら、次の手で相手を裸王にできなければ負け
双裸王は引き分け
チェスになって動きは変わりましたが、今日でもスペイン語、イタリア語、ロシア語においては「象」の駒は健在です(英語では「僧」になっています)。
また、フィルズはそのままの動きと名前で変則チェスに登場します。
オンラインゲームでもシャトランジは目にします。
シャトランジはチェスの直接の祖先として尊重されている感があります。
https://www.google.co.jp/amp/s/w.atwiki.jp/zillionsofgames/pages/185.amp
駒の数は6種類16個でチェスと構成はだいたい同じである。初期は染料が入手しやすかったために赤と黒に色分けされ黒側が先手であった。後に赤と白、次いで赤と緑となり、最後に白と黒になる。しかしこの色分けは様々な系譜があり一様には進展しない。
駒の種類は以下の通り。
シャー:「王」、全ての方向に一歩ずつ動く。「シャー」とはペルシャ語で「王」を意味する語。チェスのキングに相当する。
フィルズまたはワズィール:「将」・「大臣」、斜め四方に一歩動く。ペルシャ語の「ファルズィーン(فرزین)」より。
フィール:「象」、斜め四方に二歩ずつ進み、間にある駒を飛び越える。左右上下斜め八方に二歩ずつ進むと主張するアル・アドリーというマスターもいる。チェスのビショップに相当する。ペルシャ語の「ピール(پيل)」より。
ファラス:「馬」を意味するアラビア語。八方に桂馬飛びする。チェスのナイトと同じ動き。ペルシャ語では「アスブ(اسپ)」。
ルフ:「戦車」、上下左右に他の駒に進路を妨げられるまで動く。ペルシャ語の「ロフ(رخ)」より。チェスのルークと同じ。
バイダク:「歩兵」、前に一歩ずつ進むが、チェスのように初手で二歩進むことはできない。敵陣の最終列(八段目)に到達するとフィルズ(大臣)に成る。大臣以外の駒に成ることはできないが、成大臣の数は無制限である。チェスのポーンに相当する。前の敵駒は取れず、斜め前の敵駒を取ることができるのも、ポーンと同様である。ペルシャ語の「ピヤーダ(پياده)」より。
(ジャマル:「駱駝」)この駒が象の外、あるいは塔の外に配置される場合がある。動きは斜め四方に動けるだけ動くクイーンのような動きで、駒を飛び越すことができる。
駒の形は偶像崇拝を禁じているイスラームの教えのために抽象的である。ルークは頭がM字形、ファラスが馬頭形の他は円筒を形をした駒を大きさで区別している。
またキャスリング、アンパッサンといったルールはなく、代わりに「シャー・ムンバド」(裸の王)または「ムフラード」(孤立した王)と呼ばれるルールがあり、これは「王」の他に駒が無い状態である。そして先手(黒)は王を左に大臣を右に置き、後手(白)は王を右に大臣を左に置く。これはチェスとは逆である。
また王手のことは「シャーマート」(شاه مات)と呼ぶ。ペルシャ語で「王は死んだ」であり、これがなまって「チェックメイト」になったと言われている。
その他のルールとまとめ、チェスとの相違
編集
盤は市松模様ではない。
ビショップ の代わりにフィールを置く。対角線上に2マス動く。
クイーンの代わりにフィルズを置く。対角線上に1マス動く。
先手はシャーを左にフィルズを右に、後手はフィルズを左にシャーを右に置く。
バイダクは最初に2マス動かない。
アンパッサンがない。
キャスリングがない。
バイダクは敵陣の最終列でフィルズに成る。
相手が指し詰りになれば勝利である。
相手のシャーが「シャー・ムンバド」で自分のシャーが次の指し手で「シャー・ムンバド」にならなければ勝利。
両者とも「シャー・ムンバド」ならば引き分け。
中世アラブのシャトランジ界
編集
このシャトランジは大衆に人気があり、ハフス、アル・アドリー、アル・ラーズィ、アル・スーリー、アル・ラクラーク、医師のアブール・アッバー、アス・サクラズィー、アル・ラブラーク、アブ・イサーク・イブラーヒムなどの名人達が台頭した。その他のマスターや愛好者にいたっては枚挙には暇がない。
またアラブ世界では棋力によって五段階の階級が定められ、最高の級は「アリーヤ」と呼ばれ三名が定員で、アル・アドリー、アル・ラーズィ、アル・スーリーといった名手がその地位に就いた。二番目の級は「ムタカーリバート」といい「アリーヤ」に十局中二~四局勝つ事でこの階級になる事が出来、十局中七局以上勝てれば「アリーヤ」になる資格が生じる。それ以下は順に大臣またはフィルの駒落ちで三番目の級、ファラスの駒落ちで四番目の級、ルークの駒落ちで五番目の級となるが、名称は不明である。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/シャトランジ
チャトラング
شطرنج チャトラング:ペルシャ
【各駒の動き】
王 シャー :縦・横・斜め1マス
将 ファルズィーン :斜め1マス
象 ピール :斜め2マス跳ぶ
馬 アスプ :八方桂
戦車 ロフ :縦・横自由
兵 ピヤーダ :前1マス、駒を取る時は斜め前1マス、
チャトランガはササーン朝ペルシャに伝わりました
その後7世紀にササン朝を滅ぼしたアラブに伝わりました
アラビア語にはchの発音がないため、チャトラングの名前がシャトランジに変わったと考えられます
チャトラングの駒の動きはシャトランジと変わらないと仮定した動きです
https://w.atwiki.jp/zillionsofgames/sp/pages/188.html
HISTORY †
シャトランジ
シャトランジ(Shatranj)は、6世紀ごろから中東アラブ諸国で普及した、現在のチェスのルーツです。最盛期は8世紀ごろだと言われています。
チェス史を考察する上で、シャトランジを現代チェスおよび派生における起源としてとらえるため、とても重要なチェスとして研究されています。
(出土品は入手困難で、写真はレプリカです。)
↑
BOARD & PIECES †
シャトランジ 初期配置
ルク アスプ ピル シャー ファルジン ピル アスプ ルク
プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ
プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ プジャダ フー フー
ルク アスプ ピル シャー ファルジン ピル アスプ ルク
8x8のボードを使い、上記のようにセットアップします。
shatranj_4pieces1.jpg
シャー(王)
Kingと同じ。
shatranj_4pieces2.jpg
ファルジン(将)
斜に一マス。
shatranj_4pieces3.jpg
ピル(象)
斜に二マス。経路途中の駒を飛び越えられる。
shatranj_4pieces4.jpg
アスプ(馬)
Knightと同じ。
shatranj_4pieces5.jpg
ルク(車)
Rookと同じ。
shatranj_4pieces6.jpg
プジャダ(兵士)
前に一コマ。初手特典なし。駒を取る時は、斜前に一コマ。敵陣最下段に至ると、ファルジンに成る。
キャッスリングはありません。
↑
GOAL †
相手の王を詰めれば勝ちです。
裸のシャーは負けです。ただし、次の一手で相手を裸のシャーにできれば引き分けです。
スティールメイトは、シャーと相手の効きマスになっていない自分の駒と場所を一手で交換できます。残っている駒が、すべて相手の効き筋に入っている場合は負けです。
↑
STRATEGY †
古代のチェスは駒の働きが弱く、テンポがゆっくり進みます。
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